【三吉彩花さん】「〝あなたはどう思う?〟に答えられなくて恥ずかしい思いもした」海外作品から学んだ経験
モデルとしてキャリアをスタートし、現在は海外にも俳優・モデルの活動の場を広げる三吉彩花さん。10代の頃から目指していた海外作品への挑戦も果たし、6月に迎えた30歳は「とても大きな転換期」と言います。経験や年齢を積み重ねる中で変えたことと変わらないこと。三吉さんの選択を聞きました。
3年、5年のスパンで考えると
自分を俯瞰できて迷わなくなりました
目標を叶えるために今、
必要かどうかを見極めて
やるべきことを取捨選択
最初にキャリアの“節目”を意識したのは20歳でしたが、6月に迎えた30歳も結構大きい区切りでした。「アジアで活躍したい」と10代の頃から手探りで続けてきたことが、ようやく形になってきたタイミングでもあり、新しい人生がスタートする気持ちで30歳を迎えました。10年以上、独学で韓国語を勉強していてもがいてきましたが、日本と海外での仕事のバランスを確立できつつある今、継続してきてよかったと感じています。
目標が見えたら悩まないタイプ。5年に1度くらいのスパンで、3年、5年先の人生設計をして、取り組むべきことを取捨選択してきました。海外での仕事を見据えたときに、世の中の情勢などやむを得ない事情での変更はありますが、そういうケースでない限りは、一度決めた目標を変えることはありません。寄り道も好きじゃない。最終地点に必要な寄り道であればしますが、「数年後でもいいかも」と思うことは一旦置いておいて、今の自分が蓄えるべきものにフォーカスします。それを見極めるために日々行っているのは、世の中で起こっているニュースや世界情勢を幅広くチェックすること。各国で盛り上がっているエンタメやコンテンツもリサーチして、「じゃあ日本は?」や「自分だったら?」と考えを巡らせているので、脳みそはずっと忙しい感じです(笑)。焦ったり、感情的になるのが得意ではなくて、常に「一旦冷静に」と心掛けていますね。考えすぎてパンクすることはないのですが、たまに優先順位が分からなくなって、体が先に疲れてしまう場合も。体がダウンしてから「休まなきゃいけない時期だったんだ」と気付くことは今でもあります。
憧れるのは立場関係なく寄り添って、
誰も置いていかないリーダー像
今作『キングダム 魂の決戦』で演じる媧燐は、独特のオーラとカリスマ性で敵も味方も黙らせたり、動かすことができる、賢くて戦いに強い女将軍。『キングダム』にはカッコいい女性キャラクターがたくさん登場しますが、その中でも唯一無二の存在感。軍を率いるリーダーでもあるため、オファーをいただいたときは光栄な気持ちとともに驚きもありました。正直、自分の年齢では「若いんじゃないか」と感じたので、彼女の持つ迫力と芯の強さを表現できるように、原作の漫画やアニメを読んだり観たりしながら、役作りに励みました。媧燐は特殊なリーダーですが、私が理想とするリーダー像は、どの立場の人にもフラットに寄り添える人。自分がたくさんの人と関わる中で、キャリアを重ねれば重ねるほど、周りが寄り添ってくれる環境になることを感じる場面も少なくありません。統率力やカリスマ性、発言の説得力も重要だと思いますが、リーダー自ら話を聞いてくれることで、さらに信頼感が生まれたり、チームとしての力も強くなる。私自身もそういうリーダーや先輩たちに救われたことがたくさんありました。先頭で目的地まで引っ張る統率者もカッコいいけれど、誰も置いていかないリーダーはより素敵だな、と思います。
三吉彩花さんの〝取捨選択〟
【取】
多様な意見を聞き入れる機会を
増やしたくて、今はひとりよりも
友達と会う時間を優先
どんな選択も自分の心が動かされるかどうか、を基準に選び取ります。ここ1、2年はひとり時間よりも友達との時間を重視。余裕があれば友人に会って、終礼みたいに一日の報告をしたり、意見交換をしたり。年齢を重ねれば重ねるほど経験や実績も増えて、「これはこう」と決めつけがちになるのを、自分にも周りにも感じるので、色々な人の意見を聞く習慣を意識的に作っています。職種が違えば考え方も違うし、育った環境で価値観も変わる。お互いを分析し合うのも面白くて、視野も広がります。もちろん最終的に自分の意見を持つことは大事ですが、一旦その場にいるみんなの考えを受け入れてみる、共有してみる。その過程が今の私には心地よくて、リフレッシュにもなっています。
【捨】
“年下だから”“キャリアがないから”
という遠慮を捨てて
「私はこう思う」と伝えるように
以前は年齢が若いこともあって、年上の方が多いと「こうしちゃいけないのかな」と勝手に遠慮していましたが、海外作品の経験を経て、不必要な遠慮は手放しました。私がいた現場では新人もベテランも関係なく「あなたはどう思う?」と聞かれる環境。その中で、答えられなくて恥ずかしい思いもしたし、自分の意見を持っていないと、“いるようでいない人”になってしまうことも痛感。通訳さんを通してでも思いを説明すると、作品への熱量が伝わって、コミュニケーションも深くなる、と感じてからは、遠慮せずに考えを話す姿勢を大事にしています。
何も考えずに手を動かせる料理が
リラックスタイム
料理は苦ではなく、何も考えずに手を動かせるからリフレッシュにもなります。友達を家に呼んで手料理を振る舞うのも好き。自家製キムチも漬け込んでいて、最近はサーモンキムチにハマっています。マルチタスクが得意なほうなので作るとなったら、メイン、和え物、漬物、汁物と品数多め。料理に限らず、何事も効率よく進めたい派。オンオフ問わず無駄なく一日を終えるのが理想なので、隙間時間を埋めたり、同時進行したり、とスケジュールを組み立てる日も多いです。
三吉彩花さん / AYAKA MIYOSHI
1996年生まれ。埼玉県出身。俳優・モデルとして幅広く活動。2024年には、ドラマ『地球の歩き方』で「第29回釜山国際映画祭」ライジングスター賞、映画『本心』で「第46回ヨコハマ映画祭」助演女優賞を受賞。近年の主な出演作は、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』、Netflix Korea『隣の国のグルメイト』など。7月17日公開『キングダム 魂の決戦』では、楚の女将軍・媧燐を演じる。待機作に、韓国映画『タチャ:ベルゼブブの歌』がある。
【衣装クレジット】ロングドレス¥404,800(アン ドゥムルメステール/エム)
撮影/水野美隆 ヘアメイク/牧野𥙿大 スタイリング/濱本愛弓 取材/坂本結香 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年8月号「私たちの取捨選択」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
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