初心者でも必ず楽しめる【宝塚】全部知ってる?花組・月組・雪組編|ヅカオタ編集Mがアツく語る②

「空前のミュージカルブーム」と言われている昨今。今回はその中でもとくに熱いファンが多い『宝塚歌劇』について、「聞いたことはあるけどよく知らない…」という読者の方へ、ヅカファン歴20年の編集Mがその魅力を好き勝手にご紹介します。

宝塚にある5つの組を紹介!~花月雪 編~

①THE宝塚の王道【花組】

宝塚歌劇公式チャンネルより

「花男」という言葉を見て「はなだん」ではなく「はなおとこ」と読むのがヅカファン。慣れてくると「あーこのキャラ、花男って感じ」「それは宝塚で言うところの花男の立ち位置だね」という高度な会話が繰り広げられるようになります。花男とは、花組に所属する男役さんのこと(2019年に『花より男子』が実際に花組で上演され、「花男が花男をやる」ということで話題になりました)。花組は宝塚のなかで最初に作られた組で、5組紹介の際も一番はじめに呼ばれる存在です。5組に優劣はないですが、なんとなくその流れで「宝塚の中の代表的存在」になっています。クラシカルな黒燕尾の群舞などは圧巻。一生に一度は観ておいて損はないです。

現在の花組トップスターは男役の柚香光(ゆずかれい・95期)さんと娘役の華優希(はなゆうき・100期)さん。95期と100期というのは入団年次のことで、95期、100期ともにスターぞろいで有名な期なのですが、それについて語りだすと長くなるので割愛します。突然ですが私はいま、このトップコンビを非常に、非常に、推しています。なんといっても並びが少女漫画。ゆめゆめしいことこの上ない。ちなみに上演スケジュールは未定ですが、次回公演はかの有名な『はいからさんが通る』です。この二人だけでなく、瀬戸かずや(せとかずや・90期)さん、水美舞斗(みなみまいと・95期)さん、永久輝せあ(とわきせあ・97期)さんなどのスーパーイケメン花男たちが少女漫画のキャラクターを演じてくれるので、目の保養になること間違いなしです。ちなみに水美さんはトップスターの柚香さんと同期(入団年が一緒)なので、いわゆる「同期萌え」というジャンルも確立しているのですが、それも語りだすと長くなるので割愛します。

宝塚らしい、王道のキラキラ少女漫画の世界に浸りたい!という人は、ぜひ花組へ。

②職人気質の【月組】

宝塚歌劇公式チャンネルより

宝塚歌劇はその名の通り「歌劇」なので、芝居ができるかどうかがとても大切。5組の中で月組は昔から「芝居の月組」と呼ばれていて、舞台上の生徒(劇団員のこと)がすみずみまで凝った芝居をしている、ということに定評があります。とはいえ他の組は芝居がイマイチというわけでは決してないので、今となっては一種の屋号みたいになりつつあるのですが、それでも月組に芝居の上手な下級生(新人のこと)が入ってくると、「やっぱり芝居の月組だもんね」みたいに言われたりします。一方ですごくアイドル風の男役さんがいたりするので、「職人とアイドルが同じ舞台に並んで男役芸を披露している、そしてそれが共通の世界線で成り立っている」というバラエティの豊かさが、月組の魅力のひとつかもしれません。

そんな月組のトップスターは珠城りょう(たまきりょう・94期)さんと美園さくら(みそのさくら・99期)さん。実は来年の公演で二人とも退団することが発表されたのですが、このご時世での公演延期に伴い、退団が延期になる、という異例の事態に。ヅカファンの間では物議をかもしています。それはさておき、珠城さんはトップスターに入団9年目で就任し、あのレジェンド天海祐希さんに次ぐ異例のスピード出世と話題になりました(ちなみに天海さんも同じ月組出身)。珠城さんの広い肩幅と包容力は本物の男性みたいで最高にカッコいいのですが、退団発表の記者会見ではぼろぼろ泣いてしまったりと、そのギャップにやられる人が続出しています。他にも美しすぎる男役として有名な月城かなと(つきしろかなと・95期)さんや、超絶スタイルとたしかな実力を持つ鳳月 杏(ほうづきあん・92期)さんなど、個性あふれるスターがずらり。

キラキラといぶし銀のギャップ萌えを堪能したい人は月組を観るといいかもしれません。

③日本物の本丸【雪組】

宝塚歌劇公式チャンネルより

日本物=お芝居、ショーに限らず、主に古典などを原作とした和装もののこと。日本史好きなら一度は通るであろう「新撰組」とか「戦国大名」とかをよく演目で取り扱っているのが雪組です。これも「芝居の月組」と同様、他組で日本物をやらないわけではないのですが、なんとなく和物の演目が決まった時、組子は「雪組だからしっかりやらなければ」という気持ちになるそうです。ですが雪組の魅力はそれだけではありません。今のトップスター2人は、宝塚の中でも一二を争う歌唱力の持ち主。トップお披露目公演では世界的なミュージカル作曲家フランク・ワイルドホーンが楽曲をかきおろしたり、なぜか聖火ランナーにまで選出されたりと(タカラジェンヌに年齢は御法度なので、聖火ランナーの一覧に一人だけ年齢が書かれていなかったのが個人的にはツボでした)、今もっとも「宝塚の顔」となる機会の多い組とも言えます。

そんな雪組トップスターは望海風斗(のぞみふうと・89期)さんと真彩希帆(まあやきほ・98期)さん。いまや人気すぎて大変チケットが取りづらいトップコンビになってしまいましたが、なんとこちらの二人も退団を発表していたのに延期という異例の事態になってしまいました。先の見えない公演延期というのはファンにとって辛いものですが、個人的には「嵐の解散と望海さんの退団は神様が引き止めようとしているんじゃないか」と思っています。ちなみに退団公演の演目は前回の記事で紹介した「上田久美子先生の作品」(珠城さんの退団公演も上田先生。それだけ人気と信頼がある演出家なんです)。もうそんなのチケット難の予感しかない。ですが「チケットは本当に観たいと思ってる人のところへやってくる」がヅカオタの信条。劇団屈指のハイクオリティな舞台、あの手この手を駆使して、ぜひ最後のプレミアチケットを入手したいところです。

以上、ヅカオタ編集Mによる、宝塚の組紹介PART1でした。熱を入れすぎたので残りの2組は次回にします。チケットの取り方や公演日程は、ぜひ宝塚歌劇団公式サイトをチェックしてみてくださいね。

そもそも宝塚歌劇団とは?

花、月、雪、星、宙(そら)組と、専科から成る女性だけによる歌劇団。男性役を演じる「男役」と女性役を演じる「娘役」がおり、各組のトップスターが毎公演の主役を務める。兵庫県宝塚市と千代田区有楽町にそれぞれ劇場があるほか、小劇場や地方都市の劇場でも年に数回公演をおこなう。※2020年5月現在は公演を中止しています。
公式サイト:https://kageki.hankyu.co.jp/
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