一見、簡単に読めそうでも、読み間違えて覚えている漢字は少なくありません。
そこで今回は、仕事や日常生活で聞くことも多い“読めそうだけど読めない漢字”をピックアップ! いくつ読めるのか、ぜひチャレンジしてみてください。
1.「杜撰」
物事が何かといい加減で、誤りが多いさまを「杜撰」と言います。
企業の不祥事などを取り扱うニュースで、この言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
元々は「詩や書物の執筆・編集が杜撰だったこと」からきているという「杜撰」。
正しくは……「ずさん」と読みます。
「撰」が「選」と似ていることから、思わず「とせん」と読み間違えないよう注意しましょう。
2.「強ち」
思わず「つよち」と読んでしまいそうな「強ち」。
元々「強ち」とは「ひたすら自分の意思を通そうとする」ことを表す言葉でしたが、現在では主に「必ずしも」という意味で使われています。
そんな「強ち」の正しい読み方は……「あながち」です。
ちなみに「強か」と書いて「したたか」と読みます。こちらも併せて覚えておくと良いでしょう。
3.「塩梅」
「塩梅」とは、漢字のとおり調味料の塩と梅酢、そのほかに「食物の味加減」を意味する言葉です。
また、古くは「臣下が君主の政治を助ける」という意味でも使われていました。
思わず「しおうめ」「えんばい」などと読んでしまいそうな「塩梅」ですが、正しい読み方は……
「あんばい」です。
よく同じ読み方の「按排(あんばい)」と意味を混同しやすく、現在では「按排」と同じく「程よく配置したり処理したりすること」という意味でも使われることが多くなっています。
4.「雪ぐ」
「雪ぐ」という言葉だけを見ても、一体何のことなのか、なかなかイメージしにくい人もいるかもしれません。
しかし、普段の生活で「雪ぐ」行為をしている人は少なくないはずです。
ヒントは「雪」という漢字の成り立ち。「雪」という漢字は、元々「雨+彗(ほうき)」から来ていて、“万物を掃き清める雪”という意味があります。
「雪ぐ」という言葉も、そうした意味から来ているそうです。
そんな「雪ぐ」の正しい読み方は……「すすぐ」。ちなみに「そそぐ」でも正解ですよ。
今回ご紹介した4つの読めそうで読めない漢字。あなたはいくつ正解できたでしょうか? 普段、耳にしたり自分で使ったりする言葉でも、意外な漢字の組み合わせだと初見で読むのはなかなか難しいものですよね。
もし今回読めなかった漢字があれば、ぜひこの機会に覚えておくと良いでしょう。
参考文献
山口謡司『知らないと恥をかく漢字』(幻冬舎)
文/大内千明 画像/Shutterstock(Cookie Studio、Jacob Lund、VasiliyBudarin、Yuganov Konstantin)