30代になり感じ始めた、理由のはっきりしない不調や気分の落ち込み。もしかしてホルモンが関係しているのかも?ホルモンバランスが崩れる理由や症状、自律神経を整える生活習慣について、専門家の先生に教えていただきました。
低用量ピルについて気になる疑問9つ
服用を考えていても、ネットやSNSで調べただけでは何が正しい情報か分からず不安が残りますよね。先生に気になる疑問に答えていただきました。
Q.ピルにはどんな種類があるの?
A.「ピルは大きく分けてアフターピル、中用量ピル、低用量ピル、超低用量ピルに分類でき、その目的は避妊や月経困難症の改善です。いくつか種類があるので、婦人科やクリニックの先生に相談して決めるといいでしょう。」
Q.低用量ピルを服用している間は妊娠しませんか?
A.「毎日飲み忘れなく服用した場合にも、年間3/1,000人ほど妊娠したというデータがあります。飲み忘れがあった場合には年間8/100人ほどの妊娠確率です。そのため100%妊娠しないとは言えませんが、避妊の効果があります。」
Q.低用量ピルを服用し続けると不妊の原因になる?
A.「長期的に低用量ピルを服用しても、服用を中止したあとの妊娠には影響しないと報告がされています。ピルの服用を中止すると、通常1~3ヵ月で月経周期が回復し、妊娠可能な状態になります。低用量ピルの服用と不妊とは直接的に関係がないものと理解していいでしょう。むしろ不妊症の原因のひとつである子宮内膜症を予防できます。」
Q.低用量ピルの副作用って?
A.「主な副作用としては、不正出血、吐き気、頭痛、乳房の張りなどが挙げられます。ピルの飲み始めは症状を強く感じる方もいますが、おおよそ1~2ヵ月ほどで症状は軽減するでしょう。重篤な副作用としては血栓症がありますが、どれも発症率はさほど高くはありません。また子宮体癌や卵巣癌、大腸ガンのリスクは下がることが分かっています。」
Q.低用量ピルを飲むと癌のリスクが高まる?
A.「長期服用により、乳がんや子宮頸癌の罹患リスクはわずかに高まりますが、子宮頸癌はワクチン接種を行うことで予防が可能です。安心して服用を続けるためにも、定期的に検診を受けましょう。また、血栓症のリスクもわずかに高まることが報告されています。服用中に胸痛、息苦しさや視界の乱れ、舌のもつれやふくらはぎの強い痛みなどの症状がある場合は、すぐに服用を中止し医療機関を受診してください。」
低用量ピルの服用で予防できる婦人科疾患も
近年は日本も晩婚化や初産年齢が上がることで、子宮内膜症など婦人科疾患の発症リスクが上昇しています。出産を経ても発症するケースはありますが、出産を経験しないまま30代後半を過ごすことにより確実にリスクは大きくなります。そのため、最近は低用量ピルの服用により月経回数を減らし、子宮への負担を軽減することで、そういった婦人科疾患を予防するというのがオーソドックスになりつつあります。しかしピルの普及率が高まると同時に、誤った情報が広がることも。低用量ピルを飲むことで排卵は抑制されますが、それが〝卵子の温存〞や〝閉経を遅らせる〞ことには繋がりませんのでご注意を。排卵の有無にかかわらず、年齢とともに卵子は自然と消滅します。また、低用量ピルとコロナワクチンの併用は問題ありません(※感染し中等症以上の症状がある場合は服用を中止)。情報に翻弄されず、正しい知識を得ましょう。
お話を伺ったのは…
恵比寿みかレディースクリニック 院長 田中美香先生
順天堂大学医学部を卒業後、順天堂大学産婦人科学講座入局。その後、公立昭和病院勤務を経て、2018年に恵比寿みかレディースクリニックを開院。婦人科検診を推進するとともに、温かな雰囲気で気軽に相談できるクリニックを目指す。
イラスト/今井久恵 取材/伊藤綾香 再構成/Bravoworks.Inc
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