【前田敦子さんインタビュー】|堤幸彦監督の現場で大変なことといえば…?

堤幸彦監督が贈る痛快ミステリードラマ、Huluオリジナル『死神さん』。警察が生み出した冤罪事件を再捜査することに喜びを感じるクセモノ刑事、通称“死神”を田中圭さんが演じます。その“死神”を“連絡係“としてサポートする警視庁広報課所属の巡査長・南川メイを演じる前田敦子さんは今年30歳を迎え、まさにCLASSY.世代を代表する女性の一人。2回にわたり今回の作品やご自身のパーソナリティについてお話をお聞きしました。

――今回のドラマ『死神さん』で

――今回のドラマ『死神さん』で前田さんが演じたのが警察官の南川メイ。作品全体を通して主役の田中圭さん演じる儀藤のそばにいるコミカルなキャラクターでありながら、作品のストーリーテラーも担っています。

南川メイは堤監督が自由な感じで作ってくださった、原作にはないオリジナルのキャラクターです。ドラマの題材が警察が生み出した冤罪事件の再調査で難解な事件が多いですし、主人公の儀藤も通称“死神”と呼ばれるくらい陰気なので、このままいくと暗い感じになりそうなんですが…。そんな時、突然現れるメイが作品を堤監督ワールドに仕上げてくれる重要な存在だと思っています。メイは自分のことを“儀藤さんのパシリ”と言うくらい儀藤さんのことが大好きで、毎回パシらされています。そんな、頑張っているメイを楽しみながら観ていただきたいです」

――田中圭さんがご本人のキャラクターとは真逆の陰キャの刑事・儀藤を演じています。前田さんご自身も「今までにない田中さん、どう来るのか楽しみ」とコメントされていましたが、田中さんの印象を教えて下さい。

田中さんは皆さんがイメージしているとおりの、陽気で優しい方。バラエティに出ている時の、あのままです(笑)。現場でもオフカメラでは“ザ・田中圭さん”なのに、スタートがかかったら役にすんなりと溶け込むので、すごく器用な方なんだなと思いました。すごく頭で考えていらして、それを共有するというよりは見せてくれるという感じです。どんな場面でもそこにドンと立ってみんなを引っ張ってくれる、頼れる存在でした」

――堤幸彦監督とは何度かご一緒されていますが、「現場でいろいろと求められるんじゃないかと身構えいるところもある」とのこと。堤監督とお仕事されることの魅力、逆に大変なところを教えてください。

堤監督といったら、スピード感! 現場で撮影と編集が同時に行われるんです。監督の横には常に編集担当の方が2人いらして、猛スピードでパソコンを使って編集していきます。普通は持ち帰って、後日編集するんですけど。ドラマを現場で編集するスタイルは堤監督だけです! 監督の頭の中では何を撮るかが明確になっているので、それに当てこむように演じるのは緊張します。そして、どんどん本番になっていくので息をつく瞬間がない(笑)! あんまり深く考えてやるなってことなんだと思いますが、台詞が多いときは本当に焦ります。『ちょっと待ってください』って言えないので、この焦りに負けてはいけない!と毎回頑張りました。でもそうやってスピーディに撮るから、こんなにポップな作品ができるんだなっていつも思うんです。それに監督が面白い方なので、現場は盛り上がっていてすごく楽しいです!

――ドラマのキーワードは「逃げ

――ドラマのキーワードは「逃げ得は許しません」ですが、前田さんが「これは逃がさない!」と思っていることは?

「素敵な仕事は逃したくないです! 仕事との出会いはすべて運次第だと思っていて――スケジュールがあいていない、自分が動ける体ではないとか、なにか一つズレただけで逃げてしまいます。だから、仕事がきた瞬間を逃がすことがないように生きています。こんな気持ちでつかんだ仕事が完成した時は本当に嬉しいです

――では逆に「逃げちゃいたい!」と思うことは?

いっぱい食べちゃった時は、逃げてなかったことにしたいです(笑)。なんで今日はこんなに食べちゃったんだろう…って。食べるのを止められなくて、食べた後に逃げたくなります。食べてしまったらジムで頑張って、食べたいからまたジムで頑張って…。それなら、食べなきゃいいじゃん!って(笑)。『エネルギーを使っているから食べないとね』って言っていただくんですが、そんなに食べなくてもいいんじゃない?!って自分につっこんでいます。たぶん、皆さんの予想以上に食べるのでびっくりすると思いますよ。YouTubeをやったら絶対バズります! 『そんなに食べるの?ウソでしょ?』って(笑)。なかでも甘いものが大好きで1回食べだすと止まらないです。日頃の悩みが“お腹がすいて目が覚める”で、健康的とも言っていただけるんですけど、健康的でない物を食べてしまうので後悔しています(笑)

楽しそうな現場で撮影された連続ドラマ、Huluオリジナル『死神さん』。次回は今年7月に30歳を迎えた前田さんの今の心境や怒涛の20代についてお話をお伺いします。

前田敦子

1991年7月10日生まれ。千葉県出身。2005年~2012年までAKB48の一期生メンバーとして活躍。映画『あしたの私のつくり方』で女優デビュー。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』で映画初主演。他にも映画『苦役列車』『イニシエーション・ラブ』や、ドラマ『龍馬伝』『ど根性ガエル』など、出演作多数。

Huluオリジナル『死神さん』

(C)HJホールディングス
(C)HJホールディングス

主演・田中圭×堤幸彦監督―2021年秋、“破天荒なダークヒーロー”が誕生――警視庁で最も疎まれ嫌われている冤罪事件の再捜査を専門とする刑事、通称“死神”こと儀藤堅忍を田中圭が演じる。その儀藤をサポートする警察官として前田敦子が登場。「逃げ得は許しません」という決めゼリフで、闇に葬られた真相をあぶりだす痛快ミステリードラマ。Huluで独占配信中。毎週金曜、新エピソード配信。全6話。

撮影/木村 敦 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)

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表紙モデル:今田美桜

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