【次はサモア戦!】「#日テレ女子アナラグビー部」笹崎アナに聞いた!ラグビーの基本ルール・魅力って?

開幕を迎えたラグビーワールドカップ2023。ラグビーには詳しくなくても、4年に1度の熱狂に便乗し楽しみたいという方は多いのでは。そこで、ラグビーの魅力や日本代表選手をよく知り「#日テレ女子アナラグビー部」としても活動するアナウンサー・笹崎里菜さんにインタビュー。試合を見る上で知っておきたい、基本的な知識やラグビーの魅力について教えてもらいました。

教えてくれたのは…「#日テレ女子アナラグビー部」笹崎里菜アナウンサー

日本テレビ・笹崎里菜アナウンサ

日本テレビ・笹崎里菜アナウンサー
2015年入社。「バゲット」MC、「Going! Sports&News」(ニュース)、スポーツ中継などを担当。2019年に開催されたラグビーワールドカップ(W杯)では、実況班に女性アナでただ1人加入。YouTubeにて「日テレ女子アナラグビー部」を自ら企画立案するなど、初心者目線や女性ならではの視点を大事にしつつ、ラグビーの魅力を発信している。

とりあえず知っておきたい! ラグビーW杯の基礎知識

Q. ラグビーワールドカップの開催期間はいつ?
現地時間で2023年9月8日(金)から10月28日(土)まで。開幕戦となるフランスvsニュージーランドは、事実上の決勝といっても過言ではないほどの大注目カード。スタートから見逃せない対戦が盛りだくさんなので、ぜひ予選プールからチェックを!

Q. 前回は日本開催で盛り上がったラグビーW杯。今年の開催地は?
今年の開催国はフランス。2019年の日本開催で日本代表が予選プール突破の快挙を果たした通り、自国開催はやはり有利。欧州王者でもあるフランス代表の活躍には、絶対的な注目が集まります。

Q. 今回のW杯、日本代表的注目ポイントは?
2015年のW杯で優勝候補の南アフリカを破り、2019年には初の決勝トーナメント進出を決めた日本代表。予選プールを突破することが目標だった時期を経て、決勝トーナメントをどう勝ち抜くかが今回のポイント。とはいえ予選プールDにもイングランド、アルゼンチン、サモア、チリと手強い相手が揃っているので、日本代表初戦となるチリ戦から気は抜けません。

日本代表チームにさまざまな国籍の選手がいるのは…
ラグビー日本代表は、日本ラグビーフットボール協会が組織するラグビーユニオンのナショナルチーム。ラグビーでは、国の代表チームとしてプレーする際に、国籍を問う「国籍主義」ではなく、所属する協会に基づく「協会主義」を採用。日本ラグビーフットボール協会には外国籍選手も多数在籍しているため、ラグビー日本代表には日本人だけでなくさまざまな国からの外国籍選手が登録されている。

Q. 日本代表の愛称はある?
勇敢な桜の戦士「ブレイブ・ブロッサムズ」として世界から親しまれている日本。今回のW杯日本代表は、2016年にヘッドコーチに就任し「ONE TEAM」をテーマにチームを育て上げたジェイミー・ジョセフ氏の名前から、“ジェイミー・ジャパン”と呼ばれています。

Q. 気になる日本戦の日程は?
今回は開催地がフランスということもあり、日本時間でいうと深夜から早朝にかけての試合が多くなります。日本代表の運命を左右する予選プール最終戦は10月8日のアルゼンチン戦。日曜日の夜8時スタートなので、日本からの応援には嬉しい時間帯!
【予選プールDスケジュール(時間は日本時間)】
・9月10日(日) 20:00 日本 vs チリ
・9月18日(月) 04:00 イングランド vs 日本
・9月29日(金) 04:00 日本 vs サモア
・10月8日(日) 20:00 日本 vs アルゼンチン

Q. ラグビーW杯はどこで放送される?
「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」は、NHK・日本テレビ・J SPORTSの3局で放送。NHKは日本・チリ戦を地上波で、日本・イングランド戦をBS1で生中継、日本テレビは日本代表の予選3試合を含む19試合を生中継。J SPORTSは、全48試合を生中継するほか、J SPORTSオンデマンドでも全試合をライブ配信します。地上波での放送が多いので、みんなでテレビの前で観戦し日本代表を応援しましょう!

ラグビーの「基本ルール」を知ろう!

Q. 今大会で初めてラグビーを観るCLASSY.読者も多いのですが、ラグビーのルールや選手を知らなくても試合を楽しめますか?
もちろんです。ラグビーって一旦試合が始まると、常に何かが起こっているスポーツなんです。タックルにキック、トライ…と力強いプレーが次々と繰り広げられ、ものすごい迫力! ボールを追っているだけでもドキドキしてしまいます。初心者でも分かる基本的なルールをおさえておくと、さらに楽しめると思います。

■試合の人数:15人制(※本大会の場合)
■試合時間:前半40分・ハーフタイム15分・後半40分
相手のゴールに向かってボールを進める方法は
①ボールを持って進む
②キックをする
の2つ。味方にボールをパスするときは、自分より前方に投げることはできず、必ず自分より後方の選手に投げなくてはいけません。

得点は
・相手のゴールラインにボールが割り込む「トライ」:5点
・トライ後に与えられる追加得点のチャンス「コンバージョンゴール」:2点
・相手の反則により与えられる「ペナルティゴール」:3点
をまずは覚えておきましょう!

ペナルティには種類がたくさんあり、ルールが少し複雑なので、まずは「ボールを進める方法」と「得点の種類」を覚えておくと試合を見るのが楽しくなるはずです!

ラグビーの「魅力」はココにある!

Q. CLASSY.世代的な目線で、ラグビーのおすすめポイントを挙げるなら?
選手にイケメンが揃っているので、CLASSY.読者の皆さんにも是非知っていただきたいです(笑)。日本テレビのYouTubeチャンネル「日テレスポーツCH」のなかにある『#日テレ女子アナラグビー部』というコーナーでは選手のご紹介もしていて予習にぴったりなので、ぜひチェックしてください。

Q. ラグビーにハマる入り口はたくさんあるということですね。会場には女性サポーターも多いのでしょうか。
2019年に日本で開催されたW杯をきっかけに、会場にも女性サポーターがぐんと増えました。皆さん試合前はDJによる音楽で気分を高め、試合が始まるとジャージを着て、楽しく応援をされています。キックのときは静かにするのがマナーなのですが、リーチマイケル選手がボールを持つと「リーチ!」という掛け声で応援し、すごく盛り上がるんですよ。今回のW杯はフランス開催で現地観戦がなかなか難しいでしょうから、日テレの中継をご覧いただきたいですが、CLASSY.読者の皆さんにもぜひ今度、会場の雰囲気を生で観るプレーの迫力を体感してほしいです。

Q. 他の競技にはない魅力というと、どこにあると思いますか?
ラグビー=男臭いスポーツというイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、実はすごく紳士なスポーツなんです。試合中は驚くほどガツガツぶつかり合っているのに、試合が終わると「ノーサイド」といって敵も味方もない。相手の選手と握手をし、ジャージを交換し、お互いのプレーを称え合います。その文化は日本の“礼儀”にも通ずるものがありますし、すごく素敵だなと思います。もちろん選手の皆さんも、ものすごく紳士的ですよ!奥深い魅力があって、知れば知るほど引き込まれる競技だと感じますね。それからプレーでは、他の競技では感じられないタックルの迫力でしょうか。「バーン!」とすごく大きな音を立てて接触するので、思わず「大丈夫かな…」と心配になってしまうのですが、すぐに立ち上がって前に進む選手をみると、ラグビーの面白さはこういう豪快なプレーにあるのだなと感じます。

Q. もう一歩踏み込んで、ラグビーを深く知りたいと思ったら、何を知っているといいでしょうか。
最近、キックを使ったゲームコントロールがすごく増えてきたんです。ハイパントキックといって、ゲーム中にボールを高く蹴り上げるんですが、攻められていた時に自陣を回復したり、敵陣深くまで入り攻撃のきっかけになったりもします。ほかにもペナルティキックやコンバージョンキックなど種類があり、キックを起点に点数が入る機会も多いんです。キックから地道に得点を稼ぐことも、勝利に近づく大切な要素。キックを蹴る「スタンドオフ」というポジションの選手がいかに重要か、も試合を楽しむ上で重要なポイントになってくると思います。日本代表のスタンドオフは松田力也選手や李 承信選手が該当します。日テレの中継を観ながら探してみてください。

ラグビーは15人のメンバーから成り立ち、それぞれに決められているポジションがある。ポジションは8人のFW(フォワード)と、7人のBK(バックス)に大きく分けられ、さらにFWはフロントロー、セカンドロー、バックローに、BKはハーフバック、スリークォーターバック、フルバックに分かれる。

なかでも覚えておきたいポジションは…「ハーフバックス」! 以下の2つに分かれ、チームの攻撃を組み立てる重要な役割を担います。

・スクラムハーフ(SH)
フォワードとバックスの繋ぎ役。敏しょう性と的確で正確な判断力が必要とされるポジション。体が小さくても充分に活躍できる。

・スタンドオフ(SO)
バックスの攻撃の起点となるポジションで、チームの司令塔的役割を果たす。ラグビーへの理解度が高く、的確な状況判断と多種多様なスキルを駆使してゲームメイクを行うのが役割。

ラグビーワールドカップ2023の見どころ

Q. 今大会の注目ポイントを教えてください。
まずはフランス開催ということですね。前回は日本開催で、日本代表チームにもすごく勢いがあったので、世界の有名選手たちが日本のリーグに興味を持つきっかけになりました。今回はフランス代表チームがどのような策を立てて挑むのか楽しみですし、フランスのラグビーそのものを知る良い機会になると思っています。

Q. 日本代表に関していうと、どんな点に注目していますか?
「ジャパンが歴史を変える」という選手たちの意欲です。これまでは決勝トーナメントに出場することが目標だったのですが、その目標を前回大会で達成したことにより、選手たちの口から「優勝」という言葉が聞かれるようになりました。是非、皆さんにも「日本が優勝するぞ」という強い気持ちで応援していただきたいですね。W杯はラグビーにとって最高峰の舞台。もちろん日本だけでなく、世界のスーパースター達による常識を超えたプレーがきっと観られると思うので、是非テレビの前で彼らのすごさを体感していただきたいです。

■得点の種類をもっと詳しく!
「トライ」:得点数5点
相手チームのインゴール地面にボールをつけると成立。

「コンバージョンゴール」得点数2点
トライ成立後、キックしたボールが相手チームのゴールポスト(クロスバー)を越えると成立。

「ペナルティゴール」得点数3点
反則行為を受けた場合、その地点からキックを行い、ボールが相手チームのゴールポスト(クロスバー)を越えると成立。

「ドロップゴール」得点数3点
試合中、地面にワンバウンドしたボールを蹴り、ボールが相手チームのゴールポスト(クロスバー)を越えると成立。

予選トーナメント突破の秘訣は?

Q. 日本のいる「プールD」はどのようなグループですか?
前回大会準優勝のイングランド、そしてこの4年で急成長し優勝候補にも挙げられているアルゼンチンがいるので、どの試合も厳しい戦いになりそうですね…。でもこのグループを抜けることができれば「優勝」が見えてきます。そのためにも初戦のチリ戦はまさに負けられない戦い。ここで勝ってチームに勢いをつけたいところですね。皆さんの応援を力にグループ突破、そして優勝を目指して欲しいです!

【プールD】
・イングランド(世界ランキング8位)
・日本(世界ランキング14位)
・アルゼンチン(世界ランキング6位)
・サモア(世界ランキング12位)
・チリ(世界ランキング22位)

プールDを勝ち抜く条件は、プール内総当たり戦を行った結果、上位2位チームに入ること。

【試合スケジュール(時間は日本時間)】
・9月10日(日) 20:00 日本 vs チリ
・9月18日(月) 04:00 イングランド vs 日本
・9月29日(金) 04:00 日本 vs サモア
・10月8日(日) 20:00 日本 vs アルゼンチン

※世界ランキングは2023年9月4日時点のもの

Q. 「プールD」を勝ち抜くカギはどこにあると思いますか?
両試合ミスを犯さないことがとにかく大事。ラグビーはトライで5点、トライ後のコンバージョンキックで2点が加点されるのですが、ペナルティキックといって、こちらのミスで相手にキックのチャンスが与えられた場合、キックが決まれば3点が加点されてしまうんです。W杯はその3点が勝負を左右すると言われています。いかに相手のミスを誘い、自分たちが3点を積み上げるかが重要になると思います。

新戦力×ベテラン勢の融合でパワーアップした日本代表に注目!

Q. 前回大会に比べ、日本代表チームはどういったところが進化していますか?
全てが進化していると思います。前回はいわば挑戦者のような立場でしたが、ベスト8に進出したことで選手たちの目標や意識にも変化がありました。新しく代表に加わった若い選手たちと、稲垣選手や堀江選手といったベテラン勢の力の融合も楽しみな部分です。また日本のラグビー全体の話でいうと、これまでのリーグが「リーグワン」というものに変わったことで、世界のスーパースターたちが日本のリーグに参戦するようになりました。それにより、日本リーグの選手たちのレベルは確実に上がっています。この変化は、日本ラグビーが「新しい時代」に突入したと言えますね。

Q. 改めて今大会、優勝するチームはどこだと予想しますか!?
もちろん日本!開催国フランスも強いと思うのですが、ここは優勝を願う気持ちも込めて日本ですね!

笹崎アナウンサーが、ラグビーの仕事に取り組むようになった理由

Q. 笹崎アナウンサーがラグビーを担当することになったきっかけは?
元々スポーツには興味があったのですが、スポーツ担当の先輩もいましたし、なかなか携わるチャンスがありませんでした。ある時、ラグビー班のチーフである蛯原アナウンサーに、ラグビーPR映像のナレーション撮りを依頼されたので、その際に何気なく「実はスポーツに興味があるんです…!」という話をしたんです。すると後日、2019年に日本でラグビーW杯があるから取材を担当しないかと声をかけてもらえて「やります!」とすぐに返事をしました。きっかけはどこに転がっているか分からないなと思いました(笑)。

Q. ラグビーについて、どのように学んでいったのでしょうか?
2017年にラグビー班に加わることが決まったときは、ラグビーに関して接点も知識も全くない状態。そこからのスタートだったので、毎週土曜日にサンウルブズの試合を観に行き、先輩にルールを聞きつつ覚えました。試合が終わったあとは選手の皆さんに挨拶をして、私の名前と顔を覚えていただけるように自分なりに努力をしたつもりです。もちろん、すぐにスポーツ担当アナウンサーのようにはいきませんが、逆に初心者目線や女性ならではの意見を伝えられるのは私だけ、とポジティブに捉えて向き合っていました。

・サンウルブズ(Sunwolves)
ジャパンラグビーの強化を目的に2015年に結成された日本のラグビーチーム。世界最高峰のインターナショナルプロラグビーリーグ「スーパーラグビー」に、2016年から2020年まで参加していた。2020年に解散。

Q. ラグビーを担当し始めて、印象的だったエピソードはありますか?
最初はタックルの迫力に驚きました!それから、試合後に選手たちにご挨拶して「わー、身体が大きい!」と(笑)。選手の皆さんが本当に優しい方ばかりで、プレー中と試合後のギャップにも思わず萌えてしまいました。試合で印象的だったのは2017年のオーストラリア戦かな。当時、これから大活躍すること間違いなしの選手として姫野選手が注目をされ始めていたのですが、そんな中、代表戦初キャップで彼がトライを決めたんです。「すごい!これは絶対にくるぞ」という気持ちになったのを覚えています。その期待通り、今大会でもキャプテンを務めることが発表されました。

・キャップ
選手がどれだけの回数、国の代表に選出され、国際試合に出場したかを示す数字。数字が大きいほど国際試合の経験が多い。代表選出においてこのキャップ数が選考理由の一つになるなど、選手にとって非常に大事な指標。

笹崎アナの推しメンはこの選手!

Q. ラグビー日本代表にはイケメン選手がたくさんいると仰っていました。笹崎アナの“推し”を教えていただけますか?
一人目はやはり姫野和樹選手!外国人選手にも引けを取らないフィジカルの強さで、ボールを手にしたらどんどん前に進んでいくので、チームに勢いもつきますし会場も盛り上がります。今大会では、一層強くなった姿が見られるのではと期待しています。プレーと本人の性格に一番ギャップがある選手かもしれません(笑)。二人目は李 承信選手。なんと彼、2001年生まれなんですよ…!スタンドオフという司令塔の役割を果たすポジションにいるのですが、パスも上手ですし、キックの正確性もばっちり。まさに若き新戦力という感じです。そして三人目は松島幸太朗選手ですね。2019年のW杯後にフランスリーグに参戦し、プレーに一層磨きがかかりました。松島選手の持ち味であるステップに是非注目して欲しいです。個人的に、同い年ということも推せるポイント(笑)。

Q. 海外の注目選手を挙げるなら?
やはり、まずはニュージランド代表のボーデン・バレット選手です。彼は日本にもファンがたくさんいる世界的スーパースター! ラグビー初心者の方が観ても「この人すごいな…」と感じる強さです。前回大会後にはサントリーサンゴリアスでプレーしていましたし、来季はトヨタヴェルブリッツへの所属が決定しているので、これからもどんどんファンが増えそうですね。それから、フランス代表のアントワーヌ・デュポン選手。スクラムハーフの選手なので、バックスとフォワードをつなぐためパスをよくする選手なんですけど、パスも上手なうえにトライもめちゃめちゃ決めるんです!日本にとってはなかなか手強い存在ですね。フランスは母国開催で必ず優勝すると宣言していて、今大会にかける想いがものすごく強いんです。フランス代表がどのようなプレーをするのか、という意味でも注目をしています。

ラグビーワールドカップ2023フランス大会
オリンピック、サッカーワールドカップに並び「世界3大スポーツイベント」のひとつとされているラグビーワールドカップ。今大会ではチームキャプテンを姫野和樹選手、副キャプテンを流大選手が務め、ニュージーランド・オーストラリア・フィジーなど様々な出身地や国籍の選手で構成された新生チームJAPANで世界の頂点を目指します。
大会期間:2023年9月8日(金)〜10月28日(土)※現地時間
開催国:フランス
日本テレビでは日本戦をはじめとする19試合を完全生中継!

撮影/川﨑一貴(MOUSTACHE) 取材・文/伊藤綾香 構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)

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