韓国小説・ビギナーに絶対読んでほしい4選【韓国文学が今アツい①】

食、音楽、映画、ドラマに続き、ここ数年多くの韓国文学が日本語に訳され人気を集めています。「何から読めばいいか分からない」というあなたへ、オススメの小説を4冊ご紹介します。

「保健室のアン・ウニョン先生」

パワフルでキュートな主人公が学校の“不思議”に立ち向かう

子供の頃から霊能力を持つ主人公

子供の頃から霊能力を持つ主人公、アン・ウニョンがBB弾を発射するオモチャの銃と、レインボーカラーに輝くオモチャの剣を武器に赴任先の高校で巻き起こる原因不明の怪奇現象や不思議な出来事に立ち向かう。小説を実写化したオリジナルドラマがNetflixにて配信されていることでも話題の本作。著者は2017年に第50回韓国日報文学賞を受賞し、純文学、SF、ファンタジー、ホラーなどジャンルを超えた多彩な作品で幅広い世代から支持を得ているチョン・セラン氏。主人公の言動に心温まるだけでなく、韓国のリアルな高校生活についても覗くことができます。

チョン・セラン著/斎藤真理子訳(亜紀書房)¥1,600

「アーモンド」

BTSのRMの愛読書としても注目を浴びた感動のベストセラー

扁桃体(アーモンド)が人より小

扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない16歳の主人公、ユンジェ。母は息子に喜・怒・哀・楽・愛・悪・欲などの感情を丸暗記させることで“普通の子”に見えるように訓練してきたが、その母があるとき植物状態となってしまう。そんな時に現れた少年がユンジェの人生を変えていく…。
世界18カ国で翻訳され、韓国では72万部を突破した大ヒット作。日本でも大きな話題となり2020年本屋大賞第1位(翻訳小説部門)にも選ばれました。人が人を想う気持ちに触れられて、じんわりとした感動に浸れるはずです。
ソン・ウォンピョン著/矢島暁子訳(祥伝社)¥1,600[本体価格]

「わたしに無害なひと」

今を生きる女性たちの心の葛藤を描いた7篇の物語

16歳のときに出会ったイギョン

16歳のときに出会ったイギョンとスイという女性同士のカップルの物語「あの夏」、33歳の語り手が大学生だったころを回想する「砂の家」など珠玉の7作品を収録した短編集。
著者は韓国文学の新しい魅力として注目を集める若手作家の一人、チェ・ウニョン氏。家父長制や男性中心主義の社会に苦しむ女性が、全体を通してのテーマとして描かれていて、読み手に“どう感じるのか”を問うようなメッセージ性のある純文学です。

チェ・ウニョン著/古川綾子訳(亜紀書房)¥1,600

「ヒョンナムオッパへ」

フェミニズム小説の新たな魅力を教えてくれる

地方からソウルの大学に進学し、

地方からソウルの大学に進学し、先輩のヒョンナムに恋をした主人公。10年以上の青春期を彼と過ごしたものの、実際は何もかも彼に操作されていたと気づき…。表題作の「ヒョンナムオッパへ」を含む7つの作品を収録。
韓国で100万部以上の売り上げを突破し、#Me Too運動の火付け役ともなった『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著)の人気を受けて刊行された、若手実力派女性作家たちによるフェミニズム小説集。社会派作品のみならず、ファンタジーやSFの要素も含んでいるので“フェミニズム小説”の幅広さに驚かされるはずです。

チョ・ナムジュ、チェ・ウニョン、キム・イソル、チェ・ジョンファ、ソン・ボミ、ク・ビョンモ、キム・ソンジュン著/斎藤真理子訳(白水社)¥1,800

文字を通して、きっと今まで知らなかった韓国に触れることができるはずです。次回は、心が疲れたときに読みたい、癒し効果が期待できる韓国のエッセイについてご紹介します。

取材/伊藤綾香 編集/本間万里子(CLASSY.編集部)

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