「迚も」=おきも?意外と漢字は知らない!日常でよく使うのに読めない言葉4選

「其れから(それから)」「偶に(たまに)」など、日常で何気なく使っている言葉にも、漢字が存在する場合が多くあります。普段はひらがなで表記されることが多いので、漢字そのものを知らない人も多いでしょう。今回は、そんな意外と漢字を知られていない“日常で使う言葉”をご紹介します。ぜひ、いくつ読めるか試してみてくださいね。

1.「心算」

「心算」
出典: Valery Evlakhov/Shutterstock

「心」の中で見積もった計「算」と書いて「心算」。「心算」とは、漢字のとおり「心の中の考え・計画」を意味する言葉です。「心算」は「しんさん」や「しんざん」とも読みますが、それとは別に、ひらがな3文字での読み方もあります。
ひらがな3文字の読み方をする場合、「そんな心算じゃなかった」「私はデートの心算だった」などの使われ方をしますよ。もう分かった人もいるかもしれませんね。
「心算」は、「しんさん」「しんざん」以外に……

 

つもり」とも読みます。
「前もって考えていること」を意味する「つもり」も、漢字表記では「心算」と書きますよ。

2.「酒精」

酒精
出典: Parilov/Shutterstock

「さけかす」などと読んでしまう人も多い「酒精」。「酒」という漢字が入っているとおり、お酒に関する言葉です。「酒精」は「しゅせい」と読むのも正しいのですが、ここではもう1つの読み方を考えてみましょう。
「酒精」とは、いわゆるお酒の主成分のことで、つまり「○○○○○」のことを指します。この「○○○○○」が、「酒精」のもう1つの読み方ですよ。もうお分かりでしょうか?
「酒精」のもう1つの読み方は……

 

アルコール」です。
「アルコール」とは、炭化水素の水素を、水酸基で置き換えた化合物の総称のこと。狭義では、エチルアルコールのことを指しますが、酒の俗称として使われることも多いです。後者の方がなじみ深い人も多いですよね。

3.「坩堝」

坩堝
出典: nd3000/Shutterstock

「熱狂の坩堝」などと言うように、「坩堝」とは興奮の場を表
す言葉です。よく、ライブやイベント会場の様子を表す時などに「場内は興奮の坩堝と化した」といったふうに使われます。
ちなみに「坩堝」とは元々容器のことで、具体的には物を溶かしたり、高温で熱したりする金属の器のことを言いますよ。
つい「かんか」と読んでしまいがちですが、「坩堝」の正しい読み方は……

 

るつぼ」です。
「坩堝」は普段、ひらがなで表記されることがほとんどのため、「漢字表記は初めて見た」という人もいるかもしれませんね。

4.「迚も」

迚も
出典: Samo Trebizan/Shutterstock

「沖」という漢字とよく似ているため、「おきも」と読み間違えられてしまうことが多い「迚」。しかし「沖」と「迚」ではまったく意味が異なります。「沖」は「海や湖から遠く離れた場所」「迚も」には「どうしても」「とうてい」といった意味がありますよ。
「迚も」は、たとえば「迚も無茶な頼みだ」「迚もほしいものがある」などと、日常的に使われています。この例文から、何となく読み方の予想がついた人もいるかもしれませんね。
そんな「迚も」の正しい読み方は……

 

とても」です。
今回のように「迚も」と書いて「とても」と読むケースもありますが、「迚」一文字でも「とても」と読むことができますよ。

 

今回ご紹介したものもそうですが、よく知っている言葉でも、漢字になるとまた違った印象になります。あまり知られていない漢字だからこそ、読み方までちゃんと知っている人は数少ないでしょう。
だからこそ、スラスラ読めたら賢い印象を与えられるかもしれません。もし今回読めなかった漢字があれば、ぜひ正しい読み方を覚えておくと良いでしょう。

参考文献
根本 浩『エッ、この漢字、みんなそう読むのに、どこが間違い?』主婦の友社

文/大内千明 画像/Shutterstock(Valery Evlakhov、Parilov、nd3000、Samo Trebizan)

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