【真琴つばさ×姿月あさとスペシャル対談】宝塚OG×ジャズの豪華コラボ『ALLTHAT ZZJA/ALL THAT ZZKA』で共演!

寺井尚子カルテット&宝塚歌劇OGが奏でる極上のジャズ・エンタテインメント『ALLTHAT ZZJA/ALL THAT ZZKA』がこの秋、開演! 出演される元宝塚歌劇トップスターの真琴つばささんと姿月あさとさんに、今回の公演への思いやお二人が考える〝ウェルビーイング〟について2回にわたり語っていただきました。

――今回の公演、『ALL TH

――今回の公演、『ALL THAT ZZJA/ALL THAT ZZKA』のお話が来たときの気持ちはいかがでしたか?
真琴 日本初のプロのジャズバンドは宝塚少女歌劇のオーケストラ出身の方が中心となって結成されたのですが、今年はそのバンドの結成100周年であり、宝塚歌劇団の創設者・小林一三先生の生誕150周年でもあります。この奇跡のような瞬間のコンサートに出られることをとても幸せに思いました。
姿月 宝塚歌劇100周年以降にOG公演はたくさんありましたが、ジャズだけのコンサートは初めての試みですので面白そうだと思いました。また、ジャズ・ヴァイオリンの女王である寺井尚子さんとコラボするのが画期的で新たな挑戦になると思っています。

――寺井尚子カルテットとのコラボ、スタンダードナンバーから宝塚歌劇楽曲など見どころはたくさんありますが、お二人が考える見どころを教えてください
真琴 世界中でジャズコンサートが開催されていますが、宝塚歌劇団の生徒は世界に二つとない唯一の歌声を持っていると思うんです。そのOGが集まってジャズを歌ったときにどんなハーモニーを奏でるのだろうと、演者の私が一番ワクワクしています。
姿月 舞台上では私達がセッションをしますが、客席のセッションも楽しみだなと思っています。宝塚歌劇ファンの方とジャズ好きの方がいらっしゃると思うので、どんな感じになるのだろう?と楽しみにしています。

――真琴さんは「去年ジャズの扉

――真琴さんは「去年ジャズの扉を明けたばかりで、この依頼が来たことにご縁を感じる」、姿月さんは「JAZZのZはずんこのZ」とコメントされていました。ジャズに対するお二人の思いをお聞かせいただけますか?
真琴 去年、必死に勉強してジャズのCDを出させていただきました。その時にジャズについて勉強したのですが、100年も前のことなのに100年先を行っているような感覚を受けたんです。また、「有名なあの人の曲だ」と思っていた曲が、実は特定の誰かの曲ではないというパターンがあることも知りました。たとえば、『桃太郎さん』の曲をたくさんの人が歌って、その中で一番『桃太郎さん』を歌うのにふさわしいと認められた人が歴史に名を残すといった感じです。誰のものでもなくて、誰のものでもあるんです。自分もその中の一人としてジャズという世界に参加できたという喜びがありました。魅力的なジャズにまた触れる機会をいただけたことに感謝しています。
姿月 幼い頃、家でジャズのレコードがよく流れていました。なのでジャズを聴くとなんだか懐かしい気持ちになりますが、いつの時代に聴いても古さを感じないのがジャズの醍醐味だと思います。今はレコードが再び流行っているので、若い方は新しさを感じているのかもしれませんね。

――お二人は二期違いますが花組

――お二人は二期違いますが花組配属となり’93年にはともに月組へ、’97年の真琴さんトップお披露目公演『EL DORADO』では姿月さんは二番手になりました。同じ時期に宝塚歌劇団で過ごされたお二人のジャズに関する思い出を教えてください。
真琴 大浦みずぎさんが『ルート66』を歌ったのを思い出しましたが、覚えていますか?
姿月 『ショー・アップ・ショー』ですよね。客席から観ていました。フィナーレナンバーを『ルート66』にのせて黒燕尾で踊っていましたね! 『ショー・アップ・ショー』はジャズの場面が多かったです。
真琴 それ以後の花組、二人で行った月組でも当初はジャズのショーはなかった気がします。ずんちゃん(姿月さんの愛称)がいなくなってからは、月組で『ジャズマニア』をやりましたけど。
姿月 私は月組時代の『風と共に去りぬ』のフィナーレナンバーで『ナイト・アンド・デイ』が使われているのが印象的です。宙組に行ってからはジャズのショーはなかったですがジャズの曲はたくさん使われていましたから、宝塚の思い出とジャズは切っても切り離せないです。
真琴 宝塚歌劇を観て育った方は、絶対にジャズに触れていると思います。
姿月 先ほど話に出た『風と共に去りぬ』は何度も再演されているから、『ナイト・アンド・デイ』はファンの皆さんはご存知でしょう。
真琴 そう考えると、宝塚歌劇もジャズを広めるという役目を担ってきた気がしますね。
姿月 あの曲もファンの方だったらわかるのでは? タララリーレレ♪……曲名が思い出せません。
真琴 でも本当に宝塚歌劇ではジャズをたくさんやっていました。戦前に『シング・シング・シング』を歌っていたんですよ。すごい最先端をいっていたんだなって思いました。
姿月 ナウいです!
真琴 本当、ナウいです!(笑)

――お稽古はこれからだと思いま

――お稽古はこれからだと思いますが、どんな雰囲気のチームになりそうですか?
真琴 公演のビジュアルどおり、アダルトな感じになると思います(笑)
姿月 近しい時代にいた仲間たちなので楽しくなりそうです。OG公演などでその時に集まったメンバーの絆が深いと、メンバーのことをその公演のタイトルを使って「○○組」と呼んだりするんです。今回も「ズージャ・ズカ組」ができそうだなって思っています。
真琴 私達が今回の公演を成功させたら、「ズージャ・ズカPart2組」と、続いていく気がします。
姿月 ジャズはたくさんのナンバーがありますから、ずっと続くといいですね!

――公演に向けて今から準備されていることなどはありますか?
真琴 今日は合同取材があったのですが、昨夜出演者の湖月わたるさんに電話したら、予習のためにジャズを聴いていましたよ。
姿月 私は普段から家でジャズをかけていることが多いです。
真琴 私は音楽を聴くと仕事モードになってしまうので、いざというときしか聴かないの。音楽を聴いてリラックスというのができなくて。
姿月 先ほどお話したようにジャズは幼い頃から聴いていたからか、そこまで仕事モードにならないのですが、音楽がしんどいというのはわかります。今の自分にしんどくないBGMを探すのに時間がかかります。音楽かけて「違う」、またかけて「違う」、みたいな(笑)。
真琴 「音楽を仕事にしてる人のあるある」なのかもしれないですね。

――最後にコンサートを楽しみにしている皆さまへメッセージをお願いします。
真琴 宝塚歌劇を応援してくださっている方、ジャズに興味がある方、どちらにも楽しんでいただけるステージになると思います。宝塚歌劇OGは魅せることを知っているので、〝魅せるジャズ〟もお届けしたいと思います!
姿月 宝塚歌劇OGの私達だからできるジャズがあると思っています。私達は舞台でセッションを楽しみますので、皆さまも一緒に客席で思いっきり楽しんでいただきたいです!

『ALL THAT ZZJA /ALL THAT ZZKA』
〝ジャズ・ヴァイオリンの女王〟寺井尚子と宝塚歌劇元トップスターたちの夢のコラボレーションが決定! スタンダードナンバーから宝塚歌劇楽曲まで、寺井尚子カルテットによるジャズの醍醐味である即興演奏、宝塚歌劇OGたちによる洗練された華麗なるパフォーマンスでお届けします。企画・原案 寺井尚子/構成・演出 菅野こうめい/音楽監督 北島直樹/演奏 寺井尚子カルテット/出演 真琴つばさ 姿月あさと 湖月わたる 風花舞 彩乃かなみ 天寿光希 晴音アキ 加賀谷真聡 高橋伊久磨 9月22日(金)~24日(日)日本青年館ホール 9月29日(金)~10月1日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

真琴つばさ
‘85年宝塚歌劇団に71期として入団。花組に配属。’97年月組トップスターに就任。’01年退団。退団後も舞台を中心に活動しつつ、バラエティ番組などの映像でも活躍している。

姿月あさと
‘87年宝塚歌劇団に73期として入団。花組に配属。’98年宙組の初代トップスターに就任。’00年退団。退団後も歌唱力を活かして、コンサートなどの舞台を中心に活躍。

撮影/木村 敦 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)

Feature

Magazine

最新号 202406月号

4月26日発売/
表紙モデル:山本美月

Pickup