都心の住宅価格が高騰する今、同じ予算でも県境を越えるだけで選択肢が広がります。自治体でどんな支援を受けられるかも、みんなが事前に細かくチェックしているポイントでした。都内と3県のメリット・デメリットを徹底検証します!
【都内】買物の利便性を譲った!
手厚い行政支援と通勤時間が
子育ての安心材料に
最初に照準を合わせたのは“都外の新築”。単独ローンのため、現実的なラインでエリアを絞って探し始めました。そこで出会ったのが、埼玉のブランドマンション。間取りは理想的で、マンション直結の商業施設付き。近所には大型ショッピングモールもあり、条件だけ見ればほぼ満点。モデルルーム見学後、即決するほどとんとん拍子でした。…が、ここで思わぬ急展開。少し時間を空けて夜に駅周辺を歩いてみると、大人向けのお店も多く、昼間とは街の印象がかなり違ったんです。「自分が住みたい街とイメージが違うかも…」と、それまでの前向きな空気が一気にトーンダウン。悩んだ末、キャンセルを決断しました。
まさかの振り出しに戻った家探し。一度リセットして本音と向き合うと、見えてきたのは「本当は都内に住みたい」という気持ちでした。とはいえ予算と広さは譲れず、辿り着いたのが足立区の中古マンション。もともと馴染みがあまりなく候補から外していたのですが、行政がイメージや治安改善に力を入れていることが分かり、一気に現実的な候補に。実際に足を運んでみると、想像以上に繁華街からは距離がある。だけどその分、穏やかな空気が流れる街でした。商業施設の充実度は下がりましたが、通勤しやすいし、友人とも気軽に会える。私の実家のサポートも受けやすく保育料無償化など東京ならではの子育て支援(※)の充実度を考えると、今は街の利便性を多少妥協してでも、都内に足場をおいて正解だったと確信しています。
M・Fさん(31歳・人材関連)
Tさん(31歳・IT関連)と2022年に結婚
2024年に築7年の中古マンションを購入
【エリア】東京都足立区
【間取り・広さ】3LDK・70㎡
【購入金額】4,300万円
【自己資金】なし
【探した期間・内見数】6カ月で5件
※:東京都は2025年9月より第1子から保育料を無償化。さらに18歳以下の子供に月5,000円を支給する「018サポート」、高校授業料の実質無償化や学校給食の無償化など、都独自の子育て支援策が多く、特に生活圏が近い東京・神奈川間では「多摩川格差」というワードが話題に。一方で、都内は物価や住居費を含む生活コストが高く、近隣県でも市独自の子育て補償が始まるなど、単純に比較しにくい一面も。
【3県】都心へのアクセスを譲った!
埼玉だから叶った
「4,500万円以下の新築3LDK」
結婚を機に住み始めたのは、池袋の1LDKの賃貸。立地こそよかったものの、正直かなり背伸びした家賃で毎月ひやひや…。これは一度住まいを見直そう、となりました。私たちの絶対条件は「新築」と「3LDK」。まっさらな状態から住み始めたくて新築一択でしたし、夫婦それぞれの仕事部屋をしっかり整えたいという思いがありました。予算は、月々の支払いが当時の家賃を下回る4,500万円。都内でこの条件に合う新築を探すのは厳しく、自然と埼玉まで視野を広げることに。最初に見たのは和光市などの東京寄りの人気エリア。でも、安い物件には理由があって…。線路が近く電車の騒音が気になったり、1部屋にカウントしていいのか?というくらい狭かったりと、「こんなんじゃ住めないよ…」と感じる点が多く、悶々とする日々が続いていました。
そんな状態で家探しに疲れ切っていた私に、彼から「もう少しエリアを広げてみない?」と提案が。はじめは利便性を捨てきれずかなり反対したのですが、渋々見に行ってみると“絶対に嫌”と思うポイントが一つもなかったんです。相場的にも割安感があり、住み慣れた池袋にも電車で出られる距離感だったことも最終的に背中を押されました。実際に住んでみると思ったよりのどかな環境でしたが、その分月々の支払いは大きく下がり、子供が生まれた今では身軽なうちに部屋数の多い家に住み替えていてよかったと感じています。
Y・Sさん(31歳・エンタメ関連)
Tさん(34歳・メーカー)と2022年に結婚
2023年に新築マンションを購入
【エリア】埼玉県朝霞市
【間取り・広さ】3LDK・54㎡
【購入金額】4,500万円
【自己資金】20万円(親援助なし)
【探した期間・内見数】6カ月で5件
イラスト/雑賀建郎 取材/下田真里衣 編集/越知恭子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年5月号『「家買うCLASSY.夫婦」リアル奮闘記』より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。
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