濱正悟さん(30) 春クールは3本のドラマに出演！多忙な中、切り替える方法とは

多彩な役を自在にこなす高い演技力が注目を集める俳優、濱正悟さん。4月26日から配信開始となるHuluオリジナルドラマ「おとなになっても」では、CLASSY.のカバーや誌面でもおなじみの山本美月さんの夫役を演じます。ドラマでの撮影秘話や、濱さんの魅力のひとつでもある低音ボイスならではのエピソードなど、とっておきのお話を語っていただきました。

――4月期は濱さんの出演されるドラマ3作が放映されます。3つのドラマの撮影を抱えていた時期はどんなふうに過ごされていましたか？

実は「おとなになっても」の撮影初日は、前日くらいまで別の作品に入っていたので、その時のことは鮮明に記憶がないというか…(笑)。「もう早く帰って寝ないと」という感じでしたね。撮影の時期が重なることはなくて、一つのドラマが終わったら次、というスケジュールだったのですが、振り返ってみると、その時期は自分自身でいる時間が少なくて、役でいるほうが長かったかなと思いました。3つとも違う役柄で、作品の雰囲気も違います。自分でパチっと切り替えるというよりは、現場に入ればぜんぜん雰囲気も違うし、違う人たちがいるし、みんなに切り替えてもらったという感覚。そこは現場のみなさんに甘えさせてもらいました。

――主演の山本美月さんとは今回、夫婦役を演じました。どんなふうにコミュニケーションされていましたか？

ストーリーとしては、5年の結婚生活が過ぎた状況から第1話がスタートします。なので、山本さんとは最初に作品のことや、それ以外のことも、コミュニケーションできたらいいなと思って現場に行きました。山本さんはフランクで、ときにお茶目で、色々話していただいて。序盤の段階で気を遣わずに会話ができる状態になったので、とてもお芝居しやすかったです。これがまた、山本さんのお芝居がすごいんですよ。ぜひ作品で見ていただきたいです。

――濱さんが思う、ドラマ「おとなになっても」の見どころは？濱さん演じる渉とのギクシャクした関係が描かれる30歳の妹「恵利ちゃん」もちょうどCLASSY.世代で気になります。

綾乃（山本美月さん）と朱里（栗山千明さん）というメインの2人はもちろんのこと、渉やその家族など、登場人物それぞれの人生が丁寧に、リアルに描かれていて、すごく味わい深い作品になっていると思います。

あとは、ラブコメなら「恋愛が成就する」というゴールがあると思うのですが、このドラマは、解決しないこともあるし、問題がひとつだけじゃなかったりして複雑。そこがまたリアルで、このドラマならではの良さかなと感じています。

恵利は家にずっと引きこもっている女の子。僕があまり出会ったことのないタイプの人物だったので「どういうふうに接しよう」と思っていたのですが、きっと渉も兄として同じように悩んでいるのかなと。自分と役とが重なった感じがあって、その距離感が出せたかな。恵利の変化も見どころですね。僕も、全12話を一気見して、新鮮な気持ちで作品を楽しみました。

――「おとなになっても」はマンガが原作です。これまでもマンガ原作の作品に出演されてきた濱さんですが、原作に寄せた演技と、あえて脚本を先に読んで入った作品があるそうですね。今回はどう取り組まれましたか？

今回は原作を先に読みました。監督をはじめ、ドラマ制作チームのみなさんも原作を読み込んでいて、構図など原作の世界観を意識しながら一緒につくっていく感じでした。

たとえば2話で、僕がひとりで出社して仕事をしたり、パソコンを見たり、おにぎりを食べて、コーヒーを取りに行って戻ってくる――というシーンは、原作そのまま。なぜ原作通りにしたかというと、やっぱり構図がいいんですよ。見ていて心地よくて、確かに「これを実写でやってみたい」という気持ちは自分にもあるなと感じました。

もちろん、2次元で描かれた構図や表情を実写で再現するのは簡単じゃないんですが、原作の構図の魅力を映像でどう表現するかという点も、今回の見どころのひとつだと思っています。

――濱さんといえば、声がとても魅力的です。声がきっかけで役が決まったこともあるそうですね。他にも、素敵な声のおかげでよかったことはありますか？

居酒屋とか、賑やかなお店で店員さんを呼ぶと気づいてもらいやすいです。「すいません！」と大きめに、イケボで呼ぶ(笑)。だいたいそのたびに、一緒にいる人にボソッと「すっごい、いい声」「声通るな」なんて突っ込まれますね。声がきっかけで役が決まったというのは、何よりもよかったことです。ボイスドラマに出たこともありますが、声優など、声の仕事も色々とやってみたいです。ちなみに、この声はボイトレとかをしたわけでもなく、生まれつき。ドラマや映画を演じるなら、そのままの声の個性で、あえて何もしない方がいいのかなって思っています。