簡単そうに見えて読み方が珍しい漢字は、意外と少なくありません。「素直にそのまま読んだら間違えてしまった……」という経験を持っている人もいるはず。
すでに読み方を知っている漢字や、普段から見慣れている漢字だと、つい「こう読むのだろう」と思い込んで読み間違えてしまう……なんてことも。
そこで今回は、そのまま読んでしまうとNGな“変わった読み方をする漢字”をご紹介します。
1.「身形」
「身形」をそのまま「みけい」「しんけい」と読むのは誤りです。「身形」とは「体の恰好」、また「衣服を着た格好」を意味します。
よく「身形を整える」「きちんとした身形」などといったように用いられる言葉で、きっとあなたも一度は耳にしたことがあるはず。
そんな「身形」の正しい読み方は……
「みなり」です。
「身形」以外にも、「形」を「なり」と読む言葉として、たとえば「形振り(なりふり)」「弓形(ゆみなり)」といった言葉があります。
2.「天辺」
「一番上」や「いただき」、「頂上」のことを「天辺」と言います。
「天辺」は「富士山の天辺」といったように高さを表す場合に用いられるほか、「天辺を回った」「天辺を越える」など、時刻を表す時にも用いられます。
思わず「てんぺん」「てんへん」などと読んでしまいがちですが、正しくは……
「てっぺん」と読みます。
元々は、兜の鉢の頂上を「てへん(天辺)」と言っていたのが“てへん→てっぺん”と変化して、現在の読み方になったそうですよ。
3.「蓮葉」
「蓮葉な女」などのように、「蓮葉な○○」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「蓮葉」とは「下品で軽薄なさま」を表す言葉です。元々は「はすは」と読まれていましたが、現在では促音化(読み方が「っ」に変わる言葉)された読み方が広まっています。
では、そんな「はすは」が促音化された読み方とは……?
「はすっぱ」です。
元々「蓮の葉が軽く水をはじく様子」から、浮ついた感じを「蓮葉」と読むようになったそうですよ。
4.「鈍色」
つい「にぶいろ」「どんしょく」などと読んでしまいがちな「鈍色」。「鈍色」とは「濃いねずみ色」を意味する言葉です。
確かに「にぶいろ」と読まれることもあるのですが、「にぶいろ」以外にもう一つの読み方があるのをご存じでしょうか。
正しくは……
「にびいろ」と読みます。
ちなみに「鈍色」は、「鈍(にび)」と省略されることもありますよ。
「身なり」「てっぺん」など、今回ご紹介した言葉は、ひらがな、あるいはひらがなまじりで表記されることが多いものばかり。そのため、漢字表記を正しく読める人は、そう多くないでしょう。
だからこそ、正しい読み方を知っていれば、それだけで知的な印象を与えられるはず。ぜひこの機会に、正しい読み方と、できれば言葉の意味も併せて覚えておくと良いでしょう。
参考文献
加納喜光『読めそうで読めない漢字Q&A―もう間違わない!実例集 』講談社
文/大内千明 画像/Shutterstock(Syda Productions、Duet PandG、Kaspars Grinvalds、rsooll)
Magazine
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