SixTONES・松村北斗さん「社会の場では大人、でもそうじゃない場も持っていたい」【特別インタビュー/後編】

ドラマ「西園寺さんは家事をしな

ドラマ「西園寺さんは家事をしない」のシングルファーザー役が好評なSixTONESの松村北斗くん。今回は、DINKs夫婦の結婚生活を想像してしまう姿を披露してくれました。インタビューでは、グループでも個人でも大活躍している仕事の話に加え、29歳のリアルな結婚観もたっぷり聞きました。

親であるっていう、今までにあまりなかった役どころを見てもらえれば

――ドラマ「西園寺さんは家事をしない」はハートフルなラブコメディ。オファーを受けた時の感想はいかがでしたか?

「ラブコメ作品は映画『ライアー×ライアー』以来かな。ポップさのあるラブストーリーって多くはやってきてないので、ご縁かなと。最近の出演作品はそうじゃないものが多かったこともあり、自分に必要なものかなと運命のような気もしました。夏だし、爽やかではじけるような作品なのもいいなと思いましたね」

――演じるのはシングルファーザーの天才エンジニア楠見俊直。実年齢と同じ29歳です。

「わりとわかりやすい設定かなと。今どんどん30分ドラマも増えて1時間見ることが億劫な方も増えてきてる。テレビをつけてスマホも見てることも普通にあるから、一瞬、目を離しても楽しめるような、わかりやすい設定が今の時代に合ってるのかなと。間口が広く多くの方に楽しんでもらえるドラマなのかなと思いました」

――娘役の倉田瑛茉ちゃんとの仲良しぶりも見どころです。もともと子供好きでしたか?

「子供は得意なほうではなかったんですけど、瑛茉ちゃんが人といるのが上手な子だったので、むしろリードしてもらってるくらい(笑)。俺は末っ子だから小さい子の面倒を見ることがなかったので、今も面倒を見るというより、ただ仲良くなるっていう気持ちです」

――まさに撮影中の今、現場は順調ですか?

「やっぱり10話以上ある1時間ドラマって忙しいのは忙しいですね。1日の分量、1週間に撮る分量はかなりボリューミーで説明的なセリフもあるから言葉の分量も多いし、大変なことは多いなと思います。よく言われることなんですが7月クールって本当にきついです。年々、暑さが厳しくなってるなかインして9月まで4カ月くらい撮影して…。去年の『ノッキンオン・ロックドドア』もかなりきつかったから。まずは体調管理ですね」

――今作ではどんな松村さんが見られますか?

「アメリカ帰りということで、最初のキャラクター紹介的なシーンではバーッと英語をしゃべりましたが…、親であるっていうのは大きなことなのかな。子供とのシーンはただ甘々ないい時間だけじゃなくて、ちゃんとキツい口調で接するところもあるし、仕事と家事と育児に追われて『もう限界だ』って、うんざりもする。今までの役にはあまりなかったような、そんなところも見てもらえれば」

――今年は主演映画『夜明けのすべて』に続き、大泉洋さんと共演した映画『ディア・ファミリー』も大ヒット。達成感はありましたか?

「やった!みたいな達成感ですか?過去にあったかな?ないな(笑)。毎回、作品が終わるたびに『耐えた~!乗りきった!セーフ!』って思ってますね。性格なんだろうな(苦笑)。俺が今やってるのはドラマや映画という総合芸術だから、作品が良かったって話ですから。ただ、とにかく俺は運はいいって思ってる。運が良くて『この作品に出ていたこのコ、良かった』って言ってもらえてる。テトリスのようにガチッとしたハマり方をしてるというか、いいと言われるところに収まってるのかな。あとはファンの方だけじゃなくて、『この作品で初めて知りました!』って人たちが俺にいい評価をくれるってことはすごく安心ではあって…。本当にセーフ!って感じですね」

大人じゃない振舞いができる親友との場も大事にしたい

――下半期に向けての抱負はありますか?

「今年前半はドームツアーがあったりアルバムやシングルのリリースが続いて、僕自身も映画公開や新たな作品の撮影があって、結構、頑張ったかな。でも、やりきった感は持ちたくないというか疲れたくないと思います。今年後半もSixTONESとしてどう強さが出せるか、面白いと思えることができるか。サボらずにやりたいなと思ってます。個人としては、さっきも言ったけど体調を崩さないこと。崩してる場合じゃないんで、上手にやっていきたい。8月も頑張って乗り越えて、ドラマが終わったら次に向けてちょっと体力を溜める数日があればいいなあ。3連休があると嬉しいですね」

――6月で29歳になった松村さん。今後の30代に向けて、どんな大人でありたい?

「正直、大人ではありたくないですもん。大人って制約が増えるばかりな言葉の気がする。お酒が飲めて、タバコが吸えて、いつでも好きな場所に行けて夜中に散歩していても不良って言われないけど(笑)、『大人だから』っていうのは助けになる言葉ではない。年齢を非公開にしたうちの髙地(優吾)じゃないけど(笑)、できるだけ年齢はバレたくないですよね。とはいえ見た目はすっかり大人だし、社会で生きていくには大人と子供の区分は必要だと思うけれど、大人じゃない振舞いもしますよっていう小さなコミュニティは大事にしていたいですね。たとえば親友との場であるとか。社会の場では大人として振る舞うけど、そうじゃないところもきちんと持っていたいと思いますね」

松村北斗(SixTONES)
’95年6月18日生まれ 静岡県出身 血液型B型●SixTONESとして、’20年1月「Imitation Rain」でCDデビュー。俳優としても活躍し、第46回日本アカデミー賞新人俳優賞と話題賞を受賞。最近の主な出演作はNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」、ドラマ「ノッキンオン・ロックドドア」、映画『すずめの戸締まり』(声の出演)、『キリエのうた』『夜明けのすべて(主演)』『ディア・ファミリー』など。SixTONES 13thシングル「GONG/ここに帰ってきて」発売中。

「西園寺さんは家事をしない」
仕事はバリバリやるが家事は一切しない38歳独身女性の主人公・西園寺さん(松本若菜)。マイホームと創意工夫を凝らした“家事ゼロ生活„を手に入れたが、どういうわけか年下の訳ありシングルファーザー楠見俊直(松村北斗)と“偽家族„として暮らすことに。ちぐはぐな同居生活を通して「幸せって何?」「家族って何?」を考えるハートフルラブコメディ。原作/ひうらさとる「西園寺さんは家事をしない」(講談社「BE・LOVE」連載)●毎週火曜22時からTBS系で放送中。

撮影/北岡稔章(L MANAGEMENT) ヘアメーク/松原美穂(Nestation) スタイリング/庄 将司 取材・文/駿河良美 編集/新保めぐみ 再構成/Bravoworks,Inc.

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