『着回しDiary』ファンタジー担当の舞台裏って?【12月号メイキング編】|キツネ男、男女入れ替わり、宇宙旅行…

前回、大反響があった『着回しDiary』の舞台裏に迫るこの企画。独特のストーリー展開が特徴の『CLASSY.』の名物企画は、いったいどうやって作られているの…?今回は、「キツネ男」や「宇宙旅行」などのストーリーを手掛けてきた、編集・前田&ライター・棚田トモコさんの“ファンタジー担当コンビ”にCLASSY.ONLINE新米編集・平賀がインタビュー!
最終回は、最新号のメイキングについて。「不良が集まる男子校」が舞台の「12月号」の裏側は…?

高校教師の友人からヒントを得て、ストーリーを設計

『CLASSY.』2020年12月号より
『CLASSY.』2020年12月号より

平賀(以下、平):さて、今回は最新号の裏話について聞かせてください。今月のテーマは、『カッコいいパンツALL STARSで11月の着回しDiary』県内中のワルが集める男子校の新米師役を桜井玲香さんが演じるということで、まさにドラマ『ごくせん』のような世界観ですが、これはどこから着想を得たのですか?

編集・前田(以下、前):男子生徒が多い高校で教師をやっている友人が、「パンツコーデが増えた」と話していたのを聞いたことがあったんです。それで12月号の特集会議で「パンツ特集」をやることが決まって、「よし、これだ!」と。

平:それで、「学校の先生×不良」というストーリーになったんですね。おふたりが着回しでの「ロケ場所」や「小道具」にかなりこだわっているというのは、前回のインタビューでお伺いしましたが、この撮影ではいかがでしたか?

ライター・棚田(以下、棚):まずロケ地は、立川の廃校で撮影しました。屋上のフェンスに着回しアイテムをかけているのですが、どうしてもこのカットにこだわりたくて。ちょうどよく錆びついているフェンスを探していたら、ここに辿り着きました。

前:あとは不良クラスだったので
『CLASSY.』2020年12月号より

前:あとは不良クラスだったので、私とティナさんで全力で教室を荒らして(笑)なかなかできない体験だったので楽しかったですね。それに、バケツとか譜面台とか、普通のファッションページでは絶対に出てこないような小道具が散りばめられているのも見どころです。

棚:前ちゃんの職人プレイも健在
撮影で汚した教室の様子

棚:前ちゃんの職人プレイも健在だったよね。文化祭のポスターや校訓の貼紙を作ってくれたおかげで、より学校の世界観が再現できたと思う。あとは、時事ネタとしてフェイシールドをつけたのもこだわり。「顎クイ」ならぬ「フェイスシールドクイ」が誕生しました(笑)

これが“フェイスシールドクイ”!(『CLASSY.』2020年12月号より
これが“フェイスシールドクイ”!(『CLASSY.』2020年12月号より

今回も、スタッフさんたちのファインプレーに助けられた

平:斬新!そして登場人部も多い
エキストラは全員スタッフさん!

平:斬新!そして登場人部も多いですよね。「着回しの撮影は、スタッフさんがエキストラになりがち」とのことでしたが、今回も例に漏れずですか?

前:はい!いつものことながら、周りの方々にたくさん協力していただきました。例えばこの不良軍団は、モデルの小日向流季くんを除いて全員スタッフさんなんです。スタイリストのアシスタントくんと、ロケバスさんと。みなさん本当に演技がうまくて!

棚:勘がいいので助かるよね。「ここでひたすら漫画読んでていて!」とか「とりあえずずっとうまい棒食べてくれれば大丈夫!」とかオーダーすると、だんだん役に入り込んでくれる。ロケバスさんは極道一家の父親という設定だったんだけど、コワモテに見えるように、わざわざ当日までにヒゲを伸ばして整えてきてくれて!写真に映るかなんてわからないのに。

ロケバスさん、渾身の役作り!(『CLASSY.』2020年12月号より)
ロケバスさん、渾身の役作り!(『CLASSY.』2020年12月号より)

前:あとは桜井玲香ちゃんのお父さん役として、広告部・高尾さんのお知り合いだという、とある代理店の社長さんに出ていただいたり(笑)「はぐれ刑事」みたいにしたいとお話ししたら、わざわざそれっぽい私服を選んできてくださったんですよね。そうやって、今回も誰ひとり手を抜かずに真面目に向き合ってくださったので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

棚:ファッション面では「All
特別出演の「代理店の社長」さん(『CLASSY.』2020年12月号より)

棚:ファッション面では「All パンツ」ということで、どれもCLASSY.らしい、「カッコよさ」と「キレイさ」が両立した大人カジュアルになっているはず。ストーリーもそうだけど、やっぱりコーデには注目してほしいです!

歴代ベストはどれも我が子のようで選びきれない!

平:今回も、「着回しイズム」が
(左)編集・前田 (右)ライター・棚田さん

平:今回も、「着回しイズム」が炸裂の現場だったわけですね。では最後に、おふたりが手がけてきた歴代の『着回しDiary』の中で、一番好きな回をそれぞれ教えてください!

前:ええ〜!とても難しい質問ですね…どれも我が子のように可愛いので…。でもやっぱり“すべての始まり”的な意味で「キツネ回」(2019年10月号)はハズせないですね。あとは、七海ひろきさんに出ていただいた「ジェンダーレス回(2020年5月号)」かな。これはメッセージとしても言いたいことを一番伝えられた回だと思うので。

棚:私は、「入れ替わり回」(2
『CLASSY.』2020年5月号

棚:私は、「入れ替わり回」(2020年6・7月合併号)かな。これもいわば性別を超越した回だったので、メッセージ的にも意味のあるものだったと思うし。それに、入れ替わるシーンの写真が幻想的でお気に入り!服もメンズライクな感じで可愛いんだよね。でもやっぱり、思い入れで言ったら「キツネ回」(2019年10月号)かなあ。

平:「キツネ回」(2019年1
『CLASSY.』2020年6・7月合併号

平:「キツネ回」(2019年10月号)は“ファンタジー班”の原点ですもんね。ちなみに、今後のアイディアとかって…

前:もちろん、まだまだたくさんストックしてありますよ!お互いに「秘密のネタ帳」に常にアイディアを書き溜めているんですけど、全然消化が追いつかなくって(笑)

棚:毎月の特集プランに合わせて、コーデにフィットするものがあればどんどん挑戦していきたいよね。ファッションもストーリーも、どちらもみなさんに楽しんでいただけるようなページを作れるように、これからも頑張ります!

“ファンタジー代表”前田&棚田ペアがこれから作る『着回しDiary』では、いったいどんなストーリーが繰り広げられるのか…目が離せません!まずは今月号の『カッコいいパンツALL STARSで11月の着回しDiary』をチェックしてみてくださいね。

構成/CLASSY.ONLINE編集室

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最新号 202406月号

4月26日発売/
表紙モデル:山本美月

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