12月22日は「二十四節気」の一つ、「冬至」(とうじ)です。「二十四節気」は「にじゅうよんせっき」ではなく、「にじゅうしせっき」と読みます。中国から伝わった「1年を二十四等分(約15日刻み)して季節の名称を与えたもの」で、これによって季節の移り変わりがわかりやすくなります。その中の一つ「冬至」は、「1年で夜が最も長く、昼が最も短くなる」とされています。「南瓜(かぼちゃ)」を食し、「柚子(ゆず)湯」に浸かる、難読漢字の一日ですが、覚えておいてほしいのが、四字熟語「一陽来復」です。「太陽の力が一番弱まった後に、再び戻ってくる」のは、この「冬至」の日でもあるのですね。もろもろの「運」も向いてくることを期待したいですね。
今回は「テーマパークなどでよく見かける、あの漢字」について紹介します。
某テーマパークでみかけたこの漢字、なんて読む?
1デーパスポート(1日券)
大人:10,000円 中人:8,000円 小人:6,000円
大人:18才以上 / 中人(中学・高校生):12~17才 / 小人(幼児・小学生):4~11才
※3才以下は無料
クリスマスだからでしょうか。いつもより、ちょっと高めの価格設定のようです。(ひとつ気になるのは、ここでは「18才」のように、年齢を表す助数詞に「才」を使っている点です。「歳」と「才」は本来の意味が違いますので、代用品の「才」でなく「歳」を使ってもらいたいところ)
さて、ここからが問題です。この「大人」「中人」「小人」は、正しくは何て読むと思いますか。
「大人」は「おとな」でしょう。「小人」は「こども」。「中人」は「ちゅうじん」、という解答をした方が多いのではないでしょうか?
1.「大人」
実は、読み方が一番多いのが「大人」です。「おとな」とは一般的に「成人した人」を指し、「たいじん」は「きわめて体の大きい人」または「徳の高い人」「度量の大きい人物」のことを指します。また、「うし」は「(特に江戸時代、国学者同士が使った)学者の敬称」で使います。
それに対し、今回のような「入場料などの料金区分」に使う場合は、「だいにん」と読みます。
2.「中人」
あとは、「大人(だいにん)」に合わせて、「中人」は「ちゅうにん」と読みます。
3.「小人」
同様に「小人」は「こども」(この読み方は本来ありません)ではなく、「しょうにん」と読みます。童話やファンタジーの世界では、「こびと」とも読みますよね。
なお、「中人」はあくまでも「大人」と「小人」との間の人を表しますので、この某テーマパークでは、「中人」を「中学・高校生」の区分としていますが、例えば、「大人」が「高校生以上」である場合は、「中人」が「中学生」を指し、「小人」が「小学生」を指す場合もありうるわけです。
今回は料金区分を表す場合の正しい読み方である「だいにん」「ちゅうにん」「しょうにん」がおわかりいただけたでしょうか?それにしても、実際にチケット売り場で、「だいにん2まい」って声にして言うのに勇気がいるのも、おかしな話ですね。では、今回はこのへんで。
《参考文献》「広辞苑 第六版」(岩波書店)/「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)/「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)/「新字源」(角川書店)/「難読漢字辞典」(三省堂)/「古語林」(大修館書店)
文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)
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