「承認欲求」=マイナスなイメージがあるかもしれませんが、自分や相手の「認められたい」気持ちをきちんと理解して上手に付き合えば、コミュニケーションを円滑にしてくれる側面も。SNS全盛のいま、切っても切り離せない「承認欲求」のトリセツをお届けします。
SNSや仕事でのこのモヤモヤ…「承認欲求」のせいですか!?
「承認欲求」とは…【自己承認】+【他者承認】この2つを求める欲求です
「承認欲求」が強くなる理由は?
最も認めてほしい存在である自分が自分を認めてあげないと強い欲求不満状態に。この欲求不満を解消するために自分以外の人=他者からの承認欲求が強くなります。他者から認められる機会が十分ある人はそれほど他者承認を必要としませんが、認められた経験が少ない人はより承認欲求が強まります。他者から認められ承認欲求が満たされると快の刺激をもたらすため、また味わいたい、もっと強い刺激を味わいたいと承認欲求が強くなることも。SNSは〝いいね〟で承認が手軽に得られますが、過度に快の刺激を求めて中毒的になる点に注意を。
〈承認欲求が強くなる理由〉
❶自分が自分を認めてないから
❷認められた経験が少ないから
❸認められる快感に溺れているから
「承認欲求」ってゼロのほうがいいの?
承認欲求はネガティブな面だけではなく、人生に彩りを与える側面も。承認欲求がゼロだったら、褒められても認められても嬉しくない、ということになってしまいます。また「人からどう思われようがまったく気にしない」人はどんな行動を起こすかわからない場合もあるため、承認欲求が健全な社会生活を送る上での制御機能を果たしているという側面も
SNSでの「承認欲求」との上手な付き合い方が知りたい!
「承認欲求」との付き合い方、福田萌子さんはどうしてますか?
「私は私」と思えるようになったら承認欲求から自由になれた
承認欲求に左右されず「私は私」と思えるようになったのは30代になってから。10代、20代の頃はモデルの仕事の現場でも「いい子と思われたい」という気持ちと自分の意見との葛藤がありました。たとえば「どっちがいい?」と聞かれて自分の意見を伝えると「自我がすごい」「わがままだ」と言われてしまったり。今度は「どっちでもいいです」と答えると「自分の意見がない」と言われたり…。何が正解なのかわからず相手の顔色を窺ってニコニコしたり、自分らしさがまったくなかった時もありました。
そんな私が他者からの承認欲求から自由になれたのは、自分で自分を「認め」「把握する」ことで、他者に承認してもらう必要がなくなったから。「自分を認められる」ようになったのは「事実の積み重ね」のお陰です。たとえば仕事なら、入社1年目では「この仕事に向いているのか」「必要とされる存在なのか」ということがわかるにはあまりに事実も経験も少なすぎます。でも3年も経てば、事実が増えてきて「私の立ち位置はこのあたりだな」「ここまでできるようになった」と自分がわかってきますよね?「事実の積み重ね」は仕事だけでなく、趣味や習い事、日々のルーティンでもいいんです。積み重ねながら「なぜこれをしているんだろう?」と自分のしていることに向き合って、自分の選択一つ一つに「好きだから」「私がこうありたいから」と意味を持たせてあげる。そうしていくことで私らしさやこだわりが見えてきて、「私は私」と言える自分になっていく。パンケーキ作り一つをとっても、向き合えばミルクや粉の量、混ぜる回数…いくらでもこだわって極めていけますよね?何かを自分なりに楽しんで積み上げていくと、そこに対して自信が生まれ自分を承認できるようになります。「自分を把握する」ために自分にインタビューもしました。「どんな時に幸せを感じる?」「健康のために気をつけていることは?」など。「私、最近いつ幸せを感じたかな?」と掘り下げてみることで自分の幸せの形だったり、自分の求める理想や自分らしさがだんだんわかってくると、自分で自分を満たせるようになっていきました。
イラスト/つぼゆり 撮影/木村 敦 ヘアメーク/手塚裕美 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc