元宝塚歌劇団月組トップスター珠城りょうさんのファーストコンサート『CUORE(クオーレ)』のスペシャルゲストにインタビューを敢行! 今回登場するのは愛月ひかるさん。一期違いの珠城さんの初コンサートに出演する意気込みやコラボレーションにかける思い、今後の活動の展望など、今の心境を伺ってきました。
「たまちゃんの気持ちに応えたい」コンサート出演を決めた理由
—珠城さんからコンサート出演の依頼が来たときの率直な感想を教えてください。
お話を聞いたときは、すごく嬉しかったです! たまちゃん(珠城さんの愛称)が、私とやりたいって言ってくれたことに感激しました。でも実は、依頼を受けたのが、私が退団する東京公演の真っ最中だったんです。その頃には音楽学校受験スクールのプロデューサーをやることは既に決まっていたので、忙しくなるのはわかっていて。卒業後、どれくらい舞台のお仕事に関わろうかまで考えられていなかったんです。だから、嬉しい反面本当にやれるのかなって、すごく悩みました。でも、たまちゃんの初コンサートが私の初舞台になるのは嬉しいし、ファンの皆さまに新たな一歩を踏み出すのを観ていただくのにふさわしい舞台だなと思ったんです。そして何より、たまちゃんが私とやりたいと思ってくれた気持ちに応えたかったので出演することに決めました。
珠城さんは“熱い気持ち”を共有できた大切な仲間
—以前珠城さんにお話を伺った際、愛月さんと下級生時代に男役について熱く語り合ったエピソードを教えてくれました。どんなことを話していたんですか?
たまちゃんとは一期違いなので、新人公演で主演をしていた時期が同じなんです。その頃、若手の私たちがどうしたら組を支えられるメンバーになれるのか、よく語っていましたね。組が違うからこそ、お互いの組でどうやっているか教えてもらったり、下級生をどう育てているか聞いたり…。なんか、今、あの頃の熱い気持ちが蘇ってきてしまいました(笑)。
—宝塚音楽学校時代の珠城さんとの思い出エピソードはありますか?
音楽学校でお掃除の役割分担があるのは皆さん知っていると思います。これに加えて、予科生の数名が、本科生の舞台行事を手伝う役職に任命されるんです。たまちゃんはその長をやっていたんですが、とても大変な役職なので厳しく指導されるんです。それでもたまちゃんは頑張って、一生懸命やってくれていたのを覚えていますね。いつも全力!というのは、学生時代も卒業した今も同じ(笑)。とてもありがたい存在でしたし、接する機会が多かったこともあり、学年の違いはあれど結びつきの強い予科生でしたね。
コンサートでは“絶対に盛り上がる曲”を予定しています
—コンサートではお二人で宝塚のナンバーを歌うと聞いています。どんなステージにしたいですか?
私はたまちゃんの男役が大好きなんですが、たまちゃんも私の男役が大好きと言ってくれて(笑)。なので、男同士みたいな曲を歌います! ちょっとお芝居っぽくなるのかな…? 詳しい事は話せませんが(笑)。もう一つは、絶対に皆さまが盛り上がる曲! ふり幅の広い、両極端な感じです。
—今回彩凪さんとは同じ舞台に立つことはありませんが、それぞれどんなステージにするか話したりするのでしょうか?
まだお稽古していなくって。しょうさん(彩凪翔さんの愛称)何やるんでしょう? 気になります! しょうさん、私、たまちゃんの順で一期違いなんです。私はお二人に挟まれた期なのでどちらとも接点があるのですが、しょうさんとたまちゃんが仲良しなことは全然知りませんでした。お二人が何を歌うか全くわからないけれど、二人の初共演、絶対に観たいです!
—彩凪さんとの音楽学校時代のエピソードはありますか?
しょうさんに怒られたことはないです! あ、怒られたかどうか、じゃないですよね。予科生の時は毎日怒られていたので、この頃のことを聞かれるとまず怒られたことが蘇ってしまいます(笑)。なぜか、同期も同じことをしているのに怒られるのは私だけで。いつも見つかっちゃうんです。タイミングが悪いなって思っていました。本科生には迷惑ばかりおかけしていましたが、しょうさんには怒られなかったんですよね。あの美貌で笑顔だったので、なんて美しい方なんだろうと思っていました!
これからの挑戦を楽しみにしてほしい--今後の活動の展望
—卒業後、宝塚音楽学校受験スクールのプロデューサーに就任されましたが、育てることは楽しいですか、難しいですか?
難しいです。中学生や高校生の思春期の子はとてもナイーブで、言葉を間違えると傷つけてしまいますから。例えば面接の授業で感じの悪い子がいたとして、「何か感じ悪いよ」と言っただけだと、こちらは指導するつもりでも、その子は傷ついてしまうと思うんです。なので、どんなふうに感じが悪いと思ったのか、その子の真似をして見せて、どう感じたか、どこを直せばいいと思うか、細かく話すようにしています。
手取り足取り指導しますが、優しいだけでなく時には厳しいことも言っています。何度も丁寧に伝えても、きちんとやらない子もいるんです。やっていないことはすぐにわかりますから。宝塚に入れるかどうかで人生が180度違ってくるのに、真面目にやらないのはダメですよね。ラストチャンスの子には「そんな甘い気持ちだと、受からないよ」とハッキリ言います。厳しい言葉ですが、言葉だけで終わらせず丁寧に指導することも心がけています。言葉に込めた私の気持ちをわかってもらえるといいなと思っています。
—最後に、これからのお仕事のビジョンについて教えてください。
舞台一本でいきたいとか、ミュージカル女優になりたいとか、そういう気持ちはないんです。でも表現することが好きですし、ファンの皆さまが待ってくださっているのはわかっていますので、皆さまと定期的にお会いできる機会は作っていきたいですね! 舞台も自分がやりたいと思えるものに出会ったら挑戦していこうと思っています。楽しみにしていてください!
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【PROFILE】
愛月ひかる(あいづきひかる)●2007年宝塚歌劇団に93期として入団。抜きんでた実力で注目を集め、新人公演主演を4度も果たす。2016年『エリザベート』ではルイジ・ルキーニ、2021年『ロミオとジュリエット』ではディボルトの死などを演じ 、2021年12月退団。2022年4月~5月に卒業後の初舞台となる珠城りょう1stコンサート『CUORE(クオーレ)』にスペシャルゲストとして出演が決定。
珠城りょう 1stコンサート
『CUORE(クオーレ)』
昨年8月に宝塚歌劇団を退団した元月組トップスター珠城りょう。コンサートをやって欲しいと熱烈なリクエストが多数寄せられ、退団後初となる待望のソロコンサートが実現。構成・演出・振付は珠城が「とても憧れていた」と語る川崎悦子が担当し、スペシャルゲストに宝塚OGの彩凪翔、愛月ひかるが登場。今までにない珠城りょうの魅力が詰まった、スピード感溢れるダンサブルなステージをお披露目予定。
4月30日(土)~5月3日(木) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
5月13日(金)~5月15日(日) 東京国際フォーラム ホールC
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フォトギャラリー(全4枚)
撮影/木村敦 取材・文/よしだなお 編集/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)