Vol,1ではフィーカ レディースクリニック院長の佐野麻利子先生に“高齢出産のリスク”について伺いましたが、今回はそのリスクをどうすれば軽減できるのか、日常生活で取り入れやすい方法を教えてもらいます。
・将来的に妊娠を望むなら、日頃から健康的な食生活を
妊娠中に起こるトラブルとして、高齢出産の方は妊娠糖尿病になりやすいと言われています。発症すると、妊娠高血圧症候群やほかの合併症も引き起こしやすくなります。予防のためにも、日頃からバランスのいい食事と適度な運動を心がけましょう。
積極的に摂取するべき食物や栄養素は?
積極的に摂取するべき栄養素は、不足しやすい「葉酸」「鉄」「カルシウム」です。高タンパク・低カロリーな食事は、鉄分がしっかり摂れて、マタニティ期を健康に過ごすためのベースになります。また、ほうれん草などの葉野菜、大豆、レバーに多く含まれる「葉酸」は、お腹のなかの赤ちゃんの脳や神経の発育に関わる栄養素です。ほうれん草1/2束(100g)に含まれる葉酸は210μg程度、野菜は1日350g以上の摂取が目標です。野菜が苦手な人は豆類を多く摂るなどの工夫をするといいでしょう。ただし、くれぐれも塩分のとりすぎには注意が必要です。
寝不足や夜更かしは禁物ですか?
高齢出産の方はキャリアを積んできている場合も多く、頑張りすぎる傾向があるように思います。大切なのは、日頃から自分の心や体の健康を保つことです。睡眠不足は卵子の質にも悪影響を及ぼすと言われています。睡眠は体の元気と栄養を蓄えるための大切な時間。しっかりとした睡眠時間をとるだけでなく、ぐっすり眠れるように睡眠の質を良くすることが大事です。
仕事でもプライベートでも、すぐにイライラしてしまうのですが…
妊活中や妊娠中は多くのストレスを抱えがちです。体の変化に伴う体調不良からくるストレスや、気分の落ち込み、心に感じるストレスなどはある程度は仕方がないものですが、過度なストレスは、赤ちゃんにも影響を及ぼすことがあります。早産や低出生体重児となる可能性もあるので、規則的に適度な運動をしたり、ヨガのようなストレスを緩和するやさしい運動を習慣づけるなどしてはいかがでしょう。ストレスを溜めず休息を十分にとることは、高齢出産だけでなく、どの妊婦さんにとっても大事なことです。妊娠前から適度な運動習慣で筋肉を鍛えていたほうが、妊娠中も元気に快適に過ごせることが多いですよ。
太りすぎが高齢出産のリスクを高めるというのは本当?
妊娠前から太りすぎだった妊婦さんや高齢出産の妊婦さんは、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高くなります。血流が悪いなど、母体内の環境が悪化してしまうために、胎児が低栄養になり発育が阻害されてしまいます。そうならないためにも、BMI値をオーバーしない適正体重を目指しましょう。
やはり定期的な婦人科検診は受けるべきですか?
定期的な婦人科検診はもちろん受けるべきです。年齢が上がればいろいろな病気にかかりやすくなります。かつ、現代女性は子宮内膜症や子宮筋腫などの病気も増えており、婦人科疾患の合併妊娠もハイリスク妊娠になることもあります。病院やクリニックでの検診だけでなく、居住地域の行政制度で受けられる検診も一部あるので、そちらもチェックしてみましょう。
教えてくれたのは…
◆院長/産婦人科医 佐野麻利子先生
帝京⼤学医学部卒業後、順天堂⼤学医学部付属順天堂医院産婦⼈科医局に⼊局。2001年より賛育会病院に勤務し、2006年に医学博⼠を取得。⾼崎ARTクリニック、産科婦⼈科舘出張佐藤病院勤務を経て、2018年にフィーカ レディースクリニック院長に。
フィーカ レディースクリニック 婦人科・内科
東京都中央区日本橋2-5-1日本橋髙島屋三井ビルディング10F ☎︎03-6910-3977 https://fika-lc.jp
※完全予約制
実際に高齢出産を経験された方にそのメリット/デメリットについて、リアルなお話を伺います。
取材・文/伊藤綾香
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