堀田茜が「30歳になってなんだか最近モヤモヤする…」と感じる問題を、今会いたい識者に直接聞きに行く連載3回目。この話、ほったらかしにしなくて良かったと思える日が必ず来るはず!
自分の意見を伝えるとき、反対意見が気になって臆病になってしまいます…
今回のゲストは...大橋未歩さん
【今月の茜のモヤモヤ案件】
きちんと仕事したいと思うあまり、ラジオなどで決められた通りに読んでしまうことがあります。本当は、臨機応変にフリートークをしたり、自分の意見をもっと話したりしたいのですが「どう思われるんだろう」と誤解や反対意見を恐れてしまいます。CLASSY.読者も会議などで発表の場があると思いますが、大橋さんのように自分の意見を自分の言葉で伝えるためにはどうすればいいのでしょうか。
準備万端にして言うことまで決めておくと安心なんです…(茜)
茜:大橋さんのことは以前番組でご一緒してからずっと好きで、活動を追いかけるのはもちろんインタビュー記事も読んでいます。大橋さんの言葉は嘘がなくて、みんなに心を開いてくださっているようですよね。どうしたらそんな伝え方ができるのかをお伺いしたいです。
大橋:嘘がないという部分は私がとても大事にしていることなので、そう言ってくださってうれしいです。今日のように伝え方を聞かれたとき、テクニックのhowtoを求められがちなのですが私はあまりそれを信用していなくて。結局は心が大事だと思っています。ただ工夫できることは3つあります。
①早口で喋らない
②文章で覚えない
③つめこまない
伝えたい思いがあるほど、何かをすることでなく、しないという引き算が大事だと肝に銘じています。
茜:文章で覚えたら安心だし、熱量があるほどきちんとやり遂げたいので情報をつめたくなってしまうのですが…そう思うことってないですか?
大橋:ありますよ。今でもすごく思います。でも文章を暗記して、うまくやろうとした時点で“伝える”の気持ちに不純物が混ざってしまうんですよね。その先の評価を気にしているとか、本来伝えたいことから心が離れているなって。だから私は自分が伝える場面では文章でなくフロー図を描いておいて、今自分がどういう理由で何を話しているかわかるようにしておきます。その図さえあれば話が脱線しても要点に戻ってこられるんですよ。
茜:フロー図を描くのは私も真似したいです。大橋さんの話すことに嘘がなく心を開いていると感じるのはそういうところからだったんですね。
大橋:コミュニケーションって、非言語な部分―表情、声のトーン、話すスピード―のほうが受け取る情報が大きいと言われているんです。だから嘘がないところまで自分を持っていくためには、たとえばインタビューだったら相手のことを知るために準備をして、相手に興味を持てるようになるまで持っていくことも大事です。
茜:そうですね。その人に興味を持たないと、せっかく話してくれた言葉も自分の中に入ってこないし、話を深められないですよね。
大橋:局のアナウンサーだった時代に採用の面接官もしていたんですけど、想定質問に対しての答えをみんな用意してくるんですよね。だからそこにいる人柄は用意された人柄。それだと実際はどんな人なのかわからないので、わざと変化球の質問をしていました。相手がそれに答えられなかったとしても「すみません」の言い方だったり表情に人が出るので、そこに「伝わる」ことや得るものがあるなと思います。
茜:私も今変化球の質問をしたほうがいいですか(笑)?
大橋:堀田さんは心をこめて話してくださってるので大丈夫(笑)。つい私もなんでも話したいと思ってしまいます。
フリーアナウンサー・大橋未歩さん
兵庫県神戸市生まれ。2002年テレビ東京に入社し、スポ-ツ、バラエティー、情報番組を中心に多くのレギュラー番組にて活躍。2013年に脳梗塞を発症して休職するも、療養期間を経て同年9月に復帰。2018年よりフリーで活動を開始。趣味は山登りで〝歩山〟家。現在「YAMAP MAGAZINE」で海外トレイル体験記を連載中。
※堀田茜さん、大橋未歩さんともに衣装は私物です
撮影/杉本大希 モデル/堀田 茜 取材/野田春香 再構成/Bravoworks.Inc
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