初心者でも必ず楽しめる【宝塚】オススメDVDから演出家まで!|ヅカオタ編集Mがアツく語る

「空前のミュージカルブーム」と言われている昨今。その中でも特に熱いファンが多い『宝塚歌劇』について、「聞いたことはあるけどよく知らない…」という読者の方へ、ヅカファン歴20年の編集Mがその魅力を好き勝手にご紹介します。

①初心者でも楽しめるDVD4選

エリザベート-愛と死の輪舞-

帝国劇場でも上演されているウィーン発祥ミュージカル『エリザベート』。宝塚では1996年の初演から、10回も再演を重ねている超人気作です。

【あらすじ】
オーストリー=ハンガリー帝国皇妃エリザベートが暗殺されてから100年後の裁判所。自殺した犯人、ルイジ・ルキーニの霊への尋問がされている。暗殺の理由について、ルキーニは「エリザベートは死と恋仲だった、彼女自身が死を望んでいたからだ」と主張。それを証明するためエリザベートと同時代に生きた人々を霊廟から呼び起こし、彼らはエリザベート(愛称シシィ)のことを語り始め、最後に黄泉の帝王トートが現れる。時はシシィが16歳の1853年に遡り…。

【みどころ】
一番のみどころは、やはり海外ミュージカルならではの素晴らしい楽曲の数々。実はすべてのメロディーに「トート(主人公です)の旋律」というのが入っているそうで、それが明るい音楽の中でもどこか冷たい響きを感じさせます。あとは宝塚ならではの豪華な衣装やセットの数々は、19世紀のヨーロッパ気分を味わえてオシャレ好きな女性には刺さりそう。自由を愛する皇妃エリザベートに振り回される皇帝フランツ(姑のゾフィーと私とどっちか選んでくれなきゃ離婚する!と言って、夫の愛を勝ち取るあたり、見習いたいかもしれない)を見て、いつの時代も夫婦喧嘩は絶えないんだな…と思いを新たにするかもしれません。

②全部知ってる?魅力あふれる5つの組

THE宝塚の王道【花組】

「花男」という言葉を見て「はなだん」ではなく「はなおとこ」と読むのがヅカファン。慣れてくると「あーこのキャラ、花男って感じ」「それは宝塚で言うところの花男の立ち位置だね」という高度な会話が繰り広げられるようになります。花男とは、花組に所属する男役さんのこと(2019年に『花より男子』が実際に花組で上演され、「花男が花男をやる」ということで話題になりました)。花組は宝塚のなかで最初に作られた組で、5組紹介の際も一番はじめに呼ばれる存在です。5組に優劣はないですが、なんとなくその流れで「宝塚の中の代表的存在」になっています。クラシカルな黒燕尾の群舞などは圧巻。一生に一度は観ておいて損はないです。

現在の花組トップスターは男役の柚香光(ゆずかれい・95期)さんと娘役の華優希(はなゆうき・100期)さん。95期と100期というのは入団年次のことで、95期、100期ともにスターぞろいで有名な期なのですが、それについて語りだすと長くなるので割愛します。突然ですが私はいま、このトップコンビを非常に、非常に、推しています。なんといっても並びが少女漫画。ゆめゆめしいことこの上ない。ちなみに上演スケジュールは未定ですが、次回公演はかの有名な『はいからさんが通る』です。この二人だけでなく、瀬戸かずや(せとかずや・90期)さん、水美舞斗(みなみまいと・95期)さん、永久輝せあ(とわきせあ・97期)さんなどのスーパーイケメン花男たちが少女漫画のキャラクターを演じてくれるので、目の保養になること間違いなしです。ちなみに水美さんはトップスターの柚香さんと同期(入団年が一緒)なので、いわゆる「同期萌え」というジャンルも確立しているのですが、それも語りだすと長くなるので割愛します。

宝塚らしい、王道のキラキラ少女漫画の世界に浸りたい!という人は、ぜひ花組へ。

③宝塚でしか観られない世界観に浸れるおすすめのショー3選

藤井大介先生の作品

初っ端から演出家推し。ですがヅカファンならば誰もが一度は通るのが「演出家・藤井大介先生のショー」です。宝塚にお抱えの演出家がいるのは第一回目でも触れたのですが、藤井先生もその一人。そして今となっては珍しくなった「ほぼショー専任の演出家」です(過去にはお芝居の作品もつくっています)。初めて宝塚を観る方はぜひ藤井先生のショーとセットになっている公演を選んだほうがいい、と思うほど、初心者にはぴったりのショー作品が満載です。

個人的に過去の作品でおすすめなのは以下の3つ。
『EXCITER!!(エキサイター)』…刺激、熱狂、興奮をもたらす者=“EXCITER”がテーマ。人気作品で何度も再演されていますが、どれも花組なのがミソ。これぞ花組!花男!!!という感じです(花男が何かは第2回目の記事参照)。とりあえず主題歌が神。
『CONGA!!(コンガ)』…こちらも花組で2012年に上演された、ラテン系のショー(いつもより褐色系の肌色でメークをします)。当時のトップスター蘭寿とむさんが本当に日本人か?と思うくらいオラオラしていてカッコいい。
『NICE GUY!! -その男、Yによる法則-』…2011年宙(そら)組で初演。Yは当時のトップスター大空祐飛さんの頭文字より。2019年には同じく宙組で、現在のトップスター真風涼帆さんにより再演されました(このときのサブタイトルは-その男、Sによる法則-)。スタイリッシュな長身の宙男たちがスーツを着て踊るプロローグが至高です。

ほかにも宝塚100周年を記念した『TAKARAZUKA 花詩集100!!』(2014年月組)、ワインをテーマにした花組ショー『Santé!! 〜最高級ワインをあなたに〜』(2017年花組)、猫×ラテンという偉業を成し遂げた『Gato Bonito!! 〜ガート・ボニート、美しい猫のような男〜』(2018年雪組)など、観たら思わず拝みたくなるような、華やかで美しくアドレナリン大放出のショーがたくさん。過去作品をDVDなどでチェックしてみるだけでも楽しいのでおすすめです。

以上、ヅカオタ編集Mによる、初心者におすすめのショー演出家3選でした。コロナの影響でしばらく公演が中止になっていましたが、7月から再開されることがとうとう発表され、ヅカオタたちが歓喜の渦で包まれました。チケットの取り方や公演日程は、ぜひ宝塚歌劇団公式サイトをチェックしてみてくださいね。

そもそも宝塚歌劇団とは?

花、月、雪、星、宙(そら)組と、専科から成る女性だけによる歌劇団。男性役を演じる「男役」と女性役を演じる「娘役」がおり、各組のトップスターが毎公演の主役を務める。兵庫県宝塚市と千代田区有楽町にそれぞれ劇場があるほか、小劇場や地方都市の劇場でも年に数回公演をおこなう。※2020年5月現在は公演を中止しています。
公式サイト:https://kageki.hankyu.co.jp/
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