【30代の悩み】「自信はないけれど、昇進の打診は受けたほうがいい?」働き方のプロの回答は…

編集部では毎月、〝読者調査=略して読調〟としてCLASSY.世代の女性にお話を伺っています。まずはファッション中心にお話を聞くのですが、いつも行きつくのがキャリアのお悩み。転職する?昇進は?結婚出産のタイミングは?…そんなリアルなお悩みを先生にぶつけてみました。

【お悩み】正直自信はないけれど、昇進の打診を受けたほうがいい?

新卒で広告関連企業に入社し、20代は寝る間を惜しんでがむしゃらに働きました。そして34歳になった今、新規事業の責任者としてのポジションを打診されています。これまでのプレイヤー視点だけでなく、管理力やマネジメント力など、新たなスキルが求められると思います。もちろん役職は素直に嬉しいですが、出世するとプレイヤーのときより年収が減る可能性もあります。仕事は好きですが、これ以上忙しくなって、やっていけるのか不安もあります。社内には出世している女性もいますが、ロールモデルになるかというと、そうでもありません。自信がないまま、昇進を受けるべきでしょうか?女性が出世する上で意識すべきことは、どんなことでしょうか?(34歳・広告関連勤務)

【山田 聖子先生がお答え】チャンスは何度もこないかも!?

【30代の悩み】「自信はないけれど、昇進の打診は受けたほうがいい?」働き方のプロの回答は…

昇進は、役割が変わるだけのこと

プレイヤーから管理職になると、当然、役割も仕事内容も変わります。たとえて言うなら、営業から人事に異動するようなもの。管理職となると「もっと仕事が大変になる…」と思いがちですが、人を育てたり人に任せたりして、戦略戦術を考える立場になり、部署異動同様に役割が変わるだけ。重く受け止めすぎないで、「部署異動の打診がきたんだな」くらいの気持ちで捉えるといいと思います。

“世間の当たり前”に合わせなくてもいい

管理職への昇進を迷う要因のひとつに、知らないことに対する恐れや不安もあると思うんです。自転車を例に挙げると、最初に補助輪を外すときは怖いですよね。でも乗れてしまえばなんてことはない。キャリアも同じで、苦しいのはプレイヤーから管理職のように役割が変わり、移行するトランジション期だけです。でもプレイヤーマインドのまま管理職の仕事をするとやはり上手くいかなくて、目線やスタンスの切り替えが不可欠。最初は苦しいけれど、トランジション期を乗り越え、自分の得意分野や強みが活かせると認識できると、働きやすくなるし、やりがいも持てるはずです。

トランジション期で大事なのは基礎をきちんと学ぶこと。まず、プレイヤーと管理職の基礎は違うことを理解して、学び、習慣化することが求められます。プレイヤーは自分で自分の成果を出すことが最大のタスクですが、管理職は人に任せて成果を出すという在り方が基本。人に任せるとなると、今まで以上にメンバーのことを知らなくてはいけません。“マネジメント=人間を知ること”。メンバーをよく見て、彼らの願いも知り、それを整えて目標を発信する。普段の会話や行動、周囲との関係性の作り方などから、メンバーひとりひとりが何を大事にして、どこを目指しているのかを見極めることが重要です。

そうして人に任せることができるようになると、実はとても働きやすくなります。例えば、子どもが急に熱を出してお迎えに行かないと、という状況になったとき、プレイヤーの立場だと周りにお伺いを立てなきゃいけない。ですが、管理職で自ら意思決定ができる立場であれば、急な出来事も自分でコントロールし対応できます。管理職は大変な挑戦に思えるでしょうが、きちんと基礎を学んで習慣化できれば、トランジション期は3カ月~半年で抜けられます。仕事もプライベートも自分でコントロールできる幅が広がるので、自由度も上がるし、精神的な負担も減ると思います。

教えてくれたのは…

山田聖子/1984年生まれ。管

山田聖子/1984年生まれ。管理職カウンセラー・コーチ。大妻女子大学在学中に経験したアップルの販売アルバイトをきっかけに、新卒でアップルジャパンに入社。その後ソフトバンク、リクルートへ転職。2020年に人材事業を展開するHitoiroを設立。管理職の社外メンターサービス「Good Team」運営。

女性のキャリアに興味を持ちキャリアカウンセリングを学び始めた30代
アップルジャパンの後、リクルートでゼクシィに携わり、女性のキャリアに興味を抱き、コーチング、キャリアカウンセラー、心理カウンセラーの資格を取得。

撮影/杉本大希 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc

Feature

Magazine

最新号 202406月号

4月26日発売/
表紙モデル:山本美月

Pickup