【ファーストサマーウイカさん】他人から向けられた“ノイズ”は「遮断ではなく同じ力で打ち返す」
時に“ノイズ”とも思える周りの声を気にしすぎたり、人と比べてしまったり…。何かと迷いやすいCLASSY.世代だからこそ、自分らしい選択を大切にしたいもの。今回は、ファーストサマーウイカさんに“ノイズ”との向き合い方を伺いました。自分らしく前に進むためのヒントが詰まったインタビューをお届けします!
遮断ではなく、同じ力で打ち返す。
ファーストサマーウイカさん的
「ノイズ」との向き合い方
他人からの「悪い評価」は、
自分にとって肥料にもなる
“ノイキャン”って、種類があるんです。耳を物理的に塞いで雑音をシャットアウトする方法と、デジタルに雑音の“逆位相”をぶつけて打ち消す方法。私が普段から実践しているノイキャンのイメージは後者。雑音を聞かないのではなく、同じ音量でぶつけ返して、かき消しちゃう。これはぜひCLASSY.読者の皆さんにもおすすめしたいです(笑)。意見や批判を、真っ直ぐ受け取り続けるのはストレスになるけど、学びや成長には大切。だから、モヤモヤした時、全部受け止めきれない時は、一旦聞いた上で「自分はこうなんで」と意見を同じ量で返してみるのはいかがでしょう? 大人になるほど叱られなくなるし、意見もされなくなる。人の話もどんどん聞かなくなる。だから、CLASSY.世代から、耳を塞いじゃうのはあまり良くないと思うんですよね。入ってくるノイズと同じだけの音量で返すっていうのが、私が思うポジティブなノイキャンかな。
こう思えるのは、10代の頃からオーディションなどを通していろいろな意見を頂いてきたことが大きいと思います。不合格だった時は「私を落としてもったいない」とか「ここは私に合わなかったんだな」と思いつつ、ツラくてもフィードバックをきちんと受け取って、次に活かせるようにしていました。指摘されたことが自分の成長の肥料になるようなものであれば受け入れるべき。今しかもらえない肥料。しかも肥料があってもそれを自分で耕さないとちゃんと作物が実らない。結局のところ自分の成長は自分次第です。
CLASSY.読者の皆さんの中には「何者にもなれていない」とか「現状維持に罪悪感がある」という悩みをお持ちの方も多いと伺いました。たぶんそれは、器用だったり、求められたことを比較的何でもできてしまうからこそ。私は「何者であるか」よりも「何をやれて、何を残せるか」の方が、価値があると思います。現状維持もすごくわかります。私は遠く先の目標をあまり持たずに生きているタイプで、遠くを見すぎると足元につまずくんです。なので、目標を立てる時は、数歩先の未来。足元の課題に目を向けて転ばないように、挫折しないように少しずつ進みます。私の場合は、1年先でも遠く感じるので、数週間、数カ月をすごろくのように、その日の気分の“出目”で進んでいくイメージ。そのひとマスひとマスの点が連なり、最後は大きな線になって自分の道が出来上がると思っています。そうやって35年生きてきて、今に至っています。何がしたいのかわからなければ、最初は模倣でもOK。憧れの人を真似してみるだけでも、コマは進むと思います。人生のすごろくは、振り出しには戻れないです。歳を取っていくから。焦らず、サイコロも振りたい時に、自分のペースで振りましょう。
チームメイトは敵ではない。
対立した時こそ俯瞰で見ることが大事
私が出演する映画、劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS』(8月21日公開)では、作品を通してチームの在り方というのを改めて学びました。CLASSY.読者の皆さんの人生のヒントも見つかるかも。登場人物の一人が、自分勝手に暴走しているように見えるような時、仲間内で「あの人、何なの?」というムードになる。でもその人の中にも美学があって。そこから学ぶのは、自分の考えにはない行動を取られても、一度俯瞰することが大切だということ。「この人はなぜそんな行動を取ったんだろう」って理解できない人を、つい敵認定してしまう時があります。ノイズに感じて、排除したくなる時もあるかもしれない。でもその人が同じチームの人なら間違いなく敵ではないわけで。自分と考えの違う人のことも掬い上げられる、フォローできるような人間でありたいと思うし、みんながそう思えて、支え合えたらよりいいチームになるんじゃないかなと。
映画でいうと、鈴木亮平さん演じる喜多見チーフのチームもそうだし、賀来賢人さん演じる、音羽 尚氏が率いる厚労省チームもそう。軋轢が生まれても乗り越える。だからこそ阿吽の呼吸、最高のチームワークが生まれる。それがこの作品の醍醐味だと思うし、見終わった後に、自分ごとに置き換えてもらえるところがたくさんあると思います。私は麻酔科医の池尻久仁子という、気遣いのできる姐さん、チームのムードメーカー的な存在を演じています。キャリアもある立場で、後輩が困っているときにこれ見よがしに手伝うというより、さりげなくフォローしてあげられる素敵な女性。こういう女性になりたいなと、演じていて思いました。
気遣いといえば、主演の鈴木亮平さんは普段から喜多見チーフのように周りを見渡せる、本当にすごい方。初めてのオペシーンでどうしようとメンバーが戸惑っている時、運動部の先輩のような軽やかさで登場し、いろいろなことを教えてくださいました。実際のオペの動画を再生しながら、「今からやる手術は、まず大動脈を…」みたいな感じで、本当の外科医のように説明してくれました。今からやるのはお芝居ではなく、人命を救うオペなんだという気持ちになって、現場は常に緊張感と臨場感がありました。あとは、人を簡単におんぶする裏ワザを教えてくれたり、私が麻酔科医のとあるシーンの動作を練習している時も、「練習で使って」と、亮平さんの私物のチューブを貸してくださったこともありました。まず医療用チューブを私物で持っているのが驚きですが(笑)、亮平さんのそういう姿勢が、作品の説得力につながっているんだと思います。素晴らしいお人柄です。
「ノイズが聞こえる=余白が生まれた」ということ
ちなみに、ここまで“ノイズ”は良くないもののようにお話ししてきましたが、ノイズが聞こえること自体は「周囲の音が聞ける余白が生まれた」ということだと思うんですよ。今まで自分の声だけしか聞けなかったのが、周りの声も聞こえるようになっているとすれば、良いことですよね。もちろんノイズにペースを乱されることもあるけど、処理できるようになれば、ノイズが情報やアドバイスに変化するかもしれない。街の喧騒も、曲によってはいい効果音になるように、栄養になりそうなものは受け入れてみてもいいのかも。不要なものは取り入れないけど、のっけから全捨てもしない。読者の皆さんも、自分の軸を持ちながらノイズを取捨選択したら、未知の自分やなりたい自分へのヒントに出会えるんじゃないかな。ライフステージの変化が多い世代ですが、自分らしく後悔のない選択ができるようにしたいですよね。
明日の私が好きになる!お守りワード
「力は抜いて、気は抜くな」ということを日々意識しています。年々肩に力が入ってしまう人もいれば、気が抜けちゃう人も。ひと言で“抜く”と言っても抜いていい部分と抜いてはいけない部分がある。その抜き方が上手になるとバランスが取れたカッコいい大人になれると思います。
この夏、TOKYO MERが最大スケールで帰って来る!
オペ室搭載の大型車両・ERカーで事故や災害現場に駆けつける救命医療チームの活躍を描いたテレビドラマの劇場版シリーズ第3弾。危機的状況に陥った東京を舞台にMERメンバーが過去最大のミッションに挑む。ファーストサマーウイカさんは、麻酔科医・池尻久仁子役で出演。劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS』2026年8月21日公開
ファーストサマーウイカさん
1990年6月4日生まれ。大阪府出身。高校卒業後すぐに地元大阪の劇団で約5年間活動。2013年5月にアイドルグループBiSの新メンバーに加入し、メジャーデビュー。2014年に解散。その後2015年より音楽グループBILLIE IDLE®を結成し、2019年に解散。バラエティでブレイク後、映画、ドラマ、ラジオなど様々なメディア、分野で多岐にわたり活躍中。
〈衣装〉デニムジャケット¥66,000デニムパンツ¥46,200デニムスカート¥52,800Tシャツ¥22,000ブーツ¥66,000(すべてコーチ╱コーチ・カスタマーサービス・ジャパン)イヤリング¥45,100ネックレス¥37,400右中指リング¥56,100 〈すべてGEM KINGDOM〉右耳イヤカフ¥12,100右腕バングル¥46,200左ブレスレット[細]¥28,600左ブレスレット[太]¥34,100右薬指リング¥30,800右人差し指、右親指、左人差し指リング ※7連のものを1本ずつ着用¥48,400左親指リング¥36,300左中指リング¥35,200 〈すべてSERGE THORAVAL〉左小指リング¥9,900 〈ALT〉(すべてH.P.FRANCE)
撮影╱黒沼 諭〈aosora〉 ヘアメイク╱吉田真妃 スタイリング╱近藤伊代 取材╱棚田トモコ 編集╱平賀鈴菜
再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年7月号「ファーストサマーウイカさんに聞くノイキャン思考」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
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