CLASSY.世代の女性や、CLASSY.Couplesの間でも「いつかは海外移住をしてみたい!」という人が増えているようです。働き方が多様化した今、想像していたより近い未来に実現できる人もいるかもしれません。移住経験者のリアルなお話と移住にまつわる基礎知識をご紹介します。
1.「日本→海外移住」の大まかな傾向は?
グローバル化で海外との行き来が活発になったことで、世代を問わず海外移住を志向する人が増えました。さらにコロナ禍でDX(デジタルトランスフォーメーション)が一気に進み、職業によっては住む場所に縛られなくなったことも若い世代の海外移住志向を後押し。今、海外移住者は過去最高との報道もあり、今後も増えていくと考えられています。
「海外移住」の前に押さえておきたいポイント!
・コロナ禍でDX化が加速し海外移住志向もUP
・移住者の数だけで見ると多いのはアメリカ・中国・オーストラリア
・アジアは20年来の物価高傾向ながら欧米に比べればコスパ◎
2.海外移住を考えた時、どれくらいの資金が必要?
単身の移住で準備資金500万円以下の場合は比較的物価が低いアジア(シンガポールを除く)やカナダの一部などに移住先が限られます。シンガポールやニューヨークなど物価が高い都市は初期費用として600万~1000万円程度が最低でも必要に。
ワーキングホリデーは預金残高証明書が必要で、最低残高はオーストラリアが約50万円以上、カナダが約25万円以上となっています。それに加えて当面の生活費としてその倍の額と航空券の料金も計算に入れておきましょう。
「海外移住」の前に押さえておきたいポイント!
・場所にもよるが500万~1000万円程度
・ワーホリを適用する場合も残高証明書が必要
3.本格的に移住する前にまずは「お試し移住」を
観光ビザもしくはノービザの範囲内(国によるが概ね3カ月未満)で長期滞在をする「お試し移住」の経験は必須です。為替や物価、言語や宗教、医療制度などをよく知ったうえで移住を決めましょう。お試し移住時に現地の銀行口座を開設したり不動産相場や物価、現地の文化を知ることができるなどメリットは絶大。
「海外移住」の前に押さえておきたいポイント!
・本当に移住可能か短期移住で試すのが確実
・治安・物価・医療・就労・教育環境などをチェック
4.海外で仕事をするには?
30歳以下ならワーキングホリデー制度の活用がお勧め。30歳以上でもカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどは語学学校からカレッジへ進み、修了証があれば仕事探しが可能になり、学生ビザの場合もアルバイトができます。Afterコロナの今、ホテルや航空会社など観光産業は世界的に人手不足のため、日本でオンライン面接を受け、海外に着任する人も増えています。他の業種でも現地の日系企業などで職を見つけ、推薦状をもらい就労ビザを取得するというパターンも。
「海外移住」の前に押さえておきたいポイント!
・30歳以下ならワーキングホリデーがお勧め
・Afterコロナによる需要増で観光産業は狙い目
・グローバル企業の駐在員はTOEIC750点が基準
5.年金・税金・医療保険はどうなる?
国民年金は海外に居住する日本人も任意加入でき、海外で日本の年金を受け取ることも可能です。
税金は海外で就労した場合の納税義務は現地に生じますが、海外在住でも日本での所得があったり、不動産などを所有している場合は日本でも課税されるため、確定申告が必要。
医療保険は現地の会社の健康保険がない場合は私費で保険に加入して自衛しましょう。
「海外移住」の前に押さえておきたいポイント!
・年金加入は就労者のみ。5年以内は免除、日本と合算できる国も
・海外在住でも日本の年金に加入・受け取りが可能
・移住先で就労する場合は現地で納税義務が発生
・日本にも所得または不動産などがある場合は課税される
・医療保険は現地の会社の保険または私費の保険で自衛
6.「海外移住」に向いているのはどんな人?
健康な人、独立心が強い人が海外移住向きと言えるでしょう。海外の医療費は高額なうえ医療通訳がいる国際病院も数が限られるので、健康であることが大切な要素に。移住受け入れ側として、どの国も自国民の医療体制を脅かすことのない健康な人を受け入れることを基本としているため、一般的にビザの取得時には健康診断が課せられます。精神面では独立心が強く、生き残るためのサバイバルな気持ちを持っている人のほうが異国での暮らしに向いています。誰かに頼りたいタイプの人は、知り合いの少ない土地で孤独を感じて鬱々としてしまうケースも。
イラスト/green K 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc