CLASSY.2022年7月号で取材した、明日海りおさんと望海風斗さん出演の『ガイズ&ドールズ』が6月9日に開幕!先日行われた主要キャストの囲み取材とゲネプロの様子をお届けします。
皆さまは、ガイズ&ドールズに出演するのは初めてだと思いますが、作品に対する思いをお話し下さい。
井上芳雄さん(以下・井上)「昨日無事にゲネプロが終わって、後はお客様を迎えるだけなので楽しみです。マイケル・アーデンさんというアメリカの演出家を迎えて日本で新しいガイズ&ドールズが作れるというのは貴重な経験だと思いましたし、この作品に関わることができて嬉しい気持ちでいっぱいなので、早く観て欲しいです」
浦井健治さん
(以下・浦井)「このカンパニーならではの2022版のガイズ&ドールズがようやく船出します。お客様に観て頂けると思うと幸せな気持ちでいっぱいです。僕はギャンブラーの方の枠組みで…」
井上「僕もその枠(ギャンブラー)なんですけど!自分だけみたいな言い方して。それより、(一人だけ手袋していることに対して)何で手袋しているの?殺し屋なの?寒いのかな(笑)?」
浦井「寒いわけではないです(笑)。ギャンブラーチームは家族のような暖かさを作れたなと実感していて。それは、演出のマイケルさんがいろんなことをして下さったからこそ、いいカンパニーになったなと思っています!そして、何より芳雄さんのスカイは空まで届くほどカッコいいので観て頂きたいです!」
井上「そういう台詞があるから言っているだけなんです」
浦井「違います!」
井上「浦井君は、こればっかり言ってくれるんです」
明日海りおさん(以下・明日海)「昨日ゲネプロがありまして、自分の出ていない場面を観たのですが、とても華やかなナンバーとワクワクする場面がぎゅっと詰め込まれていて…!この世界に自分も生きているということに、本当に特別な魔法にかかったような幸せ感があります。今までマイケルさんや皆と何度も作って壊してを繰り返して一つずつ積み上げた世界を、ようやくご覧頂けると思うと本当に楽しみです。自分のできる全てを発揮しようと思うと力が入りそうなので…」
井上「発揮しないんですか?半分くらいでもいけるかなって(笑)?」
明日海「そこに生きることを楽しむように、ちゃんとやります!」
井上「ちゃんとやりましょう!」
望海風斗さん(以下・望海)「ゲネプロをやりまして、このカンパニーの一員になれていることが、すごく幸せだと感じています。やはりこの数年我慢することや心痛むニュースが多い中で、こうして明るい作品を皆で作り、今ようやくお客様を迎えられるということがどれだけ幸せなことなんだろうと思いました。自分のことはさておき、本当に素敵な作品に仕上がったので、早くお客様に観て頂きたいです!」
お稽古で、宝塚時代と違うなと思うことはありましたか?
望海「違いますね」
井上「男性がいること?」
望海「最初はそれですね。私たちは性別が変わってしまったというのもありますし」
井上「ハンドバッグってどう持つんだろ?ってありましたね!」
望海「些細な事がわからなくなってしまうんです」
井上「明日海さんも僕に手を出してくれるときに、こうかこうか(手の甲が上か、平が上か)」
明日海「真剣にわからなくなりましたね」
望海「宝塚卒業生とよく共演されているお二人なので慣れていらっしゃって、こちらが自然にいられるような空気を作って下さいました」
井上「在団中の表には出せないエピソードを聞くのは楽しいですからね!どんなつらいことがあったか、誰と仲良くて誰と仲悪かったか…」
浦井「ここでは何も話せないじゃないですか(笑)!」
井上「お二人は宝塚にいた僕の妹と同期なので昔から知っていましたし、妹からは同期の中でもすごく真面目で努力家な二人と聞いていました。卒業されて間もないですが、女優さんとして全然違和感ないです」
望海「装っていますけどね」
井上「僕は男役から女優さんに変わる移行期間みたいのが大好きなんです。何ともいえいない、ちょっと男っぽいところでちゃったみたいな」
浦井「あー、ありますね」
井上「でも何年か経つと皆さん立派な女優さんになるので、寂しいなと思うんです。お二人はちょうどいい時期なんですよ。今も素晴らしい女優さんですけど」
明日海さんと望海さんは男役だったのに、女性として舞台に立つことの違和感はありましたか?
明日海「自分の中では常に大大丈夫だろうかっていう…」
井上「そういうタイプなんですよね。自分にね、問いかけるタイプ」
明日海「大丈夫だろうか、自分らしくいられているだろうかとか、その兼ね合いが難しかったですけど。望海と一緒にいる場面は、あまり意識しないで自然体で女性らしくいられている気がします」
望海「明日海との場面は、音楽学校に戻ったような感覚で懐かしい気持ちでお芝居しました。自分とのお芝居よりも、芳雄さんと明日海のスカイとサラのお芝居を観てすごいドキドキしました!明日海りおが?!みたいな(笑)」
最後に舞台にかける思いをお話し下さい。
望海「初日を迎えられることは本当に嬉しいです。この作品をいろんな方に観て頂いて、ここから更に進化していって深まっていく過程を全員で楽しんでいきたいので、千秋楽までどうぞ宜しくお願い致します!」
明日海「マイケルさんから頂いたお言葉を忘れずに、お客様との空間を素敵な時間にできたらいいなと思います。千秋楽までカンパニーの全員が健康でいられるようにと念じながら毎日公演したいと思います!」
浦井「今日の取材にこれだけたくさんの皆さまにお集まり頂けていることも奇跡のようなことです。今日からの公演が満員御礼でチケット難といれているのも、このご時世すごいありがたいことだと感じています。賭けで始まるスカイとサラの関係ですが、本当の愛になっていく、ロミオとジュリエットのような純愛の物語を観て頂けると思います。僕としては、アデレイドの望海さんとどれだけふざけられるか、楽しんでいけるかと思っております!」
井上「ちゃんとしたこと言うようになったな」
浦井「必死なんです!」
井上「マイケルさんを筆頭にアメリカから来て下さったスタッフ、日本のスタッフやキャスト全員で作った作品はクオリティの高いものになりました。客席から観たときに、まるでブロードウェイの舞台を観ているようだなと思ったくらいです。自分はミュージカルをやりたくて続けているんですけど、これが最後の舞台になっても満足だなって!あ、引退しませんけど(笑)、それぐらいここにいられてすごく幸せだと思うの作品です!皆さまが元気になれることを祈って、お客様を迎えしたいと思います!」
ゲネプロの様子はこちら!
全写真を見る(15枚)
ミュージカル『ガイズ&ドールズ』
ブロードウェイが誇る若手演出家が日本で創り出す、これが『ガイズ&ドールズ』の決定版!誰も観たことのない、新たな“ガイズ&ドールズ”が誕生する。
1950年にブロードウェイで初演されると同時に大評判となり、数々の賞に輝いた作品。日本でも再演を重ねてきたことでも有名。今回、ミュージカル界で大活躍する井上芳雄や浦井健治に加え、元宝塚歌劇団トップスターの明日海りおと望海風斗が女性役として初共演することで話題を呼んでいる。
東京公演 帝国劇場 2022年6月9日(木)~7月9日(土)
福岡公演 博多座 2022年7月16日(土)~7月29日(金)
取材/よしだなお 構成/CLASSY.編集室