【宇月 颯×輝生かなでスペシャル対談】話題のダンス公演『2STEP』で宝塚OGが集結!

BTS『Butter』の振付制作に参加するなど世界的に活躍する11人組ダンスアーティスト「GANMI」と、宝塚歌劇OGがコラボレーションするダンスライブ『2STEP』が5月~6月に上演! 出演者の中から宝塚歌劇時代に名ダンサーとして名を馳せた宇月 颯さんと輝生かなでさんが登場。2回にわたり二人のスペシャル対談をお届けします。

――GANMIと宝塚歌劇OGと

――GANMIと宝塚歌劇OGという異色のコラボが話題ですが、どのような経緯で実現したのですか?
宇月 宝塚歌劇OGの公演というと、宝塚時代の曲を歌うコンサートが多いですよね。でも今回は宝塚歌劇OGの新しい可能性を広げるため、まったく違うフィールドのアーティストとの共演を決行することに! そこで、目覚ましい活躍を続けるダンスアーティストのGANMIさんと、宝塚歌劇卒業後もそれぞれの分野でダンスの勉強を続けているOGたちに白羽の矢が立ったとお聞きしました。
輝生 私達、宝塚歌劇OGの新たな可能性を感じていただけるだけでなく、ファンの方にも新しい発見のあるライブになるのではないかと思っています。

――このライブのお話がきたときのお気持ちを教えてください。
宇月 私が宝塚歌劇を卒業したのは約5年前です。卒業した直後は宝塚歌劇に甘えていてはいけないという気持ちと、外の世界で勝負したいという思いがあったので、宝塚歌劇のOG公演への出演はしてこなかったのですが、最近、『エリザベート』のガラコンサートに出演したり宝塚歌劇OGとコンサートをしたことで、私の強みは宝塚歌劇の男役で培ってきたものだなと痛感したんです! そんな時にGANMIさんと宝塚歌劇OGがコラボするライブの出演依頼をいただいたので、即答で「やらせていただきます!」とお受けしました。先ほど輝生も話していたように、新しい自分を見つけられそうというだけでなく、宝塚歌劇時代からファンでいてくださる方には今までとは違う新しい刺激を受けていただけるだろうなと思っています。
輝生 宇月さんのお答えに共感することばかりです! 私は宝塚歌劇を卒業して4年になりますが、卒業したときは今まで自分がやってこなかったものに挑戦したいと思い、韓国やニューヨークにダンスの勉強に行ったりしました。宝塚歌劇の外にでて舞台での経験を重ねる中で一度離れてみたからこそわかる宝塚歌劇の偉大さを感じました。また、宝塚歌劇OGの方との共演にファンの方がとても喜んでくださることも嬉しく思います。タイトルに〝宝塚歌劇OG〟と入る作品への出演は今回が初めてになります。舞台人として自分が培ってきたものを信じ、新たな気持ちで挑めたらいいなと思っています。

――『2STEP』というタイト

――『2STEP』というタイトルの意味や、どのようなライブになりそうかお聞かせください。
宇月 『2STEP』というタイトルは、GANMIさんと宝塚歌劇OGというかけ離れた2つの存在が一緒になることや、双方の魅力を200%お届けするという意味、誰もが心も身体も揺らして思わず2STEPを踏みたくなるという思いを込めて、GANMIリーダーのSotaさんが考えてくださったそうです。
輝生 お稽古がまだ始まっていないので具体的な内容はわからないのですが、宝塚歌劇OGメンバーでGANMIさんのライブを観させてもらったり、GANMIさんと宝塚歌劇団OGメンバーでダンスのワークショップを行っています。
宇月 ワークショップではダンスのスタイルやリズムの取り方などが違うので驚きましたが、『2STEP』というタイトルのように、お互いの良さが組み合わさって面白いものができそうだなと感じました。
輝生 ライブは見学ということを忘れて客席で思いっきり楽しませていただきました。その時に感じたのが、お客様の舞台の楽しみ方も全く異なるんだなぁということです。舞台だけでなく双方のファンの皆さまも客席で融合し、一緒に新たな『2STEP』が生まれるのではとわくわくしています。

――宝塚歌劇OGの湖月わたるさ

――宝塚歌劇OGの湖月わたるさんが振り付けに初挑戦というのも気になります!
宇月 そうなんです! 本当に嬉しいです! 湖月さんは男役を熟知され、退団後は女優として活躍されていらっしゃいます。宝塚歌劇の元男役が外の世界でどうすれば活きるか、よくわかっていらっしゃる方だと思っています。なので、湖月さんに振り付けしていただけるのは本当に心強いです。
輝生 宝塚歌劇OGの強みを活かしてくださると思いますし、どんなシーンになるのかなぁと期待に胸が膨らみます。

――メインビジュアル撮影で全員集合したようですが、GANMIさんはどんな印象でしたか?
宇月 ダンスされているときも初めてお会いしたときも、常に明るくてポジティブで楽しそうな方々だなと感じました。宝塚歌劇OGの私達は宝塚歌劇を卒業するという一つの節目を経験してきているということもあり、皆自立している印象がありましたが、すぐに当時のように打ち解けられた感じがありました。GANMIさんは今とても勢いがあると感じましたので、2つのグループのカラーが全然違うのが面白かったです(笑)
輝生 GANMIさんのその場の雰囲気を楽しくするパワーがとてもありがたかったですね。静かな雰囲気だったら淡々としちゃってたかもなぁと(笑)
宇月 あち(輝生さんの愛称)は人見知りなところがあるもんね。真夏の晴天の日に撮影だったから「肌が焼けちゃう!」とか言いながら、ドローンを飛ばしての撮影に驚きながら、とにかく盛り上がった現場での初顔合わせだったからね!
輝生 本当にあの日が初顔合わせで良かったです!

――ダンサーとして評価の高い宝

――ダンサーとして評価の高い宝塚歌劇OGが集まりましたが、お互いのダンスの「ここが好き!」というところを教えてください。
宇月 当時はダンサーと言っていただくことが多かったですが…。
輝生 はい、あります!!
宇月 えー! あち、ありがとう。
輝生 宇月さんが踊るフィナーレのナンバーが特に大好きだったんです! 私は宇月さんと同じ月組だったので、群舞のお稽古のときは必ず宇月さんを視界に入れながら踊っていました。「ここまで下がるんだ」とか「そんなにためるんだ」とか真似していたんです。下級生の頃は私が後ろの列で宇月さんは1列目なので少し遠かったのですが、作品を重ねるにつれて段々と宇月さんの近くで踊れるようになったこともとても嬉しかった思い出です。『グランドホテル』では宇月さんの役を新人公演でやらせていただきました。ダンスだけでなくお芝居のことや男役のこともたくさん教えていただきました! 本当に尊敬している先輩です。
宇月 あちは私を慕ってくれている数少ない下級生で(笑)
輝生 宇月さんは皆から慕われています!
宇月 あちはダンスが上手でしたから、下級生で構成されるロケット(ラインダンス)ではいつも目立つ位置を任されていました。私も「なんて身体能力の高い子なんだろう」と感心しながら見ていました。あちはバレエが基本だったのかな?
輝生 はい、バレエです。
宇月 バレエとして脚を上げたり回ったりする技術は素晴らしく、でも当時は宝塚の男役としてまだ線が細かったり、重心の位置が定まっていなかったのかなと思っていました。なので、男役のダンスというジャンルにどう移行していくのか、成長を見るのが楽しみでした。私の基本もバレエでそこから宝塚男役のダンスを学びましたが、下級生に伝えるときは自分の経験を踏まえつつ伝えていましたね。あちは男役のダンスを活かしながら、さらに枠にとらわれていない表現ができるので素晴らしいダンサーだなと思っています。
輝生 ありがとうございます!
宇月 あちは上級生に話しかけるタイプじゃないし、私は下級生とわいわいするタイプじゃなかったけど(笑)。私達、よく話していたよね。
輝生  上手に上級生に甘えられるタイプじゃなかったのですが、宇月さんから学びたいと心から思った勢いで自分から話しかけてしまいました(笑)
宇月 (笑)。嬉しい! 私も話しかけられたら話すというタイプだったから、話しかけてくれたあちのおかげで仲良くなれたんだね、ありがとう(笑)。そして、私の退団公演『カンパニー 努力(レッスン)、‐情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)‐』では同じダンスグループのバーバリアンとして、一緒にポスターも作ってもらったよね(笑)! そして卒業後に共演できる奇跡に感謝!頑張りましょう!
輝生 はい、頑張ります!

GANMI×宝塚歌劇OG DANCE LIVE『2STEP』
目覚ましい活躍を続けるダンスアーティスト「GANMI」と、華も実力も兼ね備えた宝塚歌劇OGたちとの夢のコラボレーション公演。スペシャルキャストとして出演する湖月わたるが振付に初挑戦! さらにオリジナル楽曲の書きおろしなど、双方の魅力を200%お客様にお届けすべく、盛り沢山でお届け。誰も見たことがない夢のステージにGANMIと宝塚歌劇OGが一丸となって挑む。振付:GANMI 構成・演出:Sota(GANMI) 出演:【GANMI】Sota、SUN-CHANG、Kooouya、Kazashi、Mr.D、shun、Dyson、Yuuki、Ryoga、O.S.M、AOI【宝塚歌劇OG】宇月 颯、風馬 翔、隼海 惺、矢吹世奈、綾 凰華、飛龍つかさ、輝生かなで≪SPECIAL CAST≫湖月わたる 【東京】5月26日(金)~5月28日(日) 日本青年館ホール【大阪6月2日(金)~6月4日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

宇月 颯
’04年宝塚歌劇団に90期生として入団。巧みでキレのあるダンス力で頭角を現し、’10年『ジプシー男爵』で新人公演主演を務める。’18年退団後は『笑う男』『エリザベートTAKARAZUKA 25周年スペシャルガラ・コンサート』ほか、イベントや舞台などで幅広く活動。ミュージカル『マリー・キュリー』に出演中。

輝生かなで
13年宝塚歌劇団に99期生として入団。下級生時代からダイナミックなダンスで注目を集める。’19年退団後、韓国とニューヨークにダンス留学。その後、ミュージカル『ガイズ&ドールズ』『エニシング・ゴーズ』『フラッシュダンス』『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』、二期会オペラ『椿姫』など舞台を中心に活動。

撮影/木村 敦 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)

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最新号 202406月号

4月26日発売/
表紙モデル:山本美月

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