【フィンランド旅】世界遺産登録で話題! 今こそ巡りたい〈アアルト〉の名建築

北欧デザインの巨匠として知られる、フィンランドを代表する建築家・デザイナーのアルヴァ・アアルト。アイコニックなスツールやフラワーベースなど、彼が手がけた名作を愛用しているCLASSY.読者も多いはず。実は今年、アルヴァ・アアルトと、自身も建築家・デザイナーとしてアルヴァと協働した最初の妻アイノ、2番目の妻エリッサらが手がけた13の建築作品からなる「アアルト建築群」が、ユネスコ世界遺産に正式に登録されました。今回そんな話題のスポットを、フィンランドとアアルトをこよなく愛するライター・沼田珠実が、実際に訪問! 来たる秋冬のバケーションにもおすすめしたい、“アアルトの名建築&デザインを巡る旅”をご紹介します。

ライター・沼田が巡った街は……

ヘルシンキ
フィンランドの首都。アアルト作品はもちろん、北欧らしい建築、デザイン、ミュージアム、家具、雑貨などが楽しめる、バルト海沿いに位置するコンパクトな街。ヘルシンキ空港は、街の中心から約30分の場所にあり、アクセスも抜群。女性のひとり旅にも人気。

 

ユヴァスキュラ
ヘルシンキから電車やバスで3時間半、飛行機で1時間弱に位置する、中部・湖水地方の都市。アルヴァ・アアルトが少年時代を過ごし、初めて建築事務所を立ち上げた場所であり、多くの作品を残した街としても有名。アアルトの建築作品としてユネスコ世界遺産に登録された建築物が3件、そして、アアルト建築以外の世界遺産も2つ(Petäjävesi Old Church・Oravivuori triangulation point)ある、見どころの多い街です。

ユネスコ世界遺産に登録! 13の建築作品からなる「アアルト建築群」

フィンランディア・ホール(ヘルシンキ)☆

アアルト自邸(ヘルシンキ)☆

アアルト・スタジオ(ヘルシンキ)☆

国民年金協会本部(KELA、ヘルシンキ)

文化の家(ヘルシンキ)

パイミオのサナトリウム(パイミオ)

マイレア邸(ポリ)

スニラ・パルプ工場住宅地区(コトカ)

スリークロス教会(三つの十字架の教会、イマトラ)

セイナッツァロ村役場(ユヴァスキュラ)☆

ユヴァスキュラ大学アアルト・キャンパス(ユヴァスキュラ)☆

ムーラッツァロ実験住宅(ユヴァスキュラ)☆

セイナヨキ行政・文化センター(セイナヨキ)

※13の建築群のうち、今回は☆印の建物を来訪

首都・ヘルシンキ中心地にあるアアルト建築

今回私が訪れたのは、ヘルシンキとユヴァスキュラにある☆印の6つの作品。建築の素晴らしさはもちろんのこと、2都市のそれぞれの魅力もお伝えしていきます!

まず首都であるヘルシンキは、非常にコンパクトな街。トラムなど交通の便も発達しており、移動のしやすさも◎。今回はヘルシンキにあるアアルト建築群のうち、3つの建物を回りました。

#1. 随所にアアルトの美学が息づく「フィンランディア・ホール」

まず訪れたアアルト建築群は、1971年に完成した「フィンランディア・ホール」。アアルト建築の中でも特に著名な作品で、現在もコンサートやイベントの会場として利用されています。ホールでは常設展「Visions of Alvar Aalto」を楽しめるほか、敷地内には、アアルトのデザインに着想を得た、宿泊可能な2室のアパートメント、「Finlandia Homes」もあります。

Mannerheimintie 13 e, 00100 Helsinki
<アクセス>
ヘルシンキ中央駅から徒歩約15分

#2. アアルト夫妻が実際に暮らした「アアルト自邸」

続いて紹介するのは、1936年に完成したヘルシンキのムンッキニエミ地区にある、アアルト自邸。アアルトデザインの真髄でもある、“人間を中心に考えるモダニズム”を象徴した空間には、当時のインテリアがそのまま残され、実際に長年家族と暮らし、仕事場としていた生活の様子を体感できます。自邸とスタジオは、日本語堪能なガイドによるツアーもあります。

Riihitie 20, 00330 Helsinki
<アクセス>
ヘルシンキ中央駅から4番トラムに乗って約20分
Laajalahden aukio駅で下車徒歩5〜10分

#3. アルヴァとエリッサの創作の拠点「アアルト・スタジオ」

アアルト自邸からほど近い場所に位置するのが、1955年完成のアアルト・スタジオ(1962〜1963年に増築)。アルヴァと2番目の妻、エリッサ・アアルトの建築事務所として使用されていた場所です。自然光を生かした開放的な造りで、実験的な設計が随所に取り入れられれています。

Tiilimäki 20, 00330 Helsinki
<アクセス>
アアルト自邸からアトリエまで徒歩約10分

番外編|「アアルト建築群」以外も! ヘルシンキ中心部にある、注目のアアルト作品

ヘルシンキは、至るところでアアルト作品に出合える街。例えばヘルシンキ中央駅から徒歩圏内にある「アカデミア書店」や、レストランの「サヴォイ」、「ディラン・マルモリピハ」、エロッタヤの地下入り口なども彼が手がけたもの。またアアルト作品をはじめとする、フィンランドの建築やデザインの歴史をさらに深く知りたい人は、「ヘルシンキ建築デザインニュージアム」も必見です。

番外編|ヘルシンキ旅のおすすめスポット

今回のヘルシンキ滞在で私が宿泊したホテルや訪れた観光地、レストランなどもご紹介。旅の参考にぜひチェックを!

アアルト所縁の地、ユヴァスキュラにあるアアルト建築

ヘルシンキに続き、「アアルト建築群」の作品を見に私が訪れたのが、ユヴァスキュラ。アルヴァ・アアルトが少年時代を過ごし、初めて建築事務所をスタートさせ、サマーハウスも構えていた、アアルトと関係深い街です。そんなユヴァスキュラまで足を伸ばしたら、ぜひ見にいきたい「アアルト建築群」の作品3つをご紹介します。

#4. 現在は宿泊も可能! 「セイナッツァロ村役場」

1952年に完成した、アアルトの最高傑作のひとつとも言われる村役場。現在は図書館、オフィス、宿泊施設として利用されています。中庭を取り囲むように建つ建物は、外壁にも内装にもレンガを多用。後にアアルトがレンガを取り入れはじめるきっかけとなった建築、と言われています。家具や照明などもこの建物用につくられた、オリジナル。ガイドツアー付きで見学ができます。

Parviaisentie 9, 40900 Säynätsalo
<アクセス>
ユヴァスキュラのバスターミナルからバスで約30分

#5. 赤レンガ造りが印象的な「ユヴァスキュラ大学アアルト・キャンパス」

ユヴァスキュラ大学のアアルト・キャンパスは、1950年代に、アアルトが設計を手がけたレンガ造りの建物群。アアルトは、本館や図書館など多数の施設に携わり、今もなお大学として利用されています。敷地内にある室内プールは公共プールで、観光客も利用可能! 周囲にはほかのアアルト建築も点在しているので、作品巡りもおすすめです。

Seminaarinkatu 15, 40014 Jyväskylän yliopisto
<アクセス>
ユヴァスキュラ駅から徒歩で約30分

#6. さまざまな素材が試された「ムーラッツァロ実験住宅」

1954年完成。アルヴァ&エリッサが、建築研究を行うための実験の場として使用していたサマーハウス。外壁は基本的に白ですが、中庭から見える面の壁には、レンガやタイルなどが組み合わされ、さまざまな様式を試した様子が伺えます。後の建築物の技法を思い浮かべながら見学すると、より楽しさが増すはず。湖上の島にあるため、当時は船でしか行くことができなかったそうですが、現在は車と徒歩でアクセス可能。夏季のみ、ガイドツアーが開催されています。

Melalammentie 6, 40900 Säynätsalo
<アクセス>
湖上の小さな島であるムーラッツァロ島へは、セイナッツァロの村役場からバスで約10分

番外編|「アアルト建築群」以外も! ユヴァスキュラ中心部にある、注目のアアルト建築

ユヴァスキュラ駅から徒歩数分のところにあるアアルトの初期作品「労働者会館」、そこから徒歩で約20分の「アアルト2ミュージアムセンター」など、ヘルシンキ同様、アアルト作品が点在するユヴァスキュラ。作品巡りだけでも時間があっという間! アアルトのデザインに浸る旅を存分に楽しめます。

番外編|ユバスキュラ旅のおすすめスポット

時間が許すならば、世界文化遺産に登録されている教会や、ミュージアム、地元のレストランにも足を運んで! 旅の参考に、私がユバスキュラで滞在したホテルや訪れたレストラン、観光名所をご紹介します。

少し背伸びして! フィンランド旅にフィンエアーのビジネスクラスがおすすめの理由

ヨーロッパへの旅行は、フライト時間が長いことがネックになることがありますよね。現在、成田/羽田からヘルシンキへは約12時間半。そんな長距離フライトを快適に過ごすためには、やっぱりビジネスクラスがおすすめ! そこで私が実際に体感した4つのおすすめポイントを、まとめてご紹介します。

いかがでしたか? 2026年8月末に参加した今回のツアーでしたが、フィンランドはもうすっかり秋で、日本の11月くらいの気温でした。が、白夜の終わりかけでもあり、夜の21:30くらいまではまだ明るい、そんな時期でした。お天気にも恵まれ、まさに毎日が秋晴れという、観光には最適な気候。何と言っても訪れたすべての場所が素晴らしく、私はいずれまた、同じ旅を味わいたいと思ったくらいです。ぜひ、次の旅行の行き先候補として、フィンランドに注目してみてください!

取材・文/沼田 珠実
協賛・主催/フィンエアー、Visit Finland、Helsinki Partners、Visit Jyväskylä Region