「アウディ ジャパン」の女性社員が語る〝この仕事を選んでよかった〟と感じる瞬間【OG訪問】

何となく知っていて憧れはあるけれど、働くというイメージは持ちづらい…そんな人が多いかもしれない、外資系自動車会社。男性社会っぽい、車マニアじゃないと働けない?そんな疑問に答えるべく、ドイツ発のプレミアムカーブランド・アウディへOG訪問しました。

“男性向き”と思われがちな自動車業界。
でもブランドへの理解があれば、
ジェンダーギャップは感じません

今回のOGは...吉村 ヤスミンさん

アウディ ジャパン マーケティング本部
ブランド エクスペリエンス

吉村 ヤスミンさん
1995年生まれ。ハンブルク出身。大学院を卒業後、インターンシップからアウディ ジャパンに入社。SNSポジションを経て、現在はイベントマーケティングに従事。趣味は旅行。年に1回は家族が暮らすドイツへ帰国。昨年11月に入籍、4月上旬に挙式したばかり。

イベント運営に慣れているから、結婚式準備も楽しかったそう。

吉村さんHISTORY

26歳 大学院を卒業。フォルクスワーゲン ジャパンにてインターンを開始

27歳 アウディ ジャパンに入社。マーケティング本部のSNS担当に

30歳 同部署のイベント担当にキャリアチェンジ

イベントで展示する車両をチェックするのも業務のひとつ。自らハンドルを握ることで、ブランドへの理解が深まる時間でもあります。週末に自社の車を借りられる制度があり、冬はスキー板を積んでゲレンデへ、夏はキャンプへと気軽に出掛けられるのが嬉しい。

※スケジュールは、イベントがある週のものです。

お仕事必需品

勇気を持って動いたことで
イベント担当のポジションへの
キャリアチェンジが実現

自分のルーツであるドイツと日本を繋ぎつつ、英語が活かせる仕事に就きたいという思いがあり、フォルクスワーゲン ジャパンでインターンを経験。1年間SNS担当として働き、同グループ内のアウディ ジャパンに正社員で採用されました。引き続きSNS運営を務める一方で、イベントマーケティングに挑戦したい気持ちが強くなったのは、入社して3年が経った頃。デジタルマーケティングは数字で成果が見えやすく、やりがいがありましたが、人と現場に直接関わる仕事の方が自分らしい、と感じていました。

当時の私は募集要項を満たしていなかったのですが、ダメ元で手を挙げたことで念願の異動が実現。現在は、販売会社向けのイベントの企画・運営を中心に担当しています。主な業務は、ディーラーカンファレンスやゴルフ大会での展示イベント、年1回開催される表彰式など。イベントごとにブリーフシートを作成し、代理店に向けたオリエンを実施。マッチした代理店をはじめ、他部署とも連携をとりながら当日に向けて動きます。どのイベントにおいてもブランドの世界観を守る責任があり、そこにズレが生じないよう、各方面との細やかなコミュニケーションも欠かせません。

表から見ると華やかですが
実際は調整力を
とても求められる仕事です

社内外の人たちとチームになり、ひとつのゴールに向かっていく達成感はありますが、準備期間は慌ただしく、当日まで調整を行うことも。不確定要素も多いため、限られた時間の中で最適解を導き出す判断力が必要です。そして、アウディというプレミアムブランドの体験を扱う以上、フィロソフィーやクオリティを守るための責任も大きく、細部まで妥協せずに目を配る力も不可欠。社内外の多くの人と関わることが多いため、相手の意図を汲み取りながら前に進めるよう調整しています。業務の大部分は関係者とのすり合わせや確認作業。代理店、サプライヤー、社内の複数部署など、関わるパートナーが多岐にわたるため、相手の意図を汲み取りながら物事を前に進める力も必須です。

自動車業界は、「男性向き」や「車好きでないと入れない」というイメージも根強いと思います。実際に職場の7割は男性で、ほとんどが車好き。私も車は好きな方ですが、同僚の深すぎる車愛にはついていけないことも正直あります(笑)。でもだからといって働きづらさや、女性のキャリアアップの難しさを感じたことはありません。女性マネージャーもいますし、ブランドへの理解と熱意があれば、性別問わず挑戦できる環境が整っていると思います。

自分の成果よりも
“誰かのため”を優先しています

一番のやりがいは、ブランドの世界観を“体験”として形にできること。SNSでは伝えきれない空気感や高揚感をリアルに体感する場に立ち会えるのは、イベントならではの醍醐味です。当日に辿り着くまでは「ワークライフバランスとは…」と思う時期もありますが(笑)、長い準備期間を経て会場が動き出し、参加者の方々が笑顔になっている姿を目にするとすべてが報われたような感覚になるし、「この仕事を選んでよかった」と心から思います。イベントの裏側では多くの苦労や努力が積み重ねられていて、それらが見えにくい仕事であることを、運営側に立って初めて気づきました。だからこそ「今回のイベント、素晴らしかったです」といった声をいただけると、人の役に立てた実感が残り、フィードバックをいただけること自体が次の挑戦へのモチベーションにもなる。自分の成果よりも、アウディオーナーや販売会社、来場者など関わった人が喜んでくれた瞬間に、この仕事の価値を改めて感じます。相手の成功や満足が自分の喜びに繋がる人、誰かのために動くことを自然と楽しめる人は、よりマッチするポジションで活躍もしやすいと思います。

この4月でイベントマーケティングに異動して1年。年間の流れや注意点は分かってきましたが、未だに上司に頼る場面も多く、まだまだ経験不足。この先、新しいイベントも加わるので、ひとりでフロントに立って自信を持ってイベントを回せる人材になるのも目標です。私が思うアウディの魅力は、知性を感じるプレミアム感。控えめだけど高級感や上質さはちゃんとある。自分が心惹かれる部分もイベントを通して発信していきたいです。

【Q&A】
意外と知らない自動車会社イベント運営のリアルを聞いてみた!

異業種からの転職は可能?

他ブランドの輸入車、国産自動車メーカーからの転職が多いですが、薬品メーカー、プレミアムファッションブランド、ホテル、コスメブランドなど幅広い業界の経験者が集まります。マーケティング部は広告会社出身者が多く、代理店側からクライアント側へのキャリアチェンジも増えている印象です。

福利厚生は?

従業員向けの新車販売の割引やプールカーのレンタルに加えて、育児時短勤務、パパママリモートプラスといった、ライフステージに合わせた制度も充実。運転免許証の更新の際に半日を限度に休みが取れる、業界特有のサポートも。コアタイムは、11:00〜14:00。朝が苦手なので助かっています。

どんな人が向いている?

イベントは予定通りに進まないことが前提なので、状況の変化に柔軟に対応できる力が重要。現場での判断も多く、体力とメンタルの両方が求められます。どんなイベントでもブランドの世界観を体験として落とし込む必要があり、小さな違和感に気づける人、細部まで丁寧に仕上げられる人は強いです。

撮影/杉本大希 取材/坂本結香 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年6月号「次の扉をノック!大人のOG訪問」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。