明日海りおさんインタビュー|退団後はウェルビーイングなライフスタイルに

宝塚を退団後、さらに活躍の幅を広げている明日海りおさん。10月には待望の主演舞台『マドモアゼル・モーツァルト』が上演されます。前回のインタビューでじっくりお話を伺ったこの舞台の見所に続き、今回は明日海さんのウェルビーイングなライフスタイルについてお話をお聞きしました。

――ストイックだった宝塚時代に

――ストイックだった宝塚時代に比べ、今はゆったりとしたウェルビーイングなライフスタイルを送っていらっしゃる印象です。意識が変わったきっかけは?

自粛期間が明けてしばらくして、舞台とドラマのお仕事が掛け持ちで入ったんです。ガッとスケジュールが詰まって、宝塚時代よりも忙しい毎日をどうにかこなしていていました。それが落ち着いたら、ちょっとずつ時間が生まれて。休める時は休んでもいいのかもって、初めて思いました()。今までは“休んではいけない、すき間があったら何か入れなければいけない”という感じで、スケジュールがびっちり詰まっているほうが安心していられたんです。でも、やはり詰めている感が表情や身体つきにも出てしまって。舞台だといいんですが、画面で観るとその感じがキリッとし過ぎているというか、なんというか…。もう少しふんわりとした雰囲気をまとうためには休める時には休む、切り替えのある生活が大事なんだなって考えるようになりました。
食事も厳しく制限すると、コロナ禍の中で楽しみがどんどん減ってしまいます。なので最低限の決まりとして炭水化物ばかりにしない、脂だらけにしないなどは守りますが、頑張ってたくさん動いた日には好きなものをたっぷり食べて、足りない分は野菜をちょっとプラス!みたいな、楽にできる範囲でやっています。きっちりと規則正しい食生活もいいですが、それよりも楽しい食生活で気持ちが穏やかなほうが素敵でいられるんじゃないかなって思うようになりました

――表情が変わったと言われます

――表情が変わったと言われますか?

表情は、宝塚の後輩に会うと皆に『全然違う!』って言われます。目の鋭さとか眉間の感じとか、優しげに見えるらしいです。加齢による変化じゃないといいんですが()

――身体つきはどうですか?

「退団したての時は、取材などの体を動かさないお仕事の前は、絶対にトレーニングを入れなければいけないと思っていました。朝何時起きでもいいから一汗かいてからでないと気が済まなかったんです。仕事が思っていたより早めに終わったら、夜にレッスンを予約。そうするとスキルは上がるんですけど、げっそりしちゃうんですよね。クマもできちゃうし。ドラマの撮影が忙しくてトレーニングやレッスンができなくなったら身体のラインが優しくなって、『そのほうがいいね』と言ってもらえました。
でも実は最近、“もう少し動きたいよ!”という身体の声が聞こえてきて()。前ほどストイックではないですが、ちょっと汗をかくくらいの運動はしています。汗をかいて代謝を良くしたほうが肌の調子もいいんです。少し食べすぎたなという時は動けばいいし、鍛えすぎたなという時は休めばいい。その時の自分に合ったペースでいることで、身体だけでなく心のコンティションも整うみたい。 だから、“○○しなければならない”という考え方はやめました!」

――美容や健康のために、昔はや

――美容や健康のために、昔はやっていたけれど最近やめたことはありますか? 逆に、最近始めたことは?

今までは“お化粧しなきゃ”という気持ちでやっていたんですが、今はお化粧を楽しむようにしています! 普段の生活の中で自分の気分が上がるときって何だろう?と考えて思いついたのが、ベースメークがうまくいった時だったんです。メークアップベース、ファンデーション、仕上げのパウダーの相性や使い方で肌の見え方が全然違ってきますよね。思い描いたとおりの肌に仕上がった時は自分に自信が持てるんです。マスクして見えないかもしれないけど、“今日の肌、調子いいです!”って()。自己満足ですがテンションが上がります。コロナ禍でお化粧品があまり減らないけれど、新しいアイテムにも挑戦していきたいです。投資したぶん、自信やワクワクしたハッピーな気持ちに繋がると思うから」

――頑張らない日でも、絶対にこれだけはやるということは?

絶対にこれだけはやる………。美容や健康と関係なさそうですが、猫のお世話ですかね。私が忙しいことは猫には関係ないじゃないですか。私の勝手でお世話をおろそかにしてしまうのは可哀想なので。ブラッシングしたり、ちょっと運動させたりしています。猫にはいつも癒されているので、お世話することが私の心のバランスを保つことに繋がっていると思います! あとは“今日はもうだめだー!”という日は、やらないといけないことをまた明日、とかにします。おすすめできることではありませんが、家事を明日やりやすいところの一歩手前、で諦めるんです。ストイックにこなして眉間にシワが入るよりはいい!、って自分を甘やかしています()
最近思うんですけど、頑張りすぎないって大事ですよね。頑張りたいっていう気持ちの時は、その気持ちのままにいくらでもやれるんですけど。無理かもと思う時は気持ちが乗ってないわけだから、頑張りすぎないほうがいいと思います。1年後くらいに“あの時の自分ー!”ってなるかもしれませんけど()。でもこの歳になると、自分が良くないほうに向かっているのって、なんとなく気づくじゃないですか。だから、その時々で修正しながら進んで行けば、それが正解なんだと思います」

明日海さんの魅力的なオーラは、無理に頑張り過ぎないで自分に優しくすることで作られているのかもしれないですね。次回は明日海さんの美容や健康への意識について、詳しくお聞きします!

明日海りお

85626日生まれ。’03年宝塚歌劇団に89期として入団。‘14年花組トップスターに就任。タカラジェンヌとしては初となる横浜アリーナでコンサートを開催するなど活躍し、’19年に退団。大劇場主演数は史上最多となる。退団後はNHK連続テレビ小説『おちょやん』などのドラマに出演。冠番組・Huluオリジナル『明日海りおのアトリエ』も好評配信中。

『マドモアゼル・モーツァルト』

「モーツァルトが実は女性だった」というフィクションを描いたミュージカル。‘91年に初演され、モーツァルトの楽曲が使用されていることはもとより、小室哲哉が音楽を担当していることでも話題を呼ぶ。初演から30年がたち本年、宝塚元トップスターの明日海りおにより新たな『マドモアゼル・モーツァルト』が誕生。●1010日~1031日 東京建物ブリリアホール 作品公式HP

撮影/神戸健太郎 ヘアメーク/山下景子(コール) スタイリング/大沼こずえeleven.) 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)
グリーンブラウス¥69,300(ヌメロ ヴェントゥーノ/イザ☏0120-135-015)イヤーカフ¥18,000(ブランイリス/ブランイリスジャポン☏︎078-241-0101

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