日本中が沸いた小泉進次郎×滝川クリステルの結婚発表。特に30代以上の婚活女子の間では一気に〝滝クリうらやましい!〟熱が拡散。この結婚がうらやましい理由、そしてその先について考えてみました。
第4回目は「滝クリ婚」について、「男性学」研究の第一人者、田中俊之さんが分析。〝なれるものなら滝クリに!〟という読者からの声が多い中、私たちが理想とするのは本当にこの結婚なのか。いま一度冷静に考えるために意見を伺いました。
今回分析・検証したのは…
田中俊之さん
男性が男性であるからこそ抱える問題を扱う「男性学」研究の第一人者。多様な生き方を可能にする社会を提言する論客として雑誌やテレビなどで活躍。著書に『男が働かない、いいじゃないか!』など。
晩婚がデメリットに見えず 輝いて見える アラフォーカップル 期待を背負わされるのは かわいそうですが
この結婚に読者の方が憧れるのはすごくわかる気がします。婚活中の多くの女性は「婚活していても30歳を過ぎるとなかなかいい相手が残っていない」という状況に陥るといいます。そういった中で進次郎さんと滝川さんは見た目も美しく二人とも初婚で、晩婚がまったくデメリットに見えないですよね。初婚同士では最近あまり見ることがなかった“輝いて見えるアラフォーの結婚”で、それは30代女性に、自分もこのような結婚ができる可能性があるという希望を与えたのではないでしょうか。
そんな憧れの結婚ですが、二人にとってのメリットについて考えると、まず滝川さんはこの結婚によって独身女性に対する偏見から逃れられたということがあります。私はまったくそう思いませんが、「あの人は魅力的だけど、独身だよね」といった考え方を持つ人は今でも多いのではないでしょうか。その価値観にすり寄って考えるのならば、結婚したことで滝川さんの価値は急上昇したわけです。進次郎さんにしても、将来首相になりたい方だと思うので、男性的な価値観の強い政治の世界で生きていくという面からしても、妻がいたほうがプラスになります。
さらに彼らは外見がいいですから、カップルとして理想的な象徴になり得るというのは大きなメリットですよね。新しい夫婦像を提示していく可能性があります。でも大変ですよね。期待を背負わされちゃうから。恐らく今後二人は"どんな夫婦になりたいか"ということより、"どんな夫婦になってほしいか"という世間の期待を常に背負っていかなくてはならないでしょう。
しかも今、期待は両面あって、旧来ある価値観="首相は奥さんがいないと""女性は結婚しないと不幸なんだよ"といった価値観の人からすれば、進次郎さんが育休を取ったり、滝川さんが子供を産んですぐ働いたら叩く対象になります。もし反対に彼が育休を取らなければ、それはそれで逆の立場の人から叩かれることになるでしょう。どっちに転んでも強く反発がくるというのはかわいそうですね。結婚会見でも、場所が首相官邸であったり、白から赤への衣装替えがありましたが、これを"素敵""賢い"と思う人もいれば、"計算高い""小賢しい"と感じる人もいる。これが注目される人の宿命かもしれないですね。
この結婚にただただ憧れを抱いている方は、もしかすると結婚がゴールと考えているのかもしれませんが、その考え方は絶対に幸せになれません。この結婚に憧れる自分を一度俯瞰してその先を見てみること。「ああ、素敵だな」と消費するくらいがちょうどいいのではないかと思います。
さらに、コラムニストの辛酸なめ子さんの意見も聞いてみましょう。最終回へと続きます。
イラスト/平松昭子 取材/川西麻依子
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