BLドラマの火付け役! W主演の竹財輝之助&猪塚健太が語る「ポルノグラファー」の制作秘話。

落ち着いた大人の魅力でCLASSY.世代からも人気を集める俳優・竹財輝之助さん猪塚健太さん。2月26日(金)からは、FOD史上最速で100万回再生を突破した2人の主演ドラマが映画化され、「劇場版ポルノグラファー~プレイバック~」(松竹)として公開決定! 熱烈なファンの多いこの作品について、主演のお二人に制作秘話を取材してきました!

“男同士だから”じゃない、人間の気持ちの通いあいを描いた作品

Q. 今、世間を賑わせている“

Q. 今、世間を賑わせている“BL”作品たち。その中でもこの作品は先駆者的立場にあると思うのですが、お二人はこの作品をどう捉えていらっしゃいますか?

猪塚さん
僕はポルノグラファーを“純粋なラブストーリー”だと思っていて。BLにもきっといろいろな種類があると思うのですが、ポルノグラファーは純愛を描く作品で、そこはドラマが始まったときから映画までずっとぶれていない。愛し合った二人が離れてしまって、すれ違った心がまたぶつかりあって関係が強固になっていくというストーリーを演じるうえで、性別という部分はあまり意識していませんでした。恋愛でキュンキュンモヤモヤする、その心の機微を丁寧に描くのがポルノグラファーの魅力だと思っていますね。

竹財さん
ここ最近で、今までよりもずっとLGBTQに対する理解は深まっていると思いますが、とはいえまだ広がり切っていないのも事実ですよね。僕はこの作品に携わることが決まった一番最初から言っているんですけど、“男同士だから”という意識じゃなく、“この人だから”という気持ちで演じています。だからこそ、普段男性同士の恋愛を描いた作品を見ない・知らない人にこそ見ていただきたい。そこから何を感じ取るかは観た方の自由。もし辛辣な感想を抱いたなら、ぜひ教えてもらいたいです。厳しい意見、好きなので(笑)。

キーワードは“信頼感”。心も体も全力でぶつけあった現場。

Q. お互いの役者としての魅力

Q. お互いの役者としての魅力は? それを感じた撮影中のエピソードも教えてください。

竹財さん
1作目のドラマ「ポルノグラファー」での、初シーンでの出来事。僕が演じる木島理生という人の独特の雰囲気を出すため、セリフを忘れたんじゃないかって思われるくらいスローに喋る役作りをしていたんですね。「相手の役者さん、イヤだろうな…」と思っていたんですけれど、猪塚くん演じる久住は全部待ってくれるし、受け止めてくれる。その時点ですっかり信頼しちゃいました(笑)。今回の映画も、猪塚くんのおかげですごくフラットな状態で現場に行けましたね。現場で自然体にいられた感じがします。僕が役者としての感情を作り込んでいかなくても、自然に感情がわき出てくる演技や表情をしてくれるので、すごくラク。年下の役者さんで、一番信頼しています

猪塚さん
竹財さんは、本当に頼りになり、安心して身を任せられる方。前作では、僕が演じる(久住)春彦が木島先生に振り回されるストーリーだったので、その意味を込めてお芝居も全部預けて、受け取ったものから返していく形で演じていました。一方で今回は、僕が勝手にもやもやして、それをぶつけるという芝居。絶対に僕の感情を受け止めてくれる信頼感があったので、心身ともにためらうことなくぶつかれました

お互いへのリスペクトが生んだ“二人ならではの空気感”

Q. 演じている中で、相手の演

Q. 演じている中で、相手の演技に感銘を受けたポイントを挙げるなら?

猪塚さん
今回の作品、3日目くらいにクライマックスを撮ったのですが、向き合って涙を流すシーンがあるんですね。その時の竹財さんの演技が「あ、理生さんだ」と懐かしさと愛おしさを瞬時によみがえらせてくれて。早めに二人の空気を思い出せたので、その後の撮影も順調に進められたんだと思います。時間を超越した仲になっているかもしれないです(笑)。

竹財さん
今までに見たことがない表情だな」と思ったのは、再会のシーンと、「狭量な奴だな」というセリフのあと。「あー、すげぇ顔している。怖ぇぇ」と思いました。感情の起伏を増幅させる装置を持っているのが役者だと思うんですけど、それを猪塚くんの演技で垣間見た気がしてウォー!と思いましたね(笑)。

スクリーンで体験してほしい、“生のコミュニケーション”

Q. ようやく映画公開が迫って

Q. ようやく映画公開が迫ってきました。今の心境は?

竹財さん
やりきった感がありますね。映画がポルノグラファーシリーズの最後と考えながら演じていたので、もし次シリーズのオファーが来てもやらないつもりです! 今回は、現場で木島として生きて、その場で出てきた感情で演じました。感情もですけれど、肉体のぶつかり合いも多かった(笑)。前作の頃から、三木監督が誰よりも現場で楽しんでくれていたのが有難かったですね。懐の深い人で、僕らの演技を「こいつら、ほっといたらどこまで演じるのかな」とモニター前で気長に笑ってくれていた。色んな要素が多くの方に愛される作品に繋がったんだと思います。

猪塚さん
今は皆さんにとにかく見届けてほしいという気持ちです。新型コロナの影響がなくならない状況下で、ずっと人と会えない時期が続いていて、久しぶりの撮影でした。会いたい人と会えて密にぶつかったり対話したりできる、新鮮な喜びがありましたね。「人とお芝居するって、楽しい」と、生のコミュニケーションに飢えていた部分も、きっといい形で画面から伝わるんじゃないかな。

PROFILE

竹財輝之助(たけざい・てるのすけ)
1980年生まれ。熊本県出身。「年の差婚」(TBS)や「東京男子図鑑」(カンテレ)など、主演作が次々と注目の的に。

猪塚健太(いづか・けんた)
1986年生まれ。愛知県出身。舞台・映画「娼年」やドラマ・映画版「今日から俺は!!」など、話題作に次々と出演。

映画「劇場版ポルノグラファー ~プレイバック~」(松竹)

2021年2月26日(金)から全国映画館にて3週間限定上映

動画配信サービスFOD史上最速で100万回再生を突破した大ヒットドラマが実写映画化。遠距離恋愛を続けていた官能小説家の木島理生と就職したての青年・久住春彦のすれ違いや葛藤が描かれた、愛と人生の物語。

撮影/佐々木大輔(SIGNO) 取材/亀井友里子 構成/CLASSY.ONLINE編集室

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