ふとしたときに自分の年齢が気になったり、年を取ることに対してなんとなく抵抗を感じてしまうのはどうして?私たちが「年を取りたくない」と思ってしまう理由、加齢に対するネガティブな気持ちの扱い方について考えてみました。
アラサーになって「年を取るのイヤだな…」と思うのはこんなとき…!
「30歳=大台」に突入した感を意識してしまうアラサー世代。年を取ることに対してネガティブな気持ちを感じてしまうのはこんなとき。
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ハリウッドで世界中で「エイジズム」が問題に
フェミニズムと心理学の専門家にもお話を聞きました
アラサー女性が「年を取りたくない」と思うのはある意味当然です
現代の日本では「協調性」「可愛らしさ」「美しさ」「受容性の高さ」といった「性別役割」が女性に求められていますが、これらは若い女性のほうが満たしやすいため、「年を取ると女としての魅力が下がる」という構造が生じてしまっています。
さらにアラサー女性が苦しさを感じるのは「若さ」そのものよりも、若さに伴う「自由」を失うからではないでしょうか。20代は女性が人生で一番自由に生きられる時期。恋愛も遊びも、経済面でも誰からも制限されることがありません。ところが30歳前後で「結婚」を考えたとき、結婚後の子育てや家事の負担はまだ女性が担う部分が大きく、もし結婚しなければ先の見えない社会で生涯一人で生き抜くことに。結婚するリスク、結婚しないリスクどちらも大きいという問題に直面し、苦しい選択を迫られます。自由な20代からアラサーになって「年を取りたくない」と思うのはある意味、当然ですよね。さらに女性は結婚相手によって仕事が続けられるかどうかも変わってくるので結婚は大きな賭けになります。結婚、出産にまつわるどの選択も結構キツい。だから「年を取りたくない」と思ってしまうのではないでしょうか。
\フェミニズムの観点からお話を伺いました/
教えてくれたのは…高橋 幸さん(石巻専修大学 人間学部・准教授)
19世紀から現代までの社会思想・社会学理論を専門とし、ジェンダーの視点から社会学へアプローチした研究を発表。ポストフェミニズム、ミスコン研究なども行っている。
安心して年を重ねられない社会だということも問題です
自分自身を何歳くらいかイメージする「主観年齢」と「実年齢」の関係の調査では、20代前半で「主観年齢」が「実年齢」を下回り、「実年齢より自分は若い」と思う「自己若年視」が始まります。30歳までには女性の7割の主観年齢が実年齢より若くなり、アラサー世代の女性は20代半ばくらいに見られたい願望が強まるという調査結果も。背景には女性の魅力の一つとして「若さ」に価値をおく社会的期待があり、それが女性の自己若年視を招いているようです。女性の若さの持つ価値や「若さ=美しさ」という構図は抗いがたいものがあります。その社会的期待を10代の女性が自分たちの価値として内在化した結果がJKブランドであり、近年のルッキズム(外見至上主義)にもつながると考えます。
\心理学の観点からお話を伺いました/
教えてくれたのは…島内 晶さん(東京未来大学 モチベーション行動科学部・准教授)
高齢者心理学、生涯発達心理学を専門に、高齢者の記憶についての研究を行っているほか、エイジングの心理学、福祉心理学などの授業を担当。
読者からの相談にもLiLiCoさんにズバッと答えていただきました!
「結婚・出産・キャリア…アラサーになって焦り出してます」
教えてくれたのは…映画コメンテーター・LiLiCoさん
’70年スウェーデン生まれ。映画コメンテーター、タレントとして多数のTV番組やラジオ、イベントに出演。アニメの声優やナレーション、ドラマやミュージカル俳優、バッグやジュエリーのデザイン・プロデュースなどマルチに活躍。
イラスト/naohiga 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc