珠城りょうさん「過去の自分に戻ろうとは思わない」新しい自分への挑戦を決めた理由とは?

元宝塚歌劇団の月組トップスター珠城りょうさんが、再びCLASSY.ONLINEに登場! ファーストコンサート『CUORE(クオーレ)』の開催が決定した珠城さんに、今の心境をたっぷり語っていただきました。今回は、コンサートを控え今後の活動をどのように見つめているのか…等身大の気持ちに迫ります!

毎日必死だった宝塚時代に比べると…のんびりした毎日を過ごしています

–宝塚歌劇団を卒業

–宝塚歌劇団を卒業してしばらく経ちましたが、最近はどんな毎日を過ごしていますか?

宝塚にいたときは時間が足りなくて、毎日生きることだけに必死だったんですけど(笑)。今は比較的ゆっくりのんびり生活しています。在団中に比べて運動量が激減していますし、使う筋肉も全く違うので、今の生活に合った体型維持の方法を探しているところです。目標は女優として舞台に立てる体になることですね。ボイストレーニングでは今までと違うキーに挑戦しているんですよ。

–普段の生活で、男役のクセが出てしまうことはありますか?

たくさん訓練して「男役・珠城りょう」というものを構築したんです。意識を集中して生活していたので、退団した今は普段の生活で男役のクセがでることは全くないですね。

「過去の自分に戻ろうとは思わない」新しい自分への挑戦

–男性役のオファー

–男性役のオファーがきたらやりたいですか?

はい。でも、“宝塚の男役をまたやる”という考え方でなく、男性の役を演じるというスタンスでお受けすると思います。宝塚の男役は宝塚にしかないものなので。今後、男性の役をやるとしても、私にはもう宝塚の男役はできないですね。今の私にできる男性の役はどんな感じになるか面白いと思いますが、過去の自分に戻ろうとは思わないです。

–今後はどんなお仕事に挑戦したいですか?

ステージや作品の大きさに関わらず自分以外の人生を生きて表現することが大好きなんです。どうしようもないダメな人や、いろいろな年齢の役とか、演じたみたい役はたくさんあります。でも、自分のやりたいことを何でもできるわけではないので(笑)。これと決めずに縁のあるお仕事に挑戦したいです。私にどんなことをやってみてほしいと思ってくださるのか、どんなお仕事の依頼をくださるのか、楽しみにしています。

女優として初の舞台にドキドキしています(笑)

–映像に興味はあり

–映像に興味はありますか?

在団中にダイキンのCMに出させていただき、映像の面白さを知りました。ドラマや映画のことは全くわからないんですけど、どんな感じなのだろうと気になりますね。なにかオファーをいただく機会があれば、臆せず挑戦したいと思っています。

–決まっている、次のお仕事がありましたら教えてください。

たくさんあるやりたいことの一つのストレートプレイが決まりました。宝塚OG8人のミステリー劇『8人の女たち』が今年の夏に上演されます。錚々たる出演者の皆さまとお芝居ができることに今からワクワクしています。女優として初の舞台なのでドキドキもしています(笑)。

前に進む気持ちを後押ししてくれたのは宝塚の先輩たち

–以前、CLASS

–以前、CLASSY.ONLINEで退団後すぐの去年11月に出演される『Greatest Moment』に向けてのお気持ちを取材させていただきました。コンサートを終えた今、どんなことが印象に残っていますか?

毎回、公演後のカーテントークで高汐巴さんが「宝塚を卒業した私たちは、外の世界の大海原でいろんな荒波に揉まれ、飲まれながら頑張っています。そんな私たちを、これからも応援して頂けたら嬉しいです!」とおっしゃっていて。偉大な先輩方もたくさんの試練を乗り越えてきたんだ、私にはできないと思わないで頑張らなきゃと思いました。また、私たちのことを応援してくださいと言える方がいらっしゃることも私には心強く感じたんです。たくさんのファンの皆さまに見守られながら進んでいく先輩方の背中を見て、「私も前に進んでいける!」と思えました。とても貴重な体験だったと思います。

舞台袖では上級生の方に「卒業してからの人生の方が長いんだよ。これから何だってできるんだから!」とおっしゃっていただいたんです。卒業した自分に何ができるんだろうと考えたいたときだったので。そんな自分が前に進めるように背中を押していただいたような、そんなお言葉をいただけたことも印象深かったです。

卒業前からずっと変わらない「ファンの方に楽しんでもらいたい」という思い

–以前の取材で語っ

–以前の取材で語って頂いた、ファンの方へのメッセージにとても反響がありました。今回もファンの方にメッセージを頂けますか?

男役を極めようと自分のために舞台に立っていた下級生の頃、ファンの方って少なかったんです。徐々に与えられるものが多くなると、それについてきてくださるファンの方が増えてきました。でも、トップになってからは、悩むことが多過ぎて…。私がトップじゃない方がいいのではないかと思うことがよくあったんですけど、ファンの方から「珠城さんが笑っていてくれるだけで幸せです」とか「珠城さんの舞台を観ることが生きがいです」、「珠城さんが頑張っていると私も頑張れます」というお言葉をたくさんいただいて。私だけの人生ではないというか、私が誰かの夢や希望の一部になっている!と感じたんです。それからは、自分をカッコよく見せようという気持ちではなく、応援してくれる皆さんに楽しんでもらいたいという一心で舞台に立つようになっていました。そんな私の気持ちとファンの方の想いが一つになり、トップとしての人生を全うすることができたと感じています。

ファンクラブの名称はイタリア語で“快晴・穏やか”という意味の『Sereno』にしました。自分にとっても、私に携わる全ての人にとっても、これからの道が穏やかで晴れ渡った日々になったらいいなという願いを込めたんです。コンサートでは宝塚の楽曲も歌いますが、卒業して、一人の珠城りょうとしてスタートを切りました。ダンスも歌も男役の珠城りょうではないですが、これからも応援しよう!と思っていただける姿をお見せしたいと思っています。焦らす気負わず私らしく前に向かいますので、これからも皆さまと一緒に歩んでいきたいです!

珠城りょう 1stコンサート
『CUORE(クオーレ)』

昨年8月に宝塚歌劇団を退団した元月組トップスター珠城りょう。コンサートをやって欲しいと熱烈なリクエストが多数寄せられ、退団後初となる待望のソロコンサートが実現。構成・演出・振付は珠城が「とても憧れていた」と語る川崎悦子が担当し、スペシャルゲストに宝塚OGの彩凪翔、愛月ひかるが登場。今までにない珠城りょうの魅力が詰まった、スピード感溢れるダンサブルなステージをお披露目予定。

4月30日(土)~5月3日(木) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
5月13日(金)~5月15日(日) 東京国際フォーラム ホールC

チケット一般発売が3月26日(土)AM10:00より発売!

https://www.umegei.com/tamaki2022/

フォトギャラリー

【衣装詳細】
ジャケット¥28,600(ランバン オン ブルー/レリアン tel.03-6834-7224)コンビネゾン¥53,900(ソブ/フィルム tel.03-5413-4141)イヤリング¥47,300リング¥71,500〈ともにウッターズ アンド ヘンドリックス〉ネックレス¥31,900〈イオッセリアーニ〉ブレスレット¥59,400〈セルジュ・トラヴァル〉(すべてアッシュ・ぺー・フランス tel.03-5778-2022)シューズ¥99,000(ジミー チュウ tel.0120-013-700)

撮影/木村敦 ヘアメーク/河上智美 スタイリスト/久保コウヘイ 取材・文/よしだなお 編集/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)

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最新号 202405月号

3月28日発売/
表紙モデル:山本美月

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