元宝塚・湖月わたる×珠城りょう【スペシャル対談】元トップ同士の先輩から後輩へのアドバイスは…

ミステリー『8人の女たち』が元宝塚歌劇団トップスターたちによるストレートプレイとして8月末より上演スタート。CLASSY.ONLINEでは元トップ娘役と元トップスターのスペシャル対談を4回にわたりお届けしています。第3回は元星組トップスター湖月わたるさんと元月組トップスター珠城りょうさんのお二人が登場!

――元宝塚歌劇トップスターのO

――元宝塚歌劇トップスターのOG8人が女性役でストレートプレイをする『8人の女たち』。出演が決まった時のお気持ちを教えて下さい。
湖月 10年くらい前に大女優さんたちが『8人の女たち』の舞台をやると聞き、必死にチケットを入手して観に行ったんです。ミステリー好きの私にはたまらなく面白い作品で、見終わった後にトリックや結末について話したくて仕方ないのに…! 一人で行ったことをすごく後悔したのを覚えています(笑)。宝塚の大先輩の大地真央さんが出演されていたのですが、凛とした美しさが今も印象に残っています。今回、同じ役をやらせていただけるという喜びと、大きな挑戦になるという緊張の二つの感情が入りまざっているところです!
珠城 まずは、挑戦したいと言っていたストレートプレイができることが嬉しかったです。そして、このストレートプレイの出演者全員が宝塚OGという初の試みに参加できることを光栄に思いました! 映画を拝見しましたが、ただのミステリーではなくヒューマンドラマとして書かれているところが魅力的な作品なんです。舞台で演じるとどうなるんだろう?と出演者の私も、今からワクワクしています。

――トップスター時代はお二人と

――トップスター時代はお二人とも正統派の役が多かったと思いますが、今回は一癖も二癖もある女性の役ですね。
湖月 出演するにあたり改めて原作を読ませていただいたのですが、私が演じるギャビーは華やかさを持ち合わせた女の子だったんだろうなと思いました。その子が男性と出会って結婚し、二人の娘に恵まれ安定した生活に満足しているはずなんですが、一人の人間としてどこか自分の人生に悩んでいて。でも、家族の前では毅然としているんです。そんな、プライドの高い女性が併せ持つ繊細な部分を丁寧に演じたいなと思っています。
珠城 皆さんが思う私のイメージと違う役を演じられることが、何よりも楽しみです! 宝塚時代もいい意味でお客様の期待を裏切ってワクワクしてもらいたいと思っていましたから。今回も「想像できない」というお声をいただくので、すごくやりがいがあると感じています!

—―お稽古はこれからだそうですが、どんな雰囲気になりそうですか?
湖月 OGが集まるのはコンサートやショー作品の場合が多いです。でも今回は一つの芝居を作り上げるので、密な関係になりそうです。宝塚のOGは世代が離れていてもすぐに家族のようになれるんですよ。今回の舞台は家族の話なので、絶対にいい方向に行くと確信を持っています。

――珠城さんは以前のインタビュ

――珠城さんは以前のインタビューで、宝塚OGのありがたさについて語ってくださいました。お二人にとってOGとはどんな存在ですか?
珠城 花月100周年『Greatest Moment』では共演者の先輩方から励ましのお言葉をいただき、今回の舞台は出演者全員がOGということで、皆さんの胸をお借りしてのびのびやれることを本当にありがたいと思っています。退団して一番日が浅いのが私なのですが、わからないことは恥ずかしいと思わずにどんどんお聞きしようと思います!
湖月 私が卒業後に初めて出た舞台『DAMN YANKEES』はOGの杜けあきさんがご一緒だったので、たくさん教えていただきました。その後も現場にOGの皆さんがいらっしゃるとほっとしますね。直接言葉で言ってくださることもあれば、生き様を見て学ぶこともあります。宝塚という共通項があるからか、先輩から学ぶことは多いんです。久世星佳さん、真琴つばささんとがっつりお芝居させていただくのは初めてなので、いっぱい勉強したいと思っています。そして、それをまた後輩に伝えたいです。先輩からいただいて後輩に伝える、これが宝塚の伝統だと思うので。

――早速ですが、卒業して16年

――早速ですが、卒業して16年の湖月さんから10カ月の珠城さんに伝えたいことはありますか?
湖月 1年経ってないの?  10カ月なんだ! 先ほど話した『DAMN YANKEES』で演じたのはセクシーな魔女役だったので、ソシアルダンスの先生に女性として歩くことから教わりました。リードしちゃうし、肩で風切っちゃうし、歩幅が広いんですよ(笑)!ゴム紐で膝を縛られましたから、「歩幅はここまで!」って(笑)。
珠城 元男役あるあるですね(笑)!
湖月 今回は元男役の先輩が4人もいるから、共感しながら助けてもらえるはず!

珠城 お稽古着一つにしても、何

珠城 お稽古着一つにしても、何を着たらいいかわからないです。お芝居の女性役って何を着ればいいんですか?? 宝塚の娘役さんみたいなひらひらのスカートをはくわけにもいかないですし…。
湖月 衣装がまだ決まっていないからね。衣装がスカートだったら、お稽古もスカートで。膝丈のタイトスカートだったら、なかなかハードル高いよ! 退団して間もない頃、衣装がスカートの舞台があった時、普段からはかなきゃと思い切ってスカートで外に出たの。そしたら、そんな時に限って「湖月さんですか?」って声をかけていただいて! 思わず「違います!」って逃げました(笑)。あの時の方には本当に申し訳なかったのですが、見られてはいけないものを見られた気がして…(笑)。
珠城 私も逃げちゃうと思います(笑)! ロングは流行っているし脚が見えないのではけるんですが、膝丈のタイトははけないです。
湖月 まずは家で練習したほうがいいよ。椅子に座るのも、下に落ちた物を拾うのもうまくいかないから(笑)。衣装がどうなるか気になるね。
珠城 映画ではかなりタイトなスカートをはいていますよね。
湖月・珠城 (苦笑)

――今回の舞台で楽しみにしてい

――今回の舞台で楽しみにしていることや挑戦したいことはありますか?
湖月 今のご時世、お稽古終わりに皆で食事というのはできないと思うけど、LINEは交換できたらいいね。8人のグループLINE、作れるかな? 誰が皆に言う…? 私かな?
珠城 皆をまとめる役は、わたるさんだと思います(笑)!  私は女性役の衣装のことで頭がいっぱいなので(笑)。スカートでなかったとしてもヒールを履くことにはなると思うので、頑張って習得したいです!

湖月わたる(こづきわたる)
‘89年宝塚歌劇団に75期として入団。入団当初からダイナミックなダンスと映える容姿で注目される。’03年星組トップスターに就任。’06年退団。’15年『CHICAGO』アメリカ・カンパニー来日公演全編英語上演に出演。ダンス・ミュージカル・ストレートプレイと幅広く舞台を中心に活躍している。

珠城りょう(たまきりょう)
‘08年宝塚歌劇団に94期として入団。’16年入団9年目という異例のスピードで、月組トップスターに就任。’18年『エリザベート』で10代目トートを演じる。’21年8月退団。同年11月に宝塚歌劇 花組・月組誕生100周年を記念する『Greatest Moment』に出演。今年4月~5月にファーストコンサート『CUORE』を開催。

『8人の女たち』
宝塚OGキャストがおくる、極上のミステリー劇、開幕! フワンソワ・オゾン監督によるミュージカル映画化も話題になった傑作戯曲が宝塚歌劇団元トップスター8人により、ストレートプレイ版として上演。キャスト:湖月わたる 水 夏希 珠城りょう 夢咲ねね 蘭乃はな 花乃まりあ /真琴つばさ 久世星佳●東京 サンシャイン劇場 8月28日(土)~9月4日(日)大阪 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 9月9日(金)~9月12日(月)

【衣装】<珠城さん着用分>ジレ¥55,000(エズミ/リ デザイン☎︎03-6447-1264)シャツ¥80,300パンツ¥85,800(ともにペセリコ/ウールン商会☎︎03-5771-3513)イヤリング¥8,800バングル¥19,800(ともにマナ ローザ ジュエル/マナ ローザ☎︎011-616-0106)靴¥118,800(クリスチャン ルブタン/クリスチャン ルブタン ジャパン☎︎03-6804-2855)
撮影/木村 敦 スタイリング/久保コウヘイ ヘアメーク/河上智美 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)

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表紙モデル:堀田茜

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