アラサー世代の約6割が「落ち込みやすい」!?辻愛沙子さんに聞く“イライラ”“自己嫌悪”との向き合い方

仕事や人間関係、将来への不安――ふとした瞬間に気持ちが沈み、「落ち込む自分」を責めてしまうことはありませんか? 今回は、周囲と比べて焦ってしまったり、自分の気持ちをうまく整理できなかったりとCLASSY.世代ならではのリアルな声をもとに、メンタルケアについて考えました。

感情をコントロールできず
彼に理不尽にあたってしまい、
自己嫌悪…

仕事で嫌なことがあった日や、ホルモンバランスの影響で些細な一言に過剰に反応してしまう時、感情をうまくコントロールできず、彼にあたってしまいます。本当は話を聞いてほしいだけなのに、強い言い方になってしまったり、余計なことをぶつけてしまい、後から自己嫌悪に。感情に振り回されず、自分で整えられるようになりたいです。

心の中ではイライラしてもいい。
「感情」と「行動」は別ものと
意識してみることが第一歩

感情は無理にコントロールしようとしなくても大丈夫。「抑えること」を意識するのではなく、「気づいてあげること」が大切です。そのうえで意識したいのが、“感情”と“行動”を切り離して考えること。イライラしている最中は自覚しづらいからこそ、知らないうちに感情が表に出てしまう。普段から自分の感情を観察するクセをつけておくことで、きつい言い方をしてしまう前に「今ちょっと余裕がないかも」と気づけて、反応の仕方を選べるようになります。感情は自然なものとして受け止めつつ、どうふるまいたいかを意識することで、関係性も自分自身も整いやすくなるはずです。by Asako

同僚と任される仕事の差を比較して
落ち込んでしまいます

同期とは得意とする仕事の領域が違うと頭ではわかっているのに、任される仕事の差を感じるたびに「自分はまだまだだ」と落ち込んでしまいます。「私もあのプロジェクトをやりたかった」「どうして自分じゃなかったんだろう」と悔しさが消えません。比較してしまう気持ちとの折り合いのつけ方が難しいです。

人生は“マラソン”。
その一瞬だけで判断せず
長期目線で物事を捉えて

大学受験や就職活動…他人と比較してしまう場面はこれまでの人生でも何度もあったはず。でも振り返ると、人生はどこでどう転ぶかわからないものだと今なら思うようになりました。実業家としてさまざまな人と関わるなかで感じるのは、人にはそれぞれ得意分野や戦い方があり、同じやり方をなぞってもうまくいくとは限らないということ。むしろ、うまくいかない時ほど他人をトレースしようとしてしまいがちです。だからこそ、悔しい時こそ自分が無理なく力を発揮できるスタイルや強みに目を向けてみてください。自分が労力かけずにできていることが、他人にとって「当たり前」ではなかったりするもの。「これなら自分にできる」と思える領域を見つけることが、結果につながる一歩になります。by Asako

上司からの何げない一言や
仕事のミスを
必要以上に引きずってしまいます

上司からのダメ出しや同僚の何げない一言を引きずってしまったり、仕事でミスをすると「また同じことをしてしまうのでは」と不安になり、なかなか気持ちを切り替えられません。気にしすぎだとわかっていても、他人の目が気になり、自信をなくしてしまいます。負のループから抜け出し、前向きな自分でいたいです。

気持ちを切り替えるきっかけを
短いスパン(=秒単位)でつくってみて

他人の意見を細やかに意識できるのは、あなたの大切な長所。その特性を無理に消そうとするのではなく、「(そのことが)気になっているんだな」と一度受け止めることが大切です。そのうえで意識したいのが、気持ちを引きずる時間をできるだけ短くすること。年末に気持ちをリセットして新年に新しい目標を立てるように、「今の1秒で切り替える」と区切りをつくるイメージです。感情は前の瞬間に置いてきて、「じゃあ今からどうする?」と意識を未来に戻す。落ち込んだ原因ではなく“この先の行動”に目を向けることで、気持ちは少しずつ整っていきます。すぐにできなくても大丈夫。1秒も1年や1日と同じように過ぎていくものと意識して小さな切り替えを積み重ねることが、前向きに進む力になります。by Asako

周りはどんどん進んでいるのに…
“変われない自分”に焦ります

友人たちが結婚や転職、新しい挑戦など、それぞれの「次のステージ」に進んでいくのを見て、自分は何も変われていない気がして焦ってしまいます。やりたいことが定まらず転職に踏み出せず、恋愛も後回しで同じ場所で足踏みしているような感覚で…こうした焦りや迷いと、どう向き合っていけばいいのかわかりません。

迷うのは自分自身をよく知らないから。
価値観のルーツを知ることで、
「自分の幸せ」の軸が見えてくる

周りの選択や人生が見えやすい時代だからこそ、つい他人を基準に選んでしまいがち。だからこそ、幸せの軸を外に置き去りにせず、「それは本当に自分の意思なのか?」と問いかけるクセをつけてみてください。「どうしてそれをやりたいのか?」を起点に、「どんな時に嬉しいと感じるのか」「どんな人生を歩みたいのか」と問い直していく。その繰り返しが、自分にとっての軸や、本当に大切にしたいものを見つけるヒントになります。本などを通してさまざまな生き方に触れることもひとつの方法。自分の中の選択肢を広げていくことで自分なりの幸せのかたちが少しずつ見えてくると思います。by Asako

教えてくれたのは…

実業家・クリエイティブディレクター
辻愛沙子さん
1995年生まれ。「社会課題をクリエイティブで解決する」を掲げ、広告・メディアなどの枠にとどまらない幅広い領域でディレクションを手がける。また、スポーツドクターである父の影響で、幼いころからメンタルケアに興味を持つ。広告代理店での会社員時代や実業家としての経験から、自身の感情や社会への向き合い方などを発信する。

撮影/越野夕也 イラスト/green K ヘアメイク/Hitomi(Chrysanthemum) 取材/下田真里衣 編集/鈴木日向 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年6月号「辻愛沙子さんと考える“セルフメンタルケア”」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。