過去に習ったことがあり、すでに読み方を知っている漢字でも、変わった読み方をするものがあります。漢字自体は簡単でも、珍しい読み方のほうは知らない人が多いでしょう。
この記事では、そんな“変わった読み方をする言葉”をご紹介。中でも、特に読み間違いやすいものをピックアップしてみました。
1.「寿ぐ」
よく、結婚式の挨拶などで使われる「寿ぐ」。言葉として耳にしたことはあっても、漢字表記を見る機会は少ないかもしれません。
「寿ぐ」には「言葉で祝う」「お祝いを述べる」、「喜びを言う」といった意味があります。たとえば「新年を寿ぐ」といったように使われる言葉です。
そんな「寿ぐ」の正しい読み方は……
「ことほぐ」です。
また、「言祝ぐ」と書いても「ことほぐ」と読みますよ。
2.「困ずる」
「困ずる」とは読んで字のごとく、「困る」「困って悩む」「困って苦しむ」といった意味の言葉です。たとえば「手段に困ずる」といったように用いられます。
ヒントは、「困じる」と同じ読み方です。「こんずる」ではありませんよ。
正しくは……
「こうずる」です。
ちなみに「こうずる」と読む漢字はほかにも「講ずる(講義をすること)」「高ずる(程度がひどくなる)」などがあります。
3.「肯う」
「向こうの言い分を肯う」など、「肯定する」や「承知する」ことを「肯う」と言います。「肯定する」のやや古風な言い回しで、古い時代の小説などで目にすることがあるでしょう。
また、「肯う」には同じ意味で二つの読み方があり、一つは「うべなう」です。今回は「肯う(うべなう)」とは別の、もう一つの読み方にチャレンジしてみましょう。
そんな「肯う」のもう一つの読み方は……
「うけがう」です。
ちなみに「うべなう」と読む場合、同じ意味で「宜う」、あるいは「諾う」と表記されることもあります。
4.「殿」
そのまま思わず「との」や「でん」などと読んでしまいがちな「殿」。もちろん「との」や「でん」も間違いではありませんが、今回は「軍や部隊の最後尾」や「隊列や順番などの最後」という意味での「殿」の読み方にチャレンジしてみましょう。
「殿」は、日常会話で見聞きすることはあまりないかもしれません。「殿に控える」など、小説や競馬中継などで使われることがありますよ。
そんな「殿」の正しい読み方は……
「しんがり」です。
ちなみに、「部隊の先頭を切って進むもの」のことは「先鋒(せんぽう)」と言いますよ。
変わった読み方をする言葉、あなたは正しく読めたでしょうか? 普段の会話などではあまり使われないような言葉もあり、やや難しかったかもしれませんね。
しかし、難しいからこそ読める人も少ないもの。こうした言葉を正しく読めれば、周囲に知的な印象を与えられることでしょう。読めるようになっておいて損はありませんよ。
参考文献
田中春泥『読めるようで、なぜか読めない漢字』PHP研究所
文/大内千明 画像/Shutterstock(Rido、Sam Wordley、Cookie Studio、wavebreakmedia)
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