結婚のこと、セックスのこと…大人女子にありがちな「恋愛で自分の意見を正しく伝える方法」4つ

仕事では自分の意見をきちんと伝えられるのに、恋愛だとつい受け身になってしまったりNOと言えずにモヤモヤしたりする…。そんな関係は長い目で見ると、損かもしれません。少し勇気はいるけれど相手に想いを伝える方法、コミュニケーションの専門家に聞いてきました。

<CASE>付き合う前

駆け引きや回り道せず自分の気持

駆け引きや回り道せず自分の気持ちを率直に伝えることが大切
「付き合う前の微妙な時期にふたりの関係性について切り出すのは緊張しますが、『思い切って質問してもいい?』とダイレクトに聞くのが最善。怖いからと予防線を張ったり、駆け引きをすると疲れてしまうし、それがふたりのやり方として定着すると将来的に苦しい状況に陥ってしまいます。

最初の段階で、飾らず、濁さず、ごまかさずに率直に聞き合える関係を築いておくと、その先のコミュニケーションにも役立ちます。率直に聞くと、『自分がすがっているようで嫌』と考える人もいると思います。覚えておいて欲しいのは、〝自分と相手の間に優劣はなく、人間としての価値は一緒〟ということ。探ったり疑ったりすると、どうしても相手より下になってしまうから要注意です。

令和になったとはいえ、未だに女性は男性の付属物という認識がゼロになった訳ではないから、恋愛の場面でも思いがけず下に見られることもあるかもしれません。だからこそ、対等なスタンスを貫いて、凛と背筋を伸ばして接することは大事。お互いを尊重し合いながら、横並びでフラットに聞く。相手を誘うときも『食事に行きませんか?』とか『連絡先を教えて』と、上からでも下からでもなく、堂々と単刀直入に。そしてもし、よくない返事だったとしても、感情的にならず、自分の正直な気持ちを伝えましょう。それが結果、自己肯定感につながっていくと思います」

<CASE>付き合う中で

偽らず正直に断った上で代案を提

偽らず正直に断った上で代案を提示すると誠実さが伝わります
「相手と自分の考えが異なるときに有効なのは、オウム返し。相手の意見をすぐに否定したり、自分の主張をかぶせるのではなく、まずは相手の要求をオウム返しで受け止めましょう。〝受け入れる〟ではなく〝受け止める〟がポイントです。一度受け止めたら、相手を否定せずに、自分を主語にして正直に気持ちを話す。そうすると相手は反論されたと感じず、戦うことが目的ではないことがわかります。

また、異を唱えるシーンでは、何に対してNOなのかピンポイントで明確に。今回のケースであれば、〝今日会うこと〟がNOですよね。そこを強調して伝えた上で、可能なら『明日は?』と代案を提示できると理想的。中には相手を傷つけないために『用事があるから』と嘘をついてしまう人もいると思いますが、偽り続けると自分が苦しくなります。用事がなくても断っていいし、『乗り気がしない』とか『ひとりでいたい』もきちんとした理由になります。異を唱えることに恐れる必要はなく、ぶつかることは価値観の違うふたりにとって不可欠なこと。波風を立てずに関係を持続するというのは幻想で、そのスタンスでいると必ずどちらかが辛くなる。大なり小なりぶつかっていくと、ぶつかり方も上手になり、気まずくなっても自分達はいい方向に進んでると感じられるようになります。

逆に自分が『もっとこうしてほしい』と伝えるときは、〝もっと〟の部分を数値化しましょう。例えば、『週1回は電話したい』とか同棲中であれば『今日は22時には寝たい』など。言わなくてもわかってほしいかもしれないけれど、空気読んで系の振る舞いは無理筋だと思ったほうがいい。数値化して具体的に伝えると相手の配慮も的外れにならず、ふたりの関係にズレが生じにくくなります」

<CASE>SEXについて

自分の身体は自分のもの。SEX

自分の身体は自分のもの。SEXにどう向き合うか、決定権は自分にあります
「そもそもCLASSY.世代のみなさんに知っておいてほしいのは、〝私たちは性に関する権利を持っている〟ということ。アサーティブコミュニケーションの第一人者=アンディクソンの『第四の生き方―「自分」を生かすアサーティブネス』でも、性にまつわる6つの権利が提示されています。その中のひとつに『SEXのときにしてほしいことを求めていい権利』があります。

今回のケースのように、タイミングやどうしてほしいかを伝えることに躊躇う女性は多いと思います。でも、自分の本心を抑えたまま、相手のためだけにSEXするということは、自分の性の権利もおろそかになり、自らの価値を引き下げてしまうことにつながります。女性が性を語ることに抵抗があるかもしれませんが、私たちにはSEXをどう楽しむか自分で決める権利もある。だから相手にしてほしいことを伝えていいし、そうすることでSEXにも対等に関わっていくことができる。

リクエストする際のポイントは、自己開示しながら率直に。『○○くんのことが好きだから』とか『ふたりの関係をもっとよくしたいから』など、自分の気持ちも添えるとベスト。具体的な要望は『もっと上』のように短く簡潔に、を意識して。

さらに私たちは、気持ちを変えていい権利も持っています。その気になれなかったら途中でやめてもいいし、そもそも気分が乗らなかったらしなくてもいいんです。SEXを断るシーンでも求められるのは率直さ。『そばにはいたいけど、今はそういう気分じゃない﹄と素直に話す。その際、永遠にNOではないことをきちんと伝えること、『今日は疲れてるから、週末にしない?』と相手に寄り添う姿勢も大事です。特に女性はSEXに積極的と思われたくないあまり受け身になりがちですが、自分の体は自分のもの。その体をどうするかは自分で決めていい。情報を得たり、人と話して性にまつわる知識をアップデートし、自分の性と向き合ってほしいと思います」

<CASE>将来について

相手が身構えずに正直に答えられ

相手が身構えずに正直に答えられる状況作りも意識して
「ふたりの将来がまだ手探りの段階で、結婚や子どもについて『どう思ってるの?』とダイレクトに聞くと相手に負担が大きいかもしれません。相手に引かれて望まない結果になったり、相手が責められていると感じて険悪になりがちなので、日常の会話の中で上手く話題に出すことから始めましょう。

例えば、共通の友達の結婚や同世代芸能人の出産の話題など、ふたりでいる場でそういうニュースが出たタイミングで、『そういえば、○○はどう思ってる?』と雑談レベルで聞いてみる。問い詰めるように向き合うのではなく、情報収集感覚で会話して、相手が身構えずに答えられる状況を作りましょう。

そして心に留めておいてほしいのは、〝相手にも自由な意見を持つ権利がある〟ということ。意見の強要はできないし、どんな選択をするのか最終的な決定権は相手にあります。自分と相手の考えに乖離があったとしても、そこを無理矢理変えようとするのではなく、お互いに対する理解や共感を示して着地点を見極めることが大切です。今の時代、そもそも、〝プロポーズは男だけがするもの〟ではないですよね?ふたりの将来の舵取りはどちらがしてもいい。その辺りの感覚をバージョンアップして、相手と向き合ってもいいかもしれません。

そして、結婚に付随して気になるのが、相手の親問題。どんな親なのか探りたくなる気持ちもわかりますが、結婚はある意味、ふたりが運命共同体になること。相手がすべての鍵を握っている訳ではなく、自分も同じくらい責任を負わないといけません。だから、探りを入れた結果、義理の両親のキャラが濃かったとしても『従順な嫁をやらなきゃいけない』と思わずに、自分はどうしたいのかを優先して。ふたりの生活を守るために振る舞う覚悟と、主体的に動く気概は、女性側にも必要ですね」

イラスト/kame 取材/坂本結香、篠田夏帆 再構成/Bravoworks.Inc

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