日常で使う言葉でも、意外と読み方を勘違いして覚えている漢字は多いものです。漢字自体は簡単なものでも、予想外の読み方や、通常の読み方とはちょっと違う珍しい読み方をするものもあります。
そこで今回は、大人も読み間違いやすい漢字を5つピックアップ! いくつ読めるか、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
1.「出生」
「出生」とは「人が誕生すること」を意味する言葉です。よく「出生届」や「出生率」などと使われています。
「しゅっせい」と読まれやすい漢字、正しくは「しゅっしょう」と読みます。
「生」という漢字一文字でも「せい」「しょう」など、読み方によって意味合いが異なります。たとえば「生(せい)」は「生きていること」「生きる」という意味がありますが、「生(しょう)」には「生命」といった意味が。
「出生」の場合、「人が誕生する」という言葉の意味に合わせて「しょう」が用いられています。それぞれの読み方ごとの意味も覚えておくと、迷わずに読めそうですね。
2.「柏手」
神社に参拝した際に、手をパンパンと打つことを「柏手」と言います。パッと文字を見たときの印象から「はくしゅ」と読んでしまいがちです。
「柏手」の正しい読み方は「かしわで」です。
そもそも「柏手」は「拍手」の「拍」を「柏」と書いてしまったことが語源と言われていますが、現在では「柏手」という言葉として広く伝わっているので、思わず「はくしゅ」と読んで恥ずかしい思いをしてしまわないように気をつけましょう!
3.「疾病」
病気とほぼ同じような意味合いで「疾病」という言葉が使われることがあります。「病気(びょうき)」の「びょう」という読み方から、自然と「しつびょう」と読んでしまいがちです。
「疾病」の正しい読み方は「疾病(しっぺい)」です。
「病」を「ぺい」と読む読み方は珍しく、あまりなじみがないため間違えやすいとされています。
4.「云々」
文章の途中などで「云々」という言葉を目にしたことはあるでしょうか。長い文章を途中で省略する場合に「云々」を使います。見た目からはなかなか読み方が想像しにくいかもしれませんね。
「云々」の正しい読み方は「うんぬん」です。
元々は「うんうん」という読み方をしていたのが、次第に「うんぬん」となり、この読み方が定着したそうです。「云」という漢字が「伝」と似ているため、「でんでん」などと読まないよう、注意しましょう。
5.「言伝」
伝言のことを「言伝」と言う場合があります。言葉の雰囲気や字面から、「いいつたえ」と読む人が多いでしょう。
「言伝」の正しい読み方は「ことづて」です。
「言伝」のほかに「言伝て」と書く場合もありますが、読み方も同じ「ことづて」になります。ちなみに「いいつたえ」は「言い伝え」と書くので、併せて覚えておくといいでしょう。
あなたはいくつ読めましたか? 漢字自体は小学校で習ったような簡単なものでも、見慣れない言葉や珍しい読み方をする漢字は、つい読み間違いが多くなります。特に上記のような漢字は、言葉の意味やニュアンスも何となく理解しているものの、惜しい間違いをしがちです。この機会に、正しい読み方をぜひ覚えてくださいね。
参考文献
大人の漢字力研究会『読めそうで読めない漢字 書けそうで書けない漢字』(光文社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(FabrikaSimf、garetsworkshop、g-stockstudio、GaudiLab、Josep Suria)
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