「空前のミュージカルブーム」と言われている昨今。今回はその中でもとくに熱いファンが多い『宝塚歌劇』について、「聞いたことはあるけどよく知らない…」という読者の方へ、ヅカファン歴20年の編集Mがその魅力を好き勝手にご紹介します。
前回に続き、今回も編集Mが思う5組のカラーを語っていきます。
宝塚にある5つの組を紹介!~星宙 編~
④王子さまから熱血漢まで!【星組】
星組を一言でいうと「濃い」。そして「熱い」。個人的に客席釣り(舞台から特定のお客さんにウインクなどのサービスをすること)が最も容赦なくて恐ろしい組だと思っています(あと花組)。最近はもっぱら体育会系の印象が強いですが、ほかにも「コスチュームの星組」「王子様の星組」など端正なイメージの呼び名も。過去にはそのイメージに因んで、千秋楽の楽屋入りで白馬に乗って現れたトップスターさんもいたほどです。とはいえパッションが抜きん出た、どこかオラオラした雰囲気を醸し出しているとしたらそれは星組かもしれません。
そんな星組のトップスターは礼真琴(れいまこと・95期)さんと舞空瞳(まいそらひとみ・102期)さん。オラオラしている~なんて言いましたが、このお二人はともに宝塚音楽学校を首席で卒業している超優等生コンビです。首席なので歌も芝居もなんでもできるのですが、個人的にイチオシなのはダンス。重力も関節もどこかへ行ってしまったのかな??というような息ぴったりの超絶技巧ダンスを舞台上で繰り広げてくれます。それでいて普段の二人は、人懐っこくてちょっと繊細なところもある礼さんと、ほんわかした女子力の塊のような舞空さん、というのも魅力。最近トップに就任したばかりなのでどこか初々しく、見ていて微笑ましい気持ちにさせてくれます。他にも宙組出身のスタイル抜群&芝居巧者である愛月ひかる(あいづきひかる・93期)さんや、明るさと伸びのいい歌唱が魅力の瀬央ゆりあ(せおゆりあ・95期)さんなど、情熱溢れるスターがたくさん揃っています。
⑤スタイリッシュな高身長【宙組】
5組の中で最も新しい組、宙(そら)組。最初に観た時は「脚、長…」という感想でした。というのも、宙組は5組のなかで最も高身長揃い。今となっては珍しくなくなった170cm以上の男役さんも、宙組が結成された1998年当時はまだそれほど多くなく、そんな選りすぐりの人たちを中心に集めてできたのが宙組でした。そのスタイルを存分にいかしたコスチュームものや、スーツものが非常に様になるほか、コーラスの上手さでも有名です。宙組誕生の一作目となったショー『シトラスの風』のなかで、宙組生全員がダンサーとコーラスにわかれて歌うゴスペル曲の場面「明日へのエナジー」は、結成から20年以上経た今もなお、組を代表する名場面として再演を重ねています。
宙組のトップスターは真風涼帆(まかぜすずほ・92期)さんと星風まどか(ほしかぜまどか・100期)さん。大人の男の色気を漂わせる真風さんは、カセットコンロのイワタニのCMで、まるでブランドバッグのようにカセットコンロを持ったことでヅカファンを騒然とさせました。個人的なベストオブ真風さんはショー『VIVA! FESTA!』の「YOSAKOIソーラン節」。宙組の男役さんがソーラン節を歌って踊る場面があり、もちろん皆さん素晴らしくカッコいいのですが、真風さんのソーラン節は次元が違った。本物の男性漁師がやってきたかと思いました。これについては百聞は一見にしかずなので、ぜひDVDなどで観ていただきたいところです。相手役の星風さんはアイドルのような可愛い容姿ながら、キレイな高音の歌唱力が素晴らしいです。スタイリッシュな現代感を堪能したい方は、ぜひ宙組へ。
以上、ヅカオタ編集Mによる、宝塚の組紹介PART2でした。ここで紹介しているのは個人的な解釈の一部なので、もし興味を持たれた方がぜひ一度、ご自身の目で観ることをオススメします。チケットの取り方や公演日程は、宝塚歌劇団公式サイトをチェックしてみてくださいね。
そもそも宝塚歌劇団とは?
花、月、雪、星、宙(そら)組と、専科から成る女性だけによる歌劇団。男性役を演じる「男役」と女性役を演じる「娘役」がおり、各組のトップスターが毎公演の主役を務める。兵庫県宝塚市と千代田区有楽町にそれぞれ劇場があるほか、小劇場や地方都市の劇場でも年に数回公演をおこなう。※2020年5月現在は公演を中止しています。
公式サイト:https://kageki.hankyu.co.jp/
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