【アラサー世代の多様化するリアルな働き方】助産師のネットワークを作り、社会課題を解決していく

働き方が多様化して、起業も以前より身近な選択肢に。なかでも一緒に働く人や社会、世界や地球の未来をよりよくするための事業を起ち上げた、〝ウェルビーイングな起業〟に注目が集まっています。社会問題の解決に取り組む4人の女性のストーリーをお届けします。

岸畑聖月さん(With Midwife CEO・臨床助産師)

助産師のネットワークを作り、社会課題を解決したい

「会社では子連れ出勤、フルフレ

「会社では子連れ出勤、フルフレックスなど女性が働きやすい環境を構築。社員たちのキャリアや子育てもどんどんウェルビーイングになっていくことにすごくやりがいを感じます」

岸畑聖月さん
ʼ91年香川県生まれ。香川大学で看護師・保健師資格を取得後、京都大学大学院医学研究科で助産学・経営学を学ぶ。’19年株式会社With Midwifeを創業。大学在学中にウエディング事業の起業も経験。

「働く」=「生きる」の時代。職場や地域のお母さんとして助産師を頼ってほしい

妊産婦の死因の1位は自死、虐待死の5割以上は新生児という事実を知っていますか?私は「生まれることのできなかった、たった一つの命でさえも取り残されない未来の実現」というミッションで助産師のスキルで社会課題を解決する事業を進めています。
起業の構想を考え始めたのは14、15歳の頃。病気で妊娠出産ができなくなり、自分が命を生み出せないのであれば命を生み出すことをサポートする産婦人科医になろうと考えました。その直後に、身近で起きたネグレクトで母親だけが責められていたのを見て「誰なら助けられたのか?」という問題意識が、産後うつや虐待などの社会課題に取り組みたいという想いになりました。病院で働いても行政でもあの女性をサポートできそうにない。だったらビジネスを作って社会課題を解決するしかない。「産婦人科医じゃない、助産師だ」とビビッときたんです。そこから助産師がどんな事業をしたら社会貢献できるのかをずっと考えていました。
病院で勤務しながら起業の勉強会やワークショップに参加。その中で「あなたの言っていることはビジネスになる」とLED関西(女性活躍を支援する行政サービス)を教えてもらい、ファイナリストに。普段出会うことができない企業がサポーターとなって、私の作りたいサービスのブラッシュアップや試験導入をさせていただき、事業を成長させていきました。
「助産師=出産の現場で働く人」と思っている人が大半だと思いますが、助産師になるには看護師資格が必要。多くの助産師はさらに保健師の資格も持っているので健康、子育て、地域医療をオールマイティーに解決できる医療従事者なんです。昔の助産師=産婆さんは出産、妊娠中のケアだけでなく、子育てのサポート、夫婦関係の仲介、学校での性教育で健康や命のことを伝える存在でした。
99%が病院出産となった現在では出産以外で助産師がサポートしていた部分が取り残されてしまっている。眠っているスキルがあるのに救われない命があるという現状を変えるために、助産師のポテンシャルを社会に出してライフラインとなり社会課題を解決したいという思いから、助産師ネットワークを作り、企業向けに社員の健康、妊娠出産、メンタルをサポートするプログラム「The CARE」を開始。助産師はかつて地域のお母ちゃん的存在でした。会社にそんなお母ちゃんがいれば孤独も解消されるし、困った時にSOSを出せる。「働く」と「生きる」がイコールの時代、企業が拡大家族として機能し、温かさや寄り添いを提供できれば、日本がすごくよくなるだろうと思っています。

経営業と並行して病院での助産師勤務も

助産師のリスキリングや性教育ゲームも開発

\ウェルビーイングな起業を目指す人へのアドバイス/
「何をやりたいかよりなぜやりたいのか?という想いを発信して」
「〝何をやりたいか〟よりも〝なぜやりたいか〟という想いの原点を自問し、臆せず勇気を持って発信することで仲間も集まるし、周りの力で事業もより磨かれます」

\ウェルビーイングな仕事の魅力は?/
「人の命を救っていると実感ができる瞬間があること」
「手にとるように人の命を救っているという実感できる瞬間があること。自分たちが関わることでその人の人生がよくなっていると思えた時も、すごくやりがいを感じます」

撮影/渡邉力斗 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc

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最新号 202405月号

3月28日発売/
表紙モデル:山本美月

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