シンプル服も、最新トレンドも、手軽に手に入る幸せな時代に生まれた私たち。でも、近ごろ、毎シーズンワードローブを総入れ替えすることに、むなしさを感じていませんか?今年も、そして来年も…使い続けたいちょっといい服で、いつもの着こなしが、がぜん輝きを帯びてくるのです。
ベテランスタイリスト 4人に聞きました!「今買うべきちゃんとした服って?」
大草直子さん’Answer:これだけは永遠、と思えるアクアスキュータムのトレンチコート
上質な素材は素肌が覚え、美しい色は目が記憶し、究極のフォルムは体が実感する――いい体験や経験を与えてくれる、それが「ちゃんとした服」。とはいえ、ベーシック=永遠ではないからファッションって悩ましいですね。でも、このトレンチは裏切らない。オーセンティックなロング丈で、色はハニーベージュ。100年近く形が変わっていないから、今後100年もそうなんじゃないか、と思える。きっとこの先も、愛し続ける自信があります。
竹村はま子さん’Answer:色そして素材。自分の「好き」で選んだ
3シーズンいけるドゥロワーのニット
私がちゃんとした服を買うとき、大事にしているのは理屈めいたものでなく、「感覚」です。このニットはもう10年以上着続けているもの。毛玉にならず全くチクチクしないシルクカシミアもグリーンの色味も自分にしっくりくるんです。そう、私がついつい投資してしまうのがハイゲージニット、中でも丸首やボートネック。それはきっと、翌年も着るアイテム。自分の好きな格好に欠かせないものこそ、ちゃんとした服を、というのが私の答えです。
栗原登志恵さん’Answer:信頼している細身の九分丈パンツがマイスタイルを表現してくれる
この形のパンツは自分に合う、そんな自信をくれる上質な一本があるだけで、日々の着こなしはかなり楽になります。私にとって、それはセンタープレスの効いた細身の九分丈パンツ。パンツにもトレンドはありますが、投資するならば、やはり長く使えるベーシックなフォルムを選ぶのが正解です。これは私が長年信頼し、愛用している〝インコテックス〟の一本。ちょっとカジュアルな合わせでも、上品に仕上げてくれる力はさすがです。
荒木里実さん’Answer:ハレの日、旅先、まさにシーンレス!ドゥロワーの総レースワンピース
質の良し悪しが如実に表れるレースはいいものが大前提。これは4年選手のワンピース。程よいコンシャスシルエット、セクシーな袖の透け感、詰まった衿元など、甘さよりも辛さが立った、私好みの一枚です。シンプルなレースワンピって上品にもエッジィにも、小物次第で表情が変わるから、まさに投資に値するアイテム。これも充分活躍して、しっかりモトは取れました。そろそろひざ下丈のNEXTレースワンピに更新しようと、今探し中です。
先輩スタイリストの教えから分かった揃えるべきアイテム4つをおさらい
01トレンチコート
定番のデニムコーデに差をつける洗練フォルムのロングトレンチ
通勤にもカジュアルにも対応してくれるキャパの広さで、奮発するに値するトレンチコート。定番中の定番と思われがちなアイテムだけど、レングスやシルエットに移り変わりがあるのも事実。今選ぶなら、ひざが隠れる丈でシルエットは比較的ゆったりめを。アクアスキュータムのトレンチは、ちらりとのぞく伝統的なクラブチェックの裏地も誇らしい。コート¥130,000(アクアスキュータム ホワイトレーベル/レナウン プレスポート)シャツ¥21,000(ANAYI)パンツ¥19,000(REDCARD/PLST)バッグ¥384,000(JIMMYCHOO)靴¥79,000(クリスチャン ルブタン/クリスチャン ルブタン ジャパン)ピアス¥9,000リング右手人差し指下¥77,000中指¥72,000〈すべてマリア ブラック〉リング右手人差し指上¥330,000〈ヒロタカ〉左手人差し指¥21,000〈マリハ〉(すべてショールーム セッション)
02 ハイゲージニット
肌を滑り落ちるようなとろみカーデは着ても眺めても、満足度は格別
日本人の肌になじみのよい、ややくすんだピンクの上質シルクカーディガン。美しいツヤ感と発色で、顔周りに格を与えてくれます。着丈も身幅もゆとりをもたせたシルエットは、重ね着しやすいように、という配慮から。吸湿性や保温性に優れた素材なので、季節を問わずに着用できるのもうれしい。カーディガン¥31,000(スローン)カットソー¥11,000(スリードッツ/スリードッツ青山店)パンツ¥9,200(Mila Owen/MilaOwen ルミネ新宿2店)靴¥110,000(JIMMY CHOO)ピアス¥520,000リング¥620,000(ともにエム/ジー TASAKI/TASAKI)
03 九分丈パンツ
シルエットに差がつく白こそ上質パンツで美脚をアピール
ゆるニットをバランスよく仕上げるには、やはり細身九分丈パンツが欠かせない。このパンツは1985年にイタリアで創業したパンツ専門のブランドのもの。テーパードの細身シルエットを追求し続けているのが納得の、古さを感じさせない洗練ムードが自慢。パンツ¥31,000(ベルウィッチ/essenceof ANAYI)ニット¥16,000(フレームワーク/フレームワーク ルミネ新宿店)バッグ¥260,000(フォンタナ ミラノ 1915/バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター)靴¥78,000(ピエール アルディ/ピエール ア
ルディ 東京)
04 レースワンピース
長袖&ミディ丈のセレクトがビターな甘さの大人のレースワンピ
総レースのワンピはシーズン&シーンレスで活躍してくれる、大人のワードローブにあると便利なアイテム。上質な透け具合がエレガントで、およばれシーンに、スパイシィな合わせものでナイトアウトに、と着回し力大。ワンピース¥42,000(ユナイテッドアローズ/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)ライダースジャケット¥140,000(チノ/デミルクス ビームス 新宿)バッグ¥125,000(JIMMY CHOO)靴¥78,000(ジル サンダー/ビームス ハウス 丸の内)リング¥100,000(スピネリ キルコリン/バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター)
撮影/土山大輔(TRON)〈人物〉、魚地武大〈静物〉 モデル/松島 花 ヘアメーク/MAK(I P-cott) スタイリング/三好 彩 取材/西道倫子
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