『美しくいるためには、知性が必要』『取り返しのつかないことはしない方がいい』【松本千登世さん×貴子先生 美容対談】

忙しい毎日を過ごすCLASSY.世代。美容も、遠回りはしたくない。そんな私たちのために、先輩たちが経験から導き出した“美の格言”をご紹介します。未来の肌を変えるヒントは、意外とシンプルな言葉の中に。

松本千登世さんの格言!

美しくいるためには、知性が必要。
だって美しさの本質は、
その人の奥にこそあるものだから

職業柄、多くの俳優の方にお会いしてきました。もちろん最初は、見た目の美しさに圧倒されます。でも、彼らの魅力の本質は、外見ではありません。話す言葉や周囲への気遣い、チャーミングな人柄。そうしたものが重なり合って、その人の美しさをつくっているのだと感じます。だから、外側だけ磨いてもどこか物足りない。外側は、内側についてくるもの。内側を映し出す外見、外見が語り出す内面、両方を意識したいですね。

肌に“一発逆転”は、存在しません。
いかに調子を落とさず安定させるか、
丁寧な積み重ねが未来の肌をつくります

寝不足が続いていた30代の頃、夜中に高価なパックで調子を上げようとしていた私に、ある人が言いました。「それは、夜中に焼肉を食べているようなもの。本当はおかゆが必要なのに」。そこで気づいたのが、肌に“一発逆転”は存在しないということ。一度調子を落とした肌を立て直すのは大変だからこそ、特別な一手より、日々の丁寧な積み重ねが大切。コツコツとケアを続けてこそ、肌は安定していくと悟りました。

欲張るほど、自分自身がぼやけてきます。
思い切って手放してみること。
その先に、新しい自分が見えてくるはず

30代の頃の私は、個性的な髪型にガッツリ上向きのまつ毛、主張のある服を好んでいました。でも、自分なりにこだわっていたものがすべて喧嘩をしていて、それがイタさに繋がっていたんです。そこに気づいてから“引き算”の重要性を知りました。こだわりを持つことはいいけれど、すべてに全力投球じゃなくて、俯瞰で見る力も必要。“盛る”ことだけに夢中にならず、手放す勇気を、早めに身に付けてほしいです。

◼︎松本千登世さん(エディター・ライター)
出版社勤務を経て独立し、長年にわたり美容誌や女性誌で活躍。丁寧な言葉で本質を伝える文章に定評あり。絵本『ピンクのカラス』ほか著書多数。

貴子先生の格言!

美容医療は便利。でも
取り返しのつかないことは
しないほうがいい。
その前に立ち止まる勇気を

美容医療が身近になった今こそ、適度な距離感を保つことが大切。1カ所を直すと、次は別の部分が気になってくる。目をいじれば鼻が、次は輪郭と、だんだん全体のバランスが崩れてしまうことも。30代で取り入れるなら、レーザーなどの肌治療やヒアルロン酸注射くらいまで。大きく変えるのではなく、“マイナス5歳”くらいを目標に整えて。

選択肢が多い今こそBack to Basic.
遠回りなように見えて
それこそが美肌への一番の近道

若い頃は、即効性のある“飛び道具”的な美容液にばかり目を向けていた時期がありました。でも今、大切だと実感しているのは、落としすぎないクレンジング、UVケア、そして肌になじむ保湿といった基本のスキンケア。たとえクリニックで治療を受けても、日々のケアが整っていなければ、望む結果には繋がりません。

他人に合うものと、
自分に合うものは違う。
誰かのおすすめだからと
簡単に手を出すのは危険です

20代の研修医時代、あまりの忙しさにスキンケアがおろそかになっていた時期がありました。当時は深く考えず、人から勧められたものをそのまま取り入れ、かえってひどいニキビに悩まされることに。そこで気づいたのは、肌は人それぞれ違うということ。肌質も悩みも違うのに、同じものが誰にでも効くはずありません。SNSで美容情報があふれる今こそ、、自分の肌を知って選ぶことが重要です。

◼︎貴子先生(松倉クリニック代官山院長 美容皮膚科医)
丁寧なカウンセリングとナチュラルな美しさを引き出す治療提案に定評あり。雑誌をはじめメディアを通じて美容の監修や情報発信を行い、幅広く活躍。

仲良しの二人が
美容人生を振り返ってトーク!

松本さん:今のCLASSY.世代は、とても堅実な人が多いと聞きました。未来に向けて、逆算でケアの準備をしているとか。

貴子先生:30代に入ると、漠然とした“エイジングへの焦り”みたいなものを感じますよね。私のときもそうでした。女性として輝けるステージがもう終わっちゃう、みたいな。

松本さん:よくわかります。私の時代は、世の中的にもそういった考えがより強かったと思います。

貴子先生:だからこそ、堅実になるのは素晴らしいこと。でも、先輩の私から言わせてもらうと、年齢を重ねることって実はそんなにネガティブじゃない。怖くないんだよ、ってことにも気づいてほしいです。

松本さん:全く同感です。年齢を重ねてより一層輝いている人たちはたくさんいますよね。年齢を重ねる=老けるではなく、自分の可能性と幅が広がるってことなんだ、という視点も持ってみてもらいたいですね。

貴子先生:そもそも今の40代、50代ってすごく若々しい方が多い!

松本さん:化粧品がどんどん進化していて、できることが増えてますからね。ちゃんと使えば、明らかに肌は老けづらくなっているはず。

貴子先生:悩みの上流のほうでケアして、トラブルが起きる根本を叩くものも多いから、上手に取り入れることで自然なアンチエイジングが叶いますよね。

松本さん:そう。だから美容を日々楽しむくらいの余裕で前向きに、自分らしい美しさを積み重ねていってほしいですね。

貴子先生:周りの美しい先輩たちを見て、学ぶこともいいですね。

松本さん:そして、もう一つ。堅実に行くことも大切ですが、時には小さな失敗が必要なのかも。失敗があるからこそ、学びが得られる。それが結果的に、後々の自分の肌を助けてくれることもある。私はたくさん失敗をしました。間違ったスキンケアで逆に肌を傷つけたこともあります。でもその経験を積み重ねて、今自分に必要なケアを見極められるようになりました。

貴子先生:美しい人って、きっとそういう経験がある人だと思う。だからこそ、急なトラブルが起こっても対処できるんですよね。

松本さん:そういう意味ではある程度賢く立ち回ることも必要。すべて無駄じゃないんです。

貴子先生:今はまだ失敗しても、いくらでも立て直せる年齢。SNSや他人の意見に振り回されず、自分の軸で考えられる強さを、ぜひ身に付けてほしいですね。

〈貴子先生の衣装クレジット〉ワンピース¥38,500(リタン/リタン 青山店)イヤリング¥6,820ゴールドリング[左手]¥24,200(ともにイットアトリエ)リング[右手]¥28,600シルバーリング[左手]¥16,500(ともにアナプノエ)ネックレス¥5,500(エフ・シークエンス)

撮影/nara(vale.) ヘアメイク/RYO〈松本さん分〉、金澤美保(MAKEUPBOX)〈貴子先生分〉 スタイリング/村瀬萌子〈貴子先生分〉 取材・文・編集/河津美咲 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年5月号「逆算美容のための格言集15」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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最新号 202606月号

4月28日発売/
表紙モデル:藤井 夏恋

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