「男女の間ではよくあること」で片付けられがちなパートナー間でのモヤモヤが、じつはDVだったとしたら…?DV当事者のカウンセリングに取り組む信田さよ子さん、作品を通してDV問題にアプローチする瀧波ユカリさんにお話を聞きました。
隠れDV被害者になっていませんか?
無視される、バカにされる、結婚の話をしたがらない…
\DVが発生している関係を変えるには?/
別れたほうが早い。でもすぐに別れられない理由があるなら…
【信田さんのアドバイス】
1.自分と相手以外にもうひとり話ができる人を作る
大事なのは相談できる第三者をもつこと。こっそり話を聞いてもらって彼に秘密を作りましょう。相手のことをすべて把握して束縛しようとするDV加害者の思い通りにならないことです。
2.彼と付き合う前の自分を忘れない
彼と知り合う前の自分はどんな自分でしたか?DVが続くと元気も自信も失ってしまいます。帰るべき自分を持つこと。夢もあり、将来に希望を持っていたときのあなたを絶対に忘れないで。
3.選ぶのはあなた。〝彼は私の基準に合うか〟という視点を持つ
彼の基準で「選ばれたから」のではなく「選ぶのは私」と思うことが大事。「彼が私の基準に合うか合わないかは私が決める」という気持ちで結婚相手を選ぶようにしてほしいですね。
【瀧波さんのアドバイス】
1.勇気を出して彼に言い返してみる
言われっぱなしではDVを助長させるだけ。勇気を出して少し言い返すだけでも相手は「あれ?」と調子が狂います。「怒らせたらヤバいな」と思わせるくらいの自分になるつもりで。
2.ひとりでも生きていると思える自分に自分を育てる
「この人と結婚できなかったら私はどうなっちゃうんだろう」という自分より「私は全然ひとりで生けていける」と思える自分を育てることが、DVをはねつける第一歩になると思います。
3.対話を重ねる。対話ができない関係=再構築できる未来はない
何も言わなくてもうまくいく理想の王子様はいません。結婚も恋愛も、言いたいことを言わない側がどんどん劣勢になっていくもの。自分の意見を伝えて対話できる関係を構築して。
教えてくれたのは...
公認心理士・信田さよ子さん
臨床心理士としてDV、アダルトチルドレン、虐待、親子問題にカウンセリングや著作を通して取り組む。DV加害者プログラムや被害者の支援に携わり、DV加害者と被害者両方に関する知見も深い。
漫画家・瀧波ユカリさん
ドラマ化もされた人気作『臨死!!江古田ちゃん』『モトカレマニア』をはじめ、著作多数。「このマンガがすごい!2023」にランクインした『わたしたちは無痛恋愛がしたい』でも男女のDV問題に斬り込んでいる。
イラスト/Erika Skelton 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc
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