先週1月8日は、「成人の日」でした。全国各地では、新成人(なった方々を祝う催しが開催されたことと思います。成人年齢は18歳に引き下げられましたが、式典等は従来通り、「二十歳の集まり」で開催されたことでしょう。
というわけで、今回は漢字「若」を含む言葉の読みを紹介します。常用漢字ですので、一般的な訓読み「わか(い)」や、音読み「ジャク」(「若年」「若干」など)はおわかりですね。でも、それだけではありません。では、始めましょう。
1.「老若男女」
最初は、「老若男女」です。四字熟語として何と読むでしょうか? 例文は「老若男女が一堂に会する」。「ロウジャクダンジョ」ではありません。
正解は「ロウニャクナンニョ」でした。「老若」だけでなく、「男女」の読みにも注意です。この「若」を「ニャク」と読んだり、「男・女」を「ナン・ニョ」と読んだりするのは、「呉音(古く日本に渡来した、中国南方系の発音に基づく音)」です。実は、「ニャク」「ナン」「ニョ」とも常用漢字表に記載されていますから、学校でも勉強したはずですよ。
2.「若しも」
次は、「若しも」です。何と読むでしょうか? 「老いも若きも……」ではないので、「わか(しも)」とは読みませんよ。例文は「若しも私が政治家ならば、そうはしない」。
正解は、「も(しも)」でした。意味は、例文でおわかりのように、「仮にそうだとしても」。つまり、「もしも」は「もし」を強めた言い方です。
3.「杜若」
最後は、「杜若」です。今回一番の難問かもしれませんので、ヒントを差し上げましょう。「植物名」です。例文は「いずれ菖蒲か杜若、どちらを選ぶか難しい」。
この言い回し、どこかで耳にしたことはありませんか。「いずれ『あやめ』か『かきつばた』」と読みます。なので正解は「かきつばた」です。「菖蒲」と「杜若」は、同じ「アヤメ科」の植物ですが、よく似ていて区別がつきにくいところから、「どちらも優れているので優劣がつけにくい」という時に使います。ちなみに、「かきつばた」は「燕子花」と表記する場合もあります。
ちなみに「成人の日」は、「大人になったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます」趣旨の国民の祝日です。2000年以降は、「1月の第2月曜」となりましたが、かつては「1月15日」が成人式だったことを覚えていますか? 陰暦1月15日は「小正月(こしょうがつ)」にあたり、古くはこの「小正月」に、貴族や武家の男子が成人したことを示す儀式である、「元服」が行われていたことに由来していると言われています。
改めて、成人を迎えた方々、おめでとうございました。若い皆さんには、無限の可能性があります。どうそ自らの夢の実現に向けて、今後の人生を歩んでください。では、今回はこのへんで。
《参考文献》「広辞苑 第六版」(岩波書店)/「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)/「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)/「新字源」(角川書店)/「難読漢字辞典」(三省堂)/「古語林」(大修館書店)
文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)
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