【年末大掃除】間違えると電気代が10%も悪化!?プロが教えるエアコンの清掃のコツと注意点

12月に入り2023年も残すと

12月に入り2023年も残すところ1ヶ月となり、年末大掃除の時期が近づいています。今年は夏場の暑さが続き、エアコンの稼働時間が長かったため、エアコンの汚れが気になる方も多いのではないでしょうか。また、政府による電気料金補助は4月まで延長されましたが、引き続き電気代の高騰も気になるところ。年末大掃除シーズンにむけて、三菱電機エアコンのプロである久田優美さんが教える“エアコン清掃のコツと注意点、エアコン清掃による節電効果や清掃業者の活用方法”についてご紹介します。

エアコンのパーツごとに解説!自分で掃除していい箇所・ダメな箇所と、掃除方法

調査結果を受けて、三菱電機エアコンのプロ久田より、業者に任せた方がいい箇所と、自分で掃除できる箇所をご紹介。あわせて、自分で掃除できる箇所の掃除方法を解説します。

自分で掃除していい箇所

エアコン清掃において、自分で掃除できる箇所は「前面パネル(本体カバー)」「フラップ」「フィルター」です。エアコン内部の熱交換器やファンの掃除は、プロによるエアコンクリーニングが必要です。自分で行うと、誤った洗浄方法により内部部品の破損による水漏れや電気部品の故障などを引き起こすことがあります。また、むやみにエアコン内部を濡らすと、予期せぬ故障や事故につながる可能性があり、最悪の場合は”発火”のリスクがあるため控えて。

部品別のお掃除方法

■前面パネル(本体カバー)の掃

■前面パネル(本体カバー)の掃除方法
➀前面パネルを取り外します。
➁水洗いをします。
➂やわらかい布で水分を拭き取り、風通しのよい日陰でよく乾かしましょう。

■吹き出し口・フラップの掃除方法
やわらかい布でから拭きや水拭きをしましょう。

【注意】“消臭剤”や”抗菌剤”

【注意】“消臭剤”や”抗菌剤”を直接吹きかけるのはNG! 
エアコンに向かって消臭剤や抗菌剤などは吹きかけないでください!電子基板や室温を検出する等のセンサー部が故障することや、熱交換器が腐食(化学的作用により金属が劣化・損傷)して暖房の効きが悪くなる可能性があります。(by.三菱電機株式会社 空調冷熱システム事業部 久田優美氏)

冬は夏よりもエアコンの電気代がかかる!?

エアコン暖房は冷房よりも電気代がかかります。理由は、冬の方が設定温度と外気温の差が大きくなるためです。夏の外気温が35℃の場合、環境省推奨の室温である28℃(※1)まで設定温度を下げても差は7℃です。一方冬は、外気温が7℃の場合、室温を20℃(※2)にしようとすると、差は13℃となります。そのため、冬の方が多くのエネルギーを消費してしまいます。
※1、2:環境省 HPより:https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/06/

今年は例年よりもエアコンが汚れている?!

今年は夏日日数が例年と比較して多く(表1)厳しい残暑が続きましたが、三菱電機 霧ヶ峰の利用データによると、今年の夏は例年と比較してエアコンの平均稼働時間、平均消費電力量ともに増加(※3三菱電機調べ)していることがわかりました(グラフ5)。夏場、エアコンにかかる負荷が高かった分、エアコン内部の汚れも蓄積していることが考えられます。

フィルター汚れが原因で、消費電力が10%以上悪化することも。 プロが解説!「台所用の中性洗剤」を活用してフィルターを掃除しよう!

三菱電機の実験によると、フィルターを約半年間(1日8時間の使用を想定)お手入れしなかった場合、新品のフィルターを使用している場合と比較して、消費電力が約12%悪化(※4三菱電機調べ)することが明らかになりました。そのため、エアコン暖房の節電対策として、フィルター掃除を行うのがおすすめです。

フィルターの掃除方法

➀一番簡単な方法 ・掃除機でフ

➀一番簡単な方法
・掃除機でフィルターのホコリを吸い取りましょう。

②次に簡単な方法
・水洗いをしましょう。やわらかい布で水分を拭き取り、風通しのよい日陰でよく乾かします。

➂ホコリが取れない・汚れがひどい場合
・台所用中性洗剤を使用量の目安(水1リットルに対して0.75ml、※使用量の目安はメーカーによって異なる)まで溶かしたぬるま湯で洗いましょう。
汚れが特にひどい場合は、スポンジで優しく拭き取ることをおすすめします。フィルターが破損する恐れがあるため、ブラシやたわしは使わないでください。
・水でよくすすいで洗剤を落としましょう。
・やわらかい布で水分を拭き取り、風通しのよい日陰でよく乾かします。

【フィルター掃除の注意事項】

・自動フィルター掃除機能を搭載した機種はフィルターが薄い場合があります。洗浄の際には変形や損傷に注意。
・電気部品を外しての掃除は故障の原因になるため控えてください。

温度センサー周辺もこまめにチェック

一般的にエアコン本体の側面には

一般的にエアコン本体の側面には温度を感知し運転を調整するための温度センサーが取り付けられています。温度センサー周辺に汚れが溜まり、センサーが覆われているとうまく温度が感知されないため、温度センサー周辺(スリット部分)のほこりや汚れは小まめに取り除きましょう。

自動清掃機能について

エアコンの掃除を忘れがちな方や、ご自身で掃除するのが面倒だという方は、ぜひ自動清掃機能が搭載されたエアコンを検討してみてください。
■自動フィルター掃除機能
自動フィルター掃除機能が作動すると、エアコン内部に固定されたブラシが、フィルターについたホコリをかき取ります(メーカーにより異なります)。
*自動フィルター掃除機能がついていても、使用環境により汚れの程度が異なりますので、定期的なお手入れをおすすめします。
■内部クリーン機能
内部クリーン機能は、冷房・除湿運転後にエアコンを止めたあと自動的にエアコン内部の乾燥(加熱)運転を行い、エアコン内部のニオイやカビの発生を抑制する機能です

室外機は清掃の必要なし!ただし、“周辺“の掃除

室外機は一般的に屋外への設置を想定しており、雨・風にさらされることを前提に作られています!通常はお手入れの必要はありません。どうしても汚れが気になる場合は、中性洗剤を含ませたタオルなどで拭いたあと、水拭きをしてください。なお、室外機の周囲にはものを置かないでください。風の流れを妨げ正常な運転の妨げになる可能性があります(by.三菱電機株式会社空調冷熱システム事業部 久田優美氏)

お問い合わせ:三菱電機 霧ヶ峰 https://www.MitsubishiElectric.co.jp

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