既婚者との不倫。それは、幸せとは程遠い苦しい恋です。「どうしても好きだから」「少しだけでも一緒にいたい」と既婚者の男性に対しての恋心を止められずに突っ走ってしまうと、簡単には抜け出せなくなるものです。
では、実際に不倫をした女性にはどんなことが起きたのでしょうか。ぜひ、不倫の怖さを感じてみてください。
■好きな気持ちだけで突っ走った自分を責めて…
私が不倫をしていたのは26歳~29歳までの3年間、相手は会社の先輩でした。転職したての私を教育してくれた先輩で、私が入社したときには既に結婚しており、奥さんは妊娠中。そんな幸せの絶頂にいる先輩を「好きになってはいけない」と思いつつ、色々教えてもらったり、相談をしているうちに先輩への気持ちが募っていきました。
その後、どうしても好きな気持ちを抑えられなくなった私は、「ただ気持ちを伝えるだけ」と先輩に告白。付き合いたいとは思っていなかったのですが、先輩から「俺も実はずっと好きで、どうしていいかわからなかった」とまさかの返答が。
奥さんやお子さんに悪いと思いつつ、先輩に抱きしめられると何も言えなくなり、そのまま流されるように不倫が始まってしまいました。
その後しばらくは、先輩と一緒にいられることに幸せを感じていたのですが、子供が生まれてからはデートする時間がなくなり、3週間に1回の頻度に……
先輩と離れるなんて考えられない、でも一緒にいられない苦しみは増す一方。そんな日々を過ごすうちに、先輩を好きになって突っ走った自分を責めるようになりました。
■「自分は選ばれない」というトラウマで恋愛が恐怖に
そんな日々が続き、2年半が経った頃、先輩から「妻との間に二人目の子供ができた」と話をされました。
「妻とはしていない」「女性として愛しているのは君だけ」と言っていたのに、という怒りはもちろんありましたが、それ以上に「俺はやっぱり子供や妻を選ぶ。君を選ぶことはない」と言われたのが本当にショックでした。
これでいいと思いながらも、「自分は彼の何なんだろう」とずっと思ってきました。「私は絶対に選ばれないのか」と悲観していたので、彼からの「君を選ぶことはない」という言葉には本当に傷つきました。
それから3年経った今も、「私は選ばれない女だ」という呪縛で恋愛をすることが怖くなり、「普通の恋愛なら大丈夫だよ」とどんなに言われても、あの苦しすぎる経験とあの言葉が常に付きまとって人を好きになることができません。
不倫の恋を幸せに感じるのは、気持ちが盛り上がっている最初のうちだけ。奥さんや子供よりも常に順位が低く、どんな結果になろうと、男性が家庭を選ぶのは目に見えています。そう理解していても、実際に選ばれなかったとき、そして、彼からそのように言われたときのショックは計り知れないもの。
不倫中だけでなく、不倫の恋から抜け出したあともその闇は続く。そのことを頭の片隅に留めておいた方がいいようです。
文/桜井美穂子 画像/Shutterstock(Paulik、Demkat、fizkes)
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