トップモデル・松島花さん「仕事もプライベートも、伝えることを諦めたくない」CM撮影の秘話も…

今回のゲストは、この1年CLASSY.のカバーモデルを務めてくれた、我らが花ちゃん。普段の撮影ではいつも、スタッフみんなの意見を聞いたり、自分から話題を振ったり…どんなに朝早くてもいつも笑顔でメンタルがフラット。どういう想いでそうしているのか、答え合わせのような取材でした。

自分も周りも幸せにするウェルビー女子な生き方、教えてもらいました

ジャケット¥462,000 ト

ジャケット¥462,000 トップス¥137,500 パンツ¥203,500[参考色]すべて予定価格(すべてセリーヌ バイ エディ・スリマン/セ リーヌ ジャパン)

仕事もプライベートも、伝えることを諦めたくない

これまでのモデル人生で転機になったのは、17歳の頃に出演した資生堂『TSUBAKI』のCMのスチール撮影。髪の動きを演出するプロの方と一緒に、ベストな動きを模索して300回以上ジャンプし続けたのですが、突き詰めていくうちに徐々にコツを掴んできて、作品に参加している気持ちも強くなって。ものづくりの中にちゃんと自分がいるという自覚が生まれ、この仕事の楽しさを実感したのを覚えています。それまでは可愛い服を着て写真を撮ってもらえて、これが仕事なんていいのかな?と、仕事という感覚が正直薄かったんですよね。でも『TSUBAKI』の現場を経験したことで、「モデルも作り手のひとりなんだ」と気付けた。それと同時に撮影はセッションだから、自分の考えを伝えて、みんなの意見も聞きながら、チームの一員としてよりいいものを目指していきたいと思うようにもなって。
現場では、自分の意見を伝える努力を惜しまないし、「みんなは納得してるけれど、あの人はいいと思っていないかも」と感じる人がいたら、「何かあったら言ってくださいね」と声をかけることもあります。伝えるのを諦めないのは、仕事に限ったことではなくて、家族や友達とでも1個引っかかることがあると前に進めないタイプ。目を瞑ったり、心に封じ込めて風化させることができなくて、「私はこう思ってたんだけど、違ったかな?」と、必ずほぐしてクリアにしたい。そういうやり取りが苦手な人にとっては、私はかなり面倒な人だと思います(笑)。でも誤解も解きたいし、お互いの考えも確認したい。喧嘩したいわけじゃなくて、さらに関係を良好にするためのステップとして捉えています。
伝えたい想いは動物保護の活動でも同じで、インスタでボランティアの方の活動をリポストさせてもらう際には、私なりの解釈や想いをしっかり書いて発信します。文字で伝えるのは難しいけれど、少しでもこちらを向いてもらえるように、私らしく自分の言葉で伝えることを大事にしています。実際に自分の言葉で語ると、最初はアンチだった人も「あなたはそういう想いで活動しているんだね」と応援してくれるようになったりするんですよね。

モデルとしてではなくひとりの人として保護犬・保護猫活動を始めました

動物保護の活動は、私が幼い頃から地域猫や野良猫のボランティア活動をしていた母から、保護猫・保護犬という日本の動物たちの現状を聞いたことがきっかけで始めました。高校生のときには、殺処分ゼロを呼びかけるチラシを作って、カフェやよく行くスタジオに貼ってもらったことも。その後は仕事が忙しくなり大きな活動はしていなかったのですが、5年前、8歳から20年間一緒にいた愛猫・梅ちゃんと死別してペットロスに陥って……。
そこで改めて#保護猫、#保護犬、#殺処分で多くの情報に触れる中、高校時代に比べて殺処分数は減ってはいるけれど、現状はほとんど変わっていないことを再認識したんです。今だったら高校生の頃よりも発信力という面で自分にできることがあるんじゃないかと思い、インスタでアニマル専用アカウントを立ち上げました。活動にかける想いはシンプルで、少しでも多くの人に現状を知ってもらい、犬や猫を迎え入れるときにはペットショップではなく、保護猫、保護犬の選択を考えてみてほしい、ということ。
動物愛護をハードルの高いものと捉えず、「何か自分にできることはないかな」と考えるきっかけにしてもらえたらいいなと思っています。モデルとしてというよりも、ひとりの人間として何かをやりたい、という気持ちもあって始めたので、とにかく継続していくことも目標にしています。何でも「完璧にやらなきゃ」って構えてしまうと長く続きにくいから、自分のできる範囲で丁寧に向き合っていきたい。ストイックになりすぎず、たくさんの人ができることから始めて広く浸透し、大きく変わっていける流れができたらなと思っています。

保護猫たちのおかげで毎日がにぎ

保護猫たちのおかげで毎日がにぎやかです
3匹の愛猫のごろりん、ゴメズ、フェスター。ごろりんに死別した梅ちゃんの面影を感じて、保護主さんへ連絡。仕事柄、お留守番させることが多くなるので、兄弟のゴメズとフェスターと一緒にお迎えしました。おかげで毎日にぎやか♡

PROFILE
1989年生まれ。東京都出身。11歳でモデルデビュー後、トップモデルとして数多くの雑誌やCM、カタログなど幅広く活躍。昨年、モデル歴20年目を迎え、’21年1月号からはCLASSY.のカバーモデルを務めた。2018年にはアニマル専用インスタアカウント「松島花アニマル」(@hana_matsushima_animal)を立ち上げ、保護猫・保護犬の現状を発信している。

撮影/YUJI TAKEUCHI(BALLPARK) ヘアメーク/森野友香子 スタイリング/三好 彩 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc

Magazine

最新号 202412月号

10月28日発売/
表紙モデル:山本美月

Pickup