ジュエリーのサステナビリティに関して世界で起きている問題とは【今月のウェルビーブランド】

編集長・水澤が毎月気になるウェルビーブランドに注目してその成り立ちや背景、理念までリサーチする連載。いち早くサステナビリティに取り組み、ウォッチ&ジュエリー界を牽引するショパールの共同社長兼アーティスティック・ディレクターキャロライン・ショイフレ氏にインタビュー。

今月のウェルビーブランドは…「Chopard」

持続可能なラグジュアリーという

持続可能なラグジュアリーというメゾンの強い意志が宿って
リサイクル率の高いスティールや透明性のある素材から作られた特別なウォッチとジュエリー。所有する喜びはもちろん、つけた瞬間の心の晴れやかさもきっと特別なものになるはず。「ハッピースポーツ 日本限定エディション」※100本限定(ルーセントスティールTM×RG×D)¥715,000「マイ ハッピーハート」ネックレス※世界先行発売(SS×RG×オニキス)¥236,500リング(RG×D)¥231,000ピアス(RG×マザーオブパール)〈シングル売り〉¥128,700(すべてショパール ジャパン)

【Chopard】
1860年にスイスで創業し、時計メゾンと名門ジュエラーとしての地位を築く。業界で数少ない家族経営を貫くことでも知られ、いち早くサステナブルな企業経営に注力。エシカルなゴールドやダイヤモンドなどのストーンを扱うことを発表し、自社製品に対して責任を果たすウォッチ&ジュエリー界のパイオニアとして注目される。

「ショパール」の共同社長兼アーティスティック・ディレクター キャロライン・ショイフレ氏にインタビュー

水澤:ジュエリーのサステナビリティに関して世界ではどんな問題が起きているんですか?
キャロライン:私自身がゴールドの採掘や調達に関する問題を初めて認識したのは2012年のこと。子供を含む多くの採掘者が山野や渓谷の安全とは言えない労働環境で採掘を行い、正当な報酬を得られてもいないことを知り、大きな衝撃を受けました。この時に私はショパールはもちろん、業界全体を変えるミッションをスタートさせようと決意しました。そして2013年に責任ある原材料の調達と、これまで軽視されてきたサプライチェーンに関わる人々を守ることに取り組む長期的なプログラム「サステナブル・ラグジュアリーへの旅」をスタート。公正な採掘のための連盟(ARM)との慈善的連携を強化し、金を採掘する鉱山コミュニティへの直接的な支援を行い、人権と環境に配慮したフェアマインド認定取得の促進を図り、採掘者の教育・訓練、社会福祉や環境改善を精力的に推進してきました。
このプログラムの発足以来、ショパールでは責任ある供給元からの原料を使用したウォッチ&ジュエリーコレクションの制作を行っています。そして2018年にすべての時計とジュエリー作品に100%エシカルゴールドの使用を表明したことはショパールにとって重要なマイルストーンとなりました。原料を供給する鉱山において児童就労が行われておらず、地球環境のことを考慮しながら採掘を進め、採掘者が安全な環境で作業が行われ、正当な報酬を受け家族を養っていけること。これはメゾンにとって極めて重要です。自らが美しいラグジュアリー製品を所有していながら、それがどこから来ているのかを知らないとすれば、それはとても奇妙な話ではないでしょうか。
水澤:世界的なメゾンから行動することで大きなムーブに繋がりますね。時計に使われるスティールも独自に開発したそうですね。
キャロライン:今年の3月にその「ルーセントスティール™」に関して、大きな発表をしました。自社で製造するブレスレット、ケースを含むすべてのスティール製ウォッチに「ルーセントスティール™」を使用することを宣言し、また同素材における現在のリサイクル率80%を2025年までに90%以上に高めることを目標として掲げました。この取り組みでスティールのカーボンフットプリントを大幅に削減することに貢献できます。
水澤:今後の目標について教えてください。
キャロライン:ジュエリー&ウォッチ業界は倫理の強化と、さらなる透明性が求められます。特に若いミレニアルやZ世代からの期待や需要は大きく、未来においてそのビジョンを具現化する勇気や努力が求められていくでしょう。ショパールが掲げる「サステナブル・ラグジュアリーへの旅」の道程はまだまだ続き、すべきことはたくさんありますが「ローマは一日にしてならず」。日々、邁進するだけです。

【Chopard】エシカル商品の特徴

撮影/五十嵐 洋 取材/佐藤かな子 再構成/Bravoworks.Inc
※文中の素材は、RG=ローズゴールド、D=ダイヤモンドを表します。

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最新号 202406月号

4月26日発売/
表紙モデル:山本美月

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