5月6日にシアタートラムで開幕する話題の舞台『Medicine メディスン』に出演する田中圭さんのスペシャルインタビュー。後編では、俳優として超多忙な毎日の中でも常に心身ともに健やかなイメージの田中さんが考える〝ウェルビーイングなこと〟についてお伺いしました。
――CLASSY.ではまず自分を好きになって幸せになることで、周りや社会も一緒にハッピーにしていきたいという〝ウェルビーイングなライフスタイル〟を発信していますが、メンタル面で実践している〝ウェルビーイングなこと〟を教えてください。
その考え方は本当に素敵だなと思います。自分自身が楽しかったり余裕がないと人にも優しくできないですし、我慢ができなかったり、自分がブレちゃったりすると思うんです。自分がしっかりしているとかゆとりがあるとか、穏やかな心の部分は大切なことですが、でも環境に左右されたりすることもありますよね。自分じゃない何か第三の力でぐにゃぐにゃになってしまうこともあるから、一筋縄ではいきません。でも常にその思考は、ずっとここ何年かは意識するようにしています。
――常にお忙しくされているのにいつも明るくてユーモアがあって、まさに〝ウェルビーイング〟なイメージな田中さんですが、忙しくても明るさや朗らかさをキープできるコツや落ち込んだ時に上がるコツはありますか?
コツは「たいしたことない」と思うことです。開き直りですね(笑)。どこに焦点を当てるかで物事の受け取り方って変わると思うんです。一つの出来事でも100人いたら100通り感じ方が違うだろうし、それによってもらう経験値や気づきが変わってきますよね。自分のとらえ方次第なんだと思います。細かいことを気にし始めるとどこまでも気になっちゃいますが、たとえば「あと10分でこの世が終わります」って言われたら、「じゃあこの10分くらい怒らないで楽しまなきゃ」ってなりませんか(笑)? そういう発想の転換をしたら切り替えられるというか、自分を保ちやすいのではないかと思います。
――身体を鍛えたり食生活に気を遣ったりなど、フィジカル面で意識している〝ウェルビーイングなこと〟はありますか?
体を鍛えるという意味ではジムに通っています。疲れていてもやっとかなきゃと思うのは自分の体の軽さももちろんありますが、「健全な魂は健全な体に宿る」という言葉を信じているところがあって。僕はそんなにできた人間ではないと思っているので(笑)、まず先に体を鍛えることによって健全な体になれば健全な魂が入ってくるんじゃないかという、その考え方は結構前からあるんですよね。それに自分に負荷を何も与えていないと、精神が怠けるんじゃないかという強迫観念みたいなものがあって、何かに挑戦するというか挑む気持ちは大切にしたいなと思っています。食べ物や飲み物にも気を遣うようにはしています。ストイックにできているわけではないですが、人から勧められたらまずトライしてみます。サプリも毎日飲むと効果があるよと言われて、3日に1回飲めたら意味がある気になっています(笑)。
――自分に手をかけているという気持ちが大事ということでしょうか?
そうですね。「病は気から」と言いますがあまりこだわりすぎずに、気持ち的にやってみようかなと思ったら、気軽に取り入れるイメージです。
――「これがあると頑張れる! 機嫌がよくなっちゃう」というモノやコトを教えてください。
たくさんあります。たとえばドラマや舞台の稽古の現場で、お菓子が置いてあったり、お茶場が充実していたらテンション上がるし頑張れます。
――体を鍛えていらっしゃるのでお菓子は食べないのかなと思っていたのですが、召し上がるんですね!
甘いものはいつでもほしいです (笑)。つい最近もイチゴチョコクレープを夜中に注文したんです。受け取ったものの眠くて寝てしまって、短い睡眠の合間にクレープを食べたり寝たりを繰り返した形跡がありました。舞台稽古中は朝がそんなに早くないので、夜更かししたくなるのかな。元々、夜は更かしちゃうタイプなんですが(笑)。
――毎日お忙しいと思いますが、疲れた時のリフレッシュ方法を教えてください。
ジムもですが、サウナに行くのもリフレッシュです。思いっきり寝たいなと思ったら、「娘と同じ時間に寝てやる!」とか(笑)。友人達に「カラオケ行こうぜ」と誘ったり、お酒飲んだり…。
――たくさんリフレッシュ方法がある中で今やりたいと思うものはありますか?
うーん…、今はないんですよね。まだリフレッシュに目が向いていないというか、お茶場の充実とか日々のささやかな充実で満足しているというか。今はこの舞台に没頭しようということで頭がいっぱいなので、これが落ち着いたら外食したいなとか思うかもしれないですね。
田中圭
‘84 年7月10日生まれ 東京都出身●‘03 年ドラマ『WATER BOYS』で主人公の親友役を務め、注目を集める。以降、多数の映画やドラマ、舞台で話題作に出演。近年の主な出演作品は、映画『そして、バトンは渡されたハウ』『月の満ち欠け』」『G メン』、ドラマ『リバーサ ルオーケストラ』『unknown』『ブラックポストマン』『おっさんずラブ-リターンズ-』、舞台『サメと泳ぐ』『CHIMERICA チャイメリカ』『もしも命が描けたら』『夏の砂の上』など。
『Medicine メディスン』
‘21年イギリスでの初演から瞬く間に世界の演劇界を席巻したエンダ・ウォルシュの最新作。これまでも彼の作品を手がけてき た演出家・白井 晃がユーモアと不安が混在する世界を表現する。出演:田中圭 奈緒 富山えり子 荒井康太(ドラム)日程:5月6日(月・祝)~6月9日(日) シアタートラム●兵庫・愛知・静岡公演あり。
撮影/杉本大希 ヘアメーク/岩根あやの スタイリング/Yoh U 取材/門脇才知有 構成/中畑有理