emmaさん(30) 「モデルだってフラれるし、悩みや葛藤だらけです」

モデルであり経営者として、絶大なる支持を集めるemmaさん。今回、30代の一人の女性としての等身大のemmaさんの魅力と、フォロワー約95万人のInstagramでも披露されているセンスのヒントをちりばめた2冊目の著書『HERE I AM』が出版されました。同世代の私たちも参考にしたくなる仕事に対する想いや、今まで話してこなかったご自身の心の内を語っていただきました。

 

プロフィール

1994年生まれ。北海道出身。2012年雑誌「装苑」の表紙を飾りプロモデルとしてデビュー。「ViVi」専属モデル、TBS「A-Studio」9代目MCアシスタントを経て、 数々の雑誌のカバー、ファッションショー、ドラマ、映画に出演。アパレルブランド「ER」を立ち上げ、ディレクター業もこなし、多方面で活躍中。

モデルだってフラれる。赤裸々に、等身大の自分を語りました

――2冊目の著書となるセンスブック『HERE I AM』は、どのような想いを込めて作られましたか?

今まで、恋愛の話や自分のパーソナルなことを話す機会って、ほとんどなかったんです。でも、この書籍を制作するとなったとき、自分が30歳を迎えたこともあって、今回のセンスブックでは、赤裸々に、等身大の自分を見せたいと思いました。話すのには勇気もいりましたし、「ここまで話して大丈夫かな?」と思うくらい、正直に語っています。

モデルって、“キラキラしていて恵まれている存在”って印象もあるかもしれませんが、モデルだってもちろんフラれることもあるし、好きな人に振り向いてもらえないこともあるし、恋愛で悩むことだって普通にあります。だからこそ、同じように悩んでいる方の背中を、少しでも押せたら嬉しいなと思っています。

同世代の方だったり、手に取ってくださった方にとって、何かのきっかけになるような本になればいいなという想いで作りました。

良い作品を作るための苦労は苦だと感じない。憧れのフォトグラファーとの撮影も叶った

――センスブックはemmaさんがトータルプロデュースされたそうですね。

もともとクリエイティブなこともすごく好きなんです。「良いものを作るための苦労」って、私にとっては全然苦じゃなくて、むしろ楽しみながらやれちゃいました。

本作りのプロセスの中で特に印象に残っているのは、フォトグラファーのホン・ジャンヒョンさんとタッグを組んで、表紙とファッションシューティングを韓国で撮影したこと。以前からホンさんの作品がすごく好きでInstagramをフォローしていて、「いつか一緒にお仕事したいな」とずっと思っていたんです。だから今回、自分の本を作るという特別なタイミングで、ぜひ撮ってほしいと思って、オファーをさせていただきました。

ホンさんとの撮影は、本当に夢のような時間でした。私はつたないながら韓国語を少しだけ話せるのですが、あまり言葉は通じなくても、不思議と“阿吽の呼吸”みたいな感じで撮影が進んで。「自分ってこんな表情をするんだ」とか、「こんな姿の自分、見たことない」って思う瞬間がたくさんあって。
モデルとしての新しい自分を引き出してくれた感覚があって、モニターに映る自分が、良い意味で“自分じゃないみたい”で…。まるで彼の魔法にかけられてるような気持ちで、すごく刺激を受けました。

モデルの私と経営者の私は正反対のようでルーツは同じ。

――モデルや女優にだけにとどまらず、ご自身のブランドを起ち上げた経営者でもあります。2つのお仕事は影響しあっていたり、共通する部分があったりしますか?

モデルの仕事って、オファーをいただいて成立する、受け身の仕事だと思うんです。もちろん、オファーをいただけるのは本当にありがたいことだし、素晴らしいスタッフのみなさんの中で、ピースのひとつとして瞬発力で動くのがモデルの役割。

でも、経営者の仕事は全然違っていて。私が動かないと、会社もスタッフも動かないし、すべての決定権が自分にある。ブランドを立ち上げたのは、モデルの仕事はすごく楽しいけれど、ずっと受け身でいることに少し疲れてしまったというか、「こういうこともしてみたい」「こういう表現もしたい」「誰かの、何かのきっかけになれたらいいな」っていう想いが強くなったから。そういう場を、自分でつくりたかったんです。

私のルーツは、ファッション。文化服装学院に通っていた頃から、ファッションを「楽しむこと」と「広めること」が、ずっとやりたかったこと。その信念を持ってモデルの仕事もやってきたし、これからはブランドの経営という、ちょっと違う角度からも、同じ想いに向かっていけたらと思っています。

2つの仕事は相乗効果もあって。モデルの時は知らなかったような、たとえば1回の撮影にかかる費用とか、「写真を選ぶって、こんなに大変なんだ」とか、「雑誌1冊作るのって、こんなに手間がかかるんだ」とか。そういうことも、自分のブランドを通して学ぶことができました。だから今は、モデルとしてもっと高みを目指すという目標と、自分のブランドをもっと多くの人に知ってもらうという目標が、どちらもすごくクリアになりました。

実はすごく真面目。それゆえの葛藤や生きづらさも抱えています

「HERE I AM」より。親友の新木優子さんと。©︎SDP

――センスブックでは、新木優子さんや愛犬と一緒に撮影したナチュラルな笑顔もとても印象的でした。素顔のemmaさんって、どんな人?

私は生まれも育ちも北海道で、いたって普通の生活をしてきて今があるので、本当に等身大の30代の女性だと思います。同じ30代の人たちが悩むようなことを悩みます。

そして、自分で言うのも…なのですが、真面目。真面目が故に「なんでこの人はこういうふうに仕事するんだろう」「なんでこういうふうに行動するんだろう」と思っちゃうことがあったり。筋が通ってないことが苦手な面もあります。

「明るくてポジティブで、楽しそう」みたいに思われるのですが、そういう側面もある一方で、曲がったことが嫌い。たとえば、人にリスペクトがなかったりすることがすごく気になったり。だからこその葛藤や生きづらさも本に綴ったので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

センスブック『HERE I AM』

2,500円(税込) 4月18日(金)発売
©︎SDP

ファッションモデル、経営者として時代を切り拓いてきたemmaさんの全てが詰まったセンスブック。「ELLE」「VOGUE」の表紙や、BLACKPINKやBTSの撮影を手がける韓国のトップフォトグラファー、ホン・ジャンヒョン氏撮影のファッションポートレート、私服でのプライベートスナップに加え、生い立ちやプライベート、恋愛、モデルの仕事事情などを綴った全編書き下ろしのエッセイや対談を掲載。モデルであり経営者、30代の一人の女性というさまざまなemmaさんの魅力と、約95万人のInstagramフォロワーから絶大なる支持を集めるセンスのヒントをちりばめた一冊。

購入はこちら https://amzn.asia/d/hCRMYT2

シャツ¥260,700、スカート¥280,500、ベルト¥105,600、ローファー¥236,500(Bottega Veneta/Bottega Veneta Japan 0120-60-1966)

撮影/You Ishii ヘアメーク/TSUKUSHI TOMITA スタイリング/Rino Nakamura 取材/加藤みれい 構成/越知恭子

Feature

Magazine

最新号 202506月号

4月28日発売/
表紙モデル:堀田茜

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