働き始めて10年前後、キャリアを重ねてきた30代。新卒のときの夢とは違う夢を見つけた人、そして一度は諦めた夢を再び追うことにした人――日々働く中でこそ「自分はどうありたいか」が見えてくるから。より私らしくあるための、第二の夢を考えてみるのもいいかもしれません。
「社内で部署異動」の働き方
unito ブランドマネージャー・吉田 栞さん(30)
これまで本当に肌に悩んできた人を救いたいから、原料からとことんこだわって作っている『unito』の商品。パッケージもあえて、薬っぽくしているそう。お客様からのメッセージにはひとつひとつすべて返信するのがこだわり。@unito_yokohama
\吉田 栞さんのHistory/
22歳 |株式会社 長寿乃里に新卒入社
12歳から深刻な肌荒れに悩み始め、中高生の頃には化粧品メーカーで働くことが目標に。入社後は、販売促進部に配属。
25歳 |他社とのコラボ企画で仕事観が変化
商品企画部に異動し、キャラクターコラボプロジェクトに参加。0から1を生み出す楽しさを知り、仕事のやりがいを見いだすきっかけになりました。
26歳 |役員秘書と海外事業部を兼任
役員秘書として新規事業の補佐を行いながら、海外事業部も兼任。アジア圏の販路拡大を目指し、マーケット調査も担当。
28歳 |unitoのブランドマネージャーに就任
社内のいちラインとして立ち上がった「unito」のブランド力強化の必要性を感じ、役員にプレゼン。ブランドマネージャーに就任し、ブランド運営全体に携わる。
販促から役員秘書まで、多様な部署の経験がやりたいことに繋がりました
上と比べるよりも、自分が今できることにフォーカスしたい
就活当初はメークアップ系の会社をメインに受けていたのですが、その過程で株式会社長寿乃里に出合いました。「肌にいい製品しか作らない」という社長の言葉に共感し、入社を決意。実は中学生の頃からニキビなど肌荒れにずっと悩んでいた私。せっかくなら自分の関心が高い基礎化粧品に携わり、同じ悩みを持つ人に製品を提供したいと思いました。…とはいえ入社当初は長く働くつもりもなく…正直ぬるま湯に浸かった感じで仕事に向き合っていました。
転機になったのは入社して3年目、商品企画部に異動して、他社とのコラボプロジェクトに携わったこと。0から1を生み出すことが楽しくて、もっと仕事を頑張りたいと思うきっかけになったんです。そんな中で6年目を迎えた頃、会社のいちプロジェクトとしてunitoが誕生。当時、役員秘書として新規事業の補佐をしていた私は、このブランドはメッセージ性を持って発信する必要性があると強く感じていました。その想いを社内プレゼンで伝えたところ、なんとブランドマネージャーに就任。何のスペシャリストでも専門性もなく、自分には何もないと思っていたのですが、様々な部署で広くキャリアを重ねてきたことが生きたと感じた瞬間でした。
実際にブランドを始めてからは、認知もお客様もゼロで、知名度もないため営業に行っても興味を持ってもらえず、心が折れることもたくさんありました。同じようなスタートアップのブランドも多い中、unitoのように母体がないにも関わらず、結果を出している人を見ると差を感じたり、早く追いつかなければと焦ることもあります。でもやるべきことに一生懸命向き合っていると、メールをくれたり、ポップアップで会いに来てくれたりと、想いに共感してくれる方が着実に増えてきて。勝手に人と比べて落ち込むよりも、自分が今できることにフォーカスして、関わったすべての人を幸せにできるブランドにしたいです。
吉田さんのお仕事アイテム
撮影/杉本大希 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc